昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

鼠小僧次郎吉 ~さると猿回し~ 二十六

2010-09-08 19:37:49 | 小説
稲葉小僧は、
天明の初年(1780年)頃より、
大名屋敷を襲う盗賊として有名になった。

警備の手薄さを調べ上げての犯行であった。

盗む物は、
金子は勿論着物小間物、
果ては大名屋敷の大切な道具類も盗み出した。

目利きができたのである。

というのも、
稲葉小僧は武家の出であった。

淀藩稲葉家に仕える武士の次男として生まれた。

が、
幼少の頃よりの盗癖の為、
遂には入れ墨の上、
「たたき」の刑に処せられた。

親元に居ることができず、
勘当同然に飛び出した。

食べていく為には働かねばならぬものの、
武士の出身故に丁稚奉公を嫌った。

そうこうしている内に、
往来の人混みの中で掏摸を働きだした。

そして、
江戸の悪党仲間に加わり、
夜盗になったのである。

そして、
稲葉家の者故、
稲葉小僧と称された。

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