昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[破戒]という映画

2012-02-04 17:29:53 | よもやま話
久々に、文芸映画を観ました。
島崎藤村の[破戒]を原作とした映画です。
大好きな市川雷蔵主演ということがあっての、レンタルでした。
実は島崎藤村の作品は、一作も読んでいません。
嫌いというわけではないのですが、どうしてか敬遠してきました。

それはさておき、映画の話です。
問題を正面から見据えた映画です。
([]についての詳細は、ウィキペディアフリー百科事典で調べてください。)
冒頭のシーンで、いきなり自殺の場面です。
然も牛の角に刺されて絶命するというシーンで、驚かされました。
その自殺した男の息子が、主人公です。
社会から隔絶された山の中で暮らす民でした。
病に罹ったことを懸念しての、覚悟の自殺です。
農家から逃げ出した牛ということでしたが、
“自殺した男がひょっとして・・?”と考えました。
というのも、その農家からお金が出たからです。
他の民に葬ってもらうのですが、その為のお金?と思えるのです。

主人公は、父親の戒め「生い立ちと身分を隠して生きよ」を守り、
身分を隠して小学校の教師をしていました。
父親の死、敬愛する解放運動家の壮絶なる死、
そして己の身分が噂されたことから、とうとう自分を偽ることができなくなり、
子どもたちの前で土下座をして告白するのです。
その苦悩が描かれた映画です。
でもラストに、救いがありましたよ。

それにしても、人間の尊厳について考えさせられました。


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