昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ブルーまぁだらぁ 蒼い友情 五

2010-02-21 23:17:49 | 小説
私に向かって投げかけた言葉かと思い、身構える私だったけれども、
新一の目は私を見ていない。
テレビに視線は向いていたけれども、見ているようには感じられない。
そう、ブラウン管に映っている新一自身を見つめているような、
そんな風に感じた。

「大人に分かるわけがない!
そう主張するのなら、答える必要はない。
そもそもテレビに出るなど、言語道断だ。
文明社会を捨てて、大自然の中に戻るヒッピーなのに。
文明社会の最たるもののテレビに出るなど、だ。
明らかにギマンだ。
あいつはヒッピーじゃない!
単なるスネ男だ。」

「ヒッピーはすでに人間失格なんだろ?
文明社会においては、生存の場はないんだろ?
だったら、唯黙って、大自然に帰ればいいんだ。
トンボめがねをかけて、布袋を背にして、ゴム靴をひきずって。
もどきだ、もどきだよ!
淋しい、淋しいぞ、バカめが!」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿