昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

「祭りの夜(改)」 十四

2013-07-03 21:35:34 | 小説
(十四)

「とにかく、時間がない。
祭りは今日までで、明日には次の土地に行ってしまう。
助け出すには、今晩しかないんだ。」

「そうだよ、急がなくちゃ。
でも、どうしよう…」

帰りの道々、計画を練った。
といっても、友人の発する言葉に対し、「うん、うん。」と同調するだけの私だったけれども。

「見つかるわけにはいかないんだ。
街灯のある道は、だめだ。
裏道を行くしかないぞ。」

「でも、暗くないかい?」

「だから良いんじゃないか。」

「そうか、そうだよね…」

計画自体は、大雑把な計画だった。
小屋から連れ出すことだけで、その後どこでどうするということまでは考え付かないものだった。


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