昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

小説・二十歳の日記  九月八日  (曇り)

2024-11-03 08:00:31 | 物語り

[軽い火傷]

どうにもぐずついた天気がつづく。
ことしの夏は、冷夏だそうだ。秋が早いとか。
なんだか天気が、ぼくの感情に左右されるみたいに思える。
ま、ぐうぜんの一致だろう。
だいたい、天気のことを気にするのは、楽しいとき、若しくは悲しいとき位のものだもんナ。

どうやら、先輩の話にすこし誇張はあったものの、半分は当たっていた
。やっぱり、物足りないということらしい。
ぼくが年下であること、そのために彼女がリードしなければならなかったこと、疲れたということだった。
グイグイと引っぱる男性がこのみだということだ。
「冷却期間をおきましょう」と言われたが、たぶん駄目だろう。
まあしかし、かるい火傷ですみそうだ。
しばらくは落ち込むだろうが、そのうち時間がたすけてくれるさ。
……だけど、忘れ去るまでのあいだ、どうしたらいい。
……とにかく、忘れることだ。

 

[ポッカリと]

なにか、他のことを考えよう。

また最近、新聞紙上をにぎわせているゲバルト学生。
どうしたって言うんだろう。
ある論評で、著名な作家が冷笑していた。
その作家を称して、”ファシスト”と叫んだことから議論になったとある。

作家いわくに、その学生は 姓はマルクス名はレーニンと、ふたりの人物をひとまとめにしているとのこと。
たしか、中学時代にまなんだはずだ。
レーニンは、トロッキー(だと記憶しているが)を暗殺することにより、独裁者となり恐怖政治をおこなった、と。
マルクスは経済学者であり、ソ連の共産主義の根本が、ドイツ人マルクスの唱えた「マルクス主義」だというからおもしろい。

だめだ、やっぱり白じらしい。いくら話題をかえても、頭の片隅にのこっている。
ポッカリとあいた空間はうまらない。
それにしても、こうした場合に大人たちはどうしてきたのだろう。
まさか、こんな気持ちがぼくだけ、ということはないだろう。



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