Silent night holly night.
All is calm all is bright.
Round yon vergin mother and child.
Holy in fant so ten-der and mild.
Sleep in heavenly piece.
Sleep in heavenly piece.
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「いいのかい? 外に出て。みんなでイブを楽しんでいるようだけど」
「いいの。私、みんなでバタバタ騒ぐより、トシシンちゃんと歩いていたいの。
それに、みんなの中で小さくなったシンちゃんを見るの、嫌だもん」
「チェッ! 見くびってるナ」
アコは、襟に白いフリルの付いたピンクのワンピースに、真っ赤なコート。
シン公からの贈り物、真っ赤な手袋。それが、暖かく包んでくれる。
シン公は、薄いブラウンのスーツの上に、黒いレインコート。
アコからの贈り物、手編みのマフラー。それが、暖かく包んでいる。
「冷えるなあ、今日は」
「そうね、雪が降るかもしれないネ」
白い舗道を、シン公はアコの肩を優しく抱いて歩く。シン公に体を預けたアコは、嬉しくて
足が地についていない心地。
「あそこの喫茶店で、コーヒーとケーキでお祝いしよう。
すごくシックな店なんだぜ。
天井に一つだけ、光の弱いシャンデリアがあるんだ。
ワンボックスごとにろうそく三本一組が、壁に付いてる。
ソファは、フンワリとしていて気持ちいいし。
床には、赤い絨毯が敷いてある」
「フーン、いいところね。いいわ、行きましょう。クリスマス・イヴだもん、いいわよ」
アコはシン公の輝く瞳に酔いしれながら、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
“先生に見つかれば、停学かしら…”
シン公はアコのコートを優しくたたみ、コートと一緒にソファへ。
「暖房が効いてて気持ちいい!」
「そう、いいところだろう」
二人の声は少し上擦っている。
「そうね。少し暗いけれど、シンちゃんがいるから安心」
アコは力なく肩を落とし、ホッ! とため息をつく。
「どうしたの? 少しセンチメンタルになったのかな、アコらしくないぞ」
「フフフ、そうよ。ちよっとおセンチになっちゃった。
だって、シンちゃんが優しすぎるから。
だけど、来年は高校三年生。そして、大学入試……」
シン公の沈んだ顔に気づいたアコは、明るい話題に切り替えようとする。
けれども、ウェイトレスに邪魔された。珈琲とケーキが並べられる。
そのウェイトレスの目に嫉妬に似た強い光を感じ、アコは小さくなってしまう。
シン公はウェイトレスにニッコリ笑いかけ、短く“「ンキュー!」
アコの知らないシン公がいる。シン公が、遠くに感じられる。
アコは追いかけるように話しかけた。
「よく来るのね、ココ」
「うん、そうだな。日曜日毎かな。どうして?」
珈琲に砂糖を入れながら、シン公が言う。
アコは、スプーンでカップをかきまわしながら、
「あのウェイトレスさんとは、仲がいいの?」と、聞く。
「えっ?」と、シン公。そして、さも面倒臭そうに。
「ああ、ピーナツの量を少し増やしてくれ、、、」
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