再掲載作品です。
(前タイトル:風よ、伝えて! ~恋のGT~)
昨年(平成23年)、市文芸祭に出品しました。
市長賞(二位)を頂きました。
審査員の方に、
「真理子ちゃんのお話がもう少し欲しかったですね。」
と言われました。
三十枚という制限の中では、どうしても書き切れませんでした。
で今回は、そのことも含めて少し書き足しました。
~~~~~~~~
(九)
「配達の折に注文の一つも貰って来い、たまには。」
冗談じゃない! その分の給料は貰ってないぞ。
でいつもなら、「ご苦労様!」と返ってくるはずが、今日に限って何の返事もない。
階段の途中で、鎌首をもたげて覗き込んだ。
一望できる仕切りのない作業場には、誰も居ない。
返事が返ってこないわけだ。
仕方なく、窓から外の景色を眺めた。
相も変わらず忙しそうに、車が行き交いしている。
車の保有台数は、全国で三番目だと聞かされている。
実に多い。
この車の台数を半分に減らそうものなら、確実に事故が増えることだろう。
断じて減ることはない。
俺は確かにそう思った。
その理由に、車が多いからこそ緊張し、車が多いからこそこれ以上のスピードが出せない、そう思った。
(前タイトル:風よ、伝えて! ~恋のGT~)
昨年(平成23年)、市文芸祭に出品しました。
市長賞(二位)を頂きました。
審査員の方に、
「真理子ちゃんのお話がもう少し欲しかったですね。」
と言われました。
三十枚という制限の中では、どうしても書き切れませんでした。
で今回は、そのことも含めて少し書き足しました。
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(九)
「配達の折に注文の一つも貰って来い、たまには。」
冗談じゃない! その分の給料は貰ってないぞ。
でいつもなら、「ご苦労様!」と返ってくるはずが、今日に限って何の返事もない。
階段の途中で、鎌首をもたげて覗き込んだ。
一望できる仕切りのない作業場には、誰も居ない。
返事が返ってこないわけだ。
仕方なく、窓から外の景色を眺めた。
相も変わらず忙しそうに、車が行き交いしている。
車の保有台数は、全国で三番目だと聞かされている。
実に多い。
この車の台数を半分に減らそうものなら、確実に事故が増えることだろう。
断じて減ることはない。
俺は確かにそう思った。
その理由に、車が多いからこそ緊張し、車が多いからこそこれ以上のスピードが出せない、そう思った。
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