そうねえ。察するに、その友人って、マザコンの気があるわね。
あっ、それは仕方のないことなのよ。母一人子一人では、それが当たり前なんだから。
それはそれとして、お母さまのことだけど。
恐らくお一人になられて、淋しくなられたんじゃないかしら。
子育て中は、そりゃもう夢中だったと思うわ。
女であることも、忘れていたんじゃないかしら。
で、子供が巣立ってしまうと、ぽっかりと心に穴が空いたんじゃないかしら。
あくまで、私の想像だけどね」
小原は彼の背をさすりながら、言葉を続けた。
「多分だけどね。貴方の友人も頭では分かっているのよ、きっと。
だけど、消化できないでんしょうね。無理もないことよ、それは。
もっと年齢を重ねれば、許せると思うわ。
唯、そのことでお母さんを責めないでほしいわ。
そっとしていて欲しいわ、私からのお願いよ」
まさしく彼の求めていた言葉を、小原が告げてくれたことに彼は感謝した。
「そうですね、そうですよね。許せないという気持ちは、仕方がないですよね。
でも、心の中に秘めておくべきですよね。
そうですよね、僕も友人にそう言ったんですよ」
小原にと言うよりは、己に言い聞かせるような口調だった。
「あっ! 今、何時ですか? うわあ、もう一時過ぎですか。ごめんなさい、遅くまで」
立ち上がろうとした彼だったが、急激に酔いが回り涼子の肩に崩れ落ちた。
「大丈夫? 無理しないでいいのよ。言ったでしょ、飲み明かすって。
泊まっていきなさい、今夜は。私もね、今夜は一人になりたくないの。
もうすぐ、日本から離れるつもりなの。
まだ誰にも言ってないんだけど、アメリカに行くの。
向こうの大学で、少し勉強してこようと思ってるの」
「えぇっ!? アメリカに、行かれるんですか?」
思いも寄らぬ小原の言葉に、彼は素っ頓狂な声を上げた。
あっ、それは仕方のないことなのよ。母一人子一人では、それが当たり前なんだから。
それはそれとして、お母さまのことだけど。
恐らくお一人になられて、淋しくなられたんじゃないかしら。
子育て中は、そりゃもう夢中だったと思うわ。
女であることも、忘れていたんじゃないかしら。
で、子供が巣立ってしまうと、ぽっかりと心に穴が空いたんじゃないかしら。
あくまで、私の想像だけどね」
小原は彼の背をさすりながら、言葉を続けた。
「多分だけどね。貴方の友人も頭では分かっているのよ、きっと。
だけど、消化できないでんしょうね。無理もないことよ、それは。
もっと年齢を重ねれば、許せると思うわ。
唯、そのことでお母さんを責めないでほしいわ。
そっとしていて欲しいわ、私からのお願いよ」
まさしく彼の求めていた言葉を、小原が告げてくれたことに彼は感謝した。
「そうですね、そうですよね。許せないという気持ちは、仕方がないですよね。
でも、心の中に秘めておくべきですよね。
そうですよね、僕も友人にそう言ったんですよ」
小原にと言うよりは、己に言い聞かせるような口調だった。
「あっ! 今、何時ですか? うわあ、もう一時過ぎですか。ごめんなさい、遅くまで」
立ち上がろうとした彼だったが、急激に酔いが回り涼子の肩に崩れ落ちた。
「大丈夫? 無理しないでいいのよ。言ったでしょ、飲み明かすって。
泊まっていきなさい、今夜は。私もね、今夜は一人になりたくないの。
もうすぐ、日本から離れるつもりなの。
まだ誰にも言ってないんだけど、アメリカに行くの。
向こうの大学で、少し勉強してこようと思ってるの」
「えぇっ!? アメリカに、行かれるんですか?」
思いも寄らぬ小原の言葉に、彼は素っ頓狂な声を上げた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます