昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

蒼い恋慕 ~ブルー・れいでぃ~ (初見)

2010-01-16 14:34:05 | 小説
常連客を装おうとした少年。
顔を真っ赤にして、チケットを手にして、キョロキョロと見回す。

“カウンターだ、カウンターの隅っこに行け!”
と思ってはみても、少年の足が動かない。

案内係の合図があったのか、黒服が少年の前に。

「お客さん、こちらにどうぞ。お連れ様はいらっしゃいますか?」
「い、いえ。今夜は一人です。この間は・・」

友人に連れられて来たのだと言いかけて、言葉が詰まってしまった。
初見の客だと見抜かれていることを、
さすがに認めざるをえない少年だ。

第一、二度目三度目がどうだというのか。
つい苦笑いをしてしまう。

「申し訳ありませんが、
お一人様ですとカウンター席をお願いしていますが。」

「良いです、そこで。
端が空いていれば、端っこで良いです。」

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