昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

わたしの見た、おフランス・パリcity (旅行記) 二十六

2013-07-04 19:35:10 | お出かけ


(二十六)

さてさて、すぐにもバスに乗り込みたいところですが、もう少し待って下さいな。
実は、That’s おFrance! なことがあったのです。

後ろから、派手なロックミュージックが流れ始めたと思って下さい。
それはそれは、大音量でした。皆が皆、後ろを振り向いたのですから。

道路脇には、テレビクルーでしょうか、車が止まっていました。
長い机が、道路の中央辺りに二つほど並べてあります。

サイン会でも開くのでしょうかね。
その机の後ろに、白マスクをかぶった男女が二人居ました。

映画に出てくるような、白仮面ですよ。
一人はひげが書き込んであります。

ほら、鼻の下からぴんと横に跳ね上がるようなひげですよ。
フランス人に、よく見かけるじゃないですか。

そうそう、ピンクパンサーのクルーゾー警部みたいな。
ご存じない? 怪人ファントムが出てくる映画ですけど。

うーむ、時代のギャップを感じますねえ。
「昭和も遠くになりにけり!」ですか……

プロモーションでしょうか、一人の青年がテレビの取材を受けてます。
話、できるんですかね? この大音量の中で。

周りに人だかりが出来はじめました、写真を撮っている人もいます。
新人グループなんでしょうかね、机の後ろの二人に、もう一人が加わりました。

わたしもね、写真を撮ろうかと思ったんですよ。
タイミングが悪く、「バスが来たよ!」と声が掛かっちゃって。

何が、「That’s おFrance! だ?」ですって? 
これからですがね、これから。

バスに乗り込むなり、ガイドさんが言うんです。
「ご多分にもれず、フランスも不況のまっただ中です。
閉店する店も珍しくありません」

なんなんだよ、政治の話でもするの? 
それとも、この不景気の最中(さなか)にフランス旅行を企画してくれた会社に感謝しろとでも言うの?

そんなの、余計なお世話だよ。あんたに言われなくても、十二分に感謝してますよ。
一生懸命、毎日仕事を頑張ってますよ。

「気が付かれたと思いますが、先ほど閉店に対する抗議のデモンストレーションをやっていましたね。

あそこは、あるレコード店の前です。
つい先日、閉店しました。
 
インターネットでのダウンロード販売やら、大手レコード店の進出やらで経営が成り立たなくなったお店です。
お客さんが来なくて、閑古鳥が鳴いてる状態でした。

閉店セールを一週間ばかりやったのですが、その時はもう、大賑わいでした。
閉店する必要なんかないんじゃないの? という声が聞こえるくらいで

ということで、従業員たちがオーナーに対して、抗議の声を上げているところでした。
こういうのは、パリでは珍しくありません。至るところで、こういったシーンを見ることが出来ます」

芸能関係のイベントかと思っていました。
それにしても派手な抗議の仕方でした。



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