昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

昭和の恋の物語り (二十四)

2013-02-04 22:25:33 | 小説
再掲載作品です。
(前タイトル:風よ、伝えて! ~恋のGT~)

一昨年(平成23年)、市文芸祭に出品しました。
市長賞(二位)を頂きました。

審査員の方に、
「真理子ちゃんのお話がもう少し欲しかったですね。」
と言われました。

三十枚という制限の中では、どうしても書き切れませんでした。
で今回は、そのことも含めて少し書き足しました。
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(二十四)

その山頂を造成し、プラネタリウムが作られている。

このドライブウェイは、以前に二、三度走ったことはあるが、プラネタリウムには入ってはいない。
山頂の駐車場で一休みしてすぐに下りるだけだった。

市街地を何事もなく無事に過ぎ、ドライブウェイの入り口にたどり着いた。
二人の訝る視線を背にしながら、俺は車を降りた。

念のために冷却水の確認をしたかったのだ。
今朝確認をしているので心配は無いのだが、クネクネとした山道を上るのだ、しかも三人で。
恥をかくわけにはいかないのだ。

冷却水の確認では、苦い想い出がある。

免許を取って間もない頃だったが、水温が異常に上がりオーバーヒート寸前になったことがある。
ラジエターの蓋を開けた時、熱湯というよりも火に近いものが俺の顔面を襲ってきた。

その時もし、サングラスをしていなかったら……背筋が寒くなる。

鼻のてっぺんと(短い)鼻の下とそして唇とを火傷した。
勿論、サングラスは使い物にならなくなった。

ファンベルトが半分切れかけになっていたのが原因だった。


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