昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[お取り扱い注意!] (二)

2013-07-23 19:34:19 | 小説
元旦に、突然届いた荷物。

日が経つにつれ、膨れ上がってきた。

中から出てきた物は……人形だった。

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(二)

映画の続きが気になった私は、封を開けることもなくテレビの前に戻った。
赤々と燃えさかるストーブが、私の体を暖めてくれている。

そして冷たいアイスを口にする私。
何という矛盾だろうか、何という贅沢だろうか。

もうずいぶんと前に、何の映画だったか忘れたけれども、
暖炉の前で子供が食べるアイスが、いかにも美味しく見えた。

日々の生活に追われてー生活の糧を得るための毎日の仕事が、
心身ともに疲れ果てさせている。

まるで気が付かない事だったけれども、日一日とあの箱が大きくなっていた。

さすがに三日目になって、五十センチ角ほどにまで膨れ上がっているのには驚いた。
玄関口を我が物顔に占領されては、気付かぬ方がおかしいというものだ。

「どうしたんだ、こりゃ。」
思わず声を上げた。


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