昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルー・じゃあず ~二十歳の詩(うた)~ (一)

2010-03-24 20:08:25 | 小説
その日はいつになくすがすがしい目覚めで、
プーンと部屋中に漂うコーヒーに意識が誘われてのこともあり、
心はいつになく穏やかだった。

が、重い瞼を開いては閉じ閉じては開き、そして閉じる・・・
際限のないこの営みに、再び睡魔に襲われようとしたとき、
カーテンの隙間から時折射るように差し込む朝の太陽の光は
その閉ざされた目を鋭くえぐった。

熱いコーヒーをすすりながら、
テーブルの上のサングラスー冷たい銀のフレームのサングラスに目をやり、
思わずため息ともつかぬ吐息をもらした。

風は時折快い風を呼ぶ。
しかし、
カーテンの揺れる度の太陽の光にーまぶしいばかりの太陽の光に、
思わず背を向けてしまう。

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