(四)
「えぇ婿さんじゃ。のぉ、小夜子。
でかしたぞ、ほんに。
お前のおっ母さんにはがっかりさせられたが、
小夜子を産み落としたことは認めてやらねばの。」
“この婆さまが、母ちゃを殺したんだ。”
恨みの炎が、小夜子の目に宿る。
と共に、ほぼ直角に曲がった腰が、痛々しく小夜子に映る。
齢、百歳を超えたはずの大婆。
当主である繁蔵に対してあれこれ指図する様は、一種異様な趣を漂わせる。
「隠居しても良かろうに、なんで固執するかのぉ?」
「繁蔵さんではなくて、嫁の方じゃて。初江さんよ。」
「そうそう。嫁に牛耳られるのが、癪なようじゃわ。」
「えぇ婿さんじゃ。のぉ、小夜子。
でかしたぞ、ほんに。
お前のおっ母さんにはがっかりさせられたが、
小夜子を産み落としたことは認めてやらねばの。」
“この婆さまが、母ちゃを殺したんだ。”
恨みの炎が、小夜子の目に宿る。
と共に、ほぼ直角に曲がった腰が、痛々しく小夜子に映る。
齢、百歳を超えたはずの大婆。
当主である繁蔵に対してあれこれ指図する様は、一種異様な趣を漂わせる。
「隠居しても良かろうに、なんで固執するかのぉ?」
「繁蔵さんではなくて、嫁の方じゃて。初江さんよ。」
「そうそう。嫁に牛耳られるのが、癪なようじゃわ。」
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