昭和の恋物語り

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長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(八十七) ハサミを握り締めてたのよ

2014-05-21 21:34:53 | 小説
(五)

「すごい! 男顔負けの、大活躍よ」
「ほんと。マサさんが立たなかったら、あたしが行ってたけどね」

「この人なんか、ハサミを握り締めてたのよ」
「マサさんが行ってくれたからよ」

そのひと言に、皆がうんうんと頷いた。
第一の功労は、マサに違いなかった。

「マサ、頑張ったわね。
体が大きいくせに気の小さいマサが、よくぞ立ち上がったわ。
立派よ、立派」
古参の徳子が、最後の締めをした。

「だけど、社長の予言? 当たったじゃない。まさかホントになるとはね。
男連が居なかったのは、想定外だったけどね」

「だめだめ。内の男どもは、てんで意気地がないんだから」
「内だけじゃないわよ、どこもよ」

「そうよね、社長と加藤専務ぐらいじゃない、頼りになるのは」
「それはそうと、田山さんって誰なの? まさかほんとに、警察に知り合いが居るの?」

「居るわけないですよ。あんなの、デマカセです。
何て言いました、あたし? 田山って言ったんですか? ふうぅぅ」


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