三部構成の、
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
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(五)
「助役だろうと誰だろうと、去ね。」
茂作の剣幕に押された役場の守、やむなく離れた。
茂作にしてみれば、五平の用向きが気になる。
小夜子をお嬢さまと呼ぶことが気に入らない。
茂作を小ばかにしているように感じられる。
“貧乏人だと見くびりよって!
小夜子は、佐伯の本家に嫁ぐ身ぞ。
大身上の佐伯本家にじゃ。
馬鹿にすると承知せんぞ。”
先日に大見得を切った啖呵のことなど、ころりと忘れている茂作だ。
「それで、どんなご用ですか?
わしも色々と忙しい身でしての。」
「こりゃ、失礼致しました。
本来なら媒酌人を立ててお伺いせねばならんのですが、
そういった堅苦しいことがとんと苦手でして。」
「ち、ちょっと待った!
媒酌人とはどういうことか!」
寝耳に水のことに、怒りで手がぶるぶると震える。
「出てけえー! そんな話は聞きたくもないわ!」
(六)
「落ち着いてください、竹田さん。
悪い話ではありませんで。
小夜子お嬢さまも、ご納得されておりますし。」
「ばかたれぇ! 納得もなにも、あるもんか!
小夜子は、小夜子は、わしの娘じゃ!」
怒り心頭に達している茂作に、五平のドスの利いた声が突き刺さる。
「竹田さんよ、そんな風に虚勢をはるものじゃないよ。
あんた、借金があるだろ?」
「い、いや、それは……」
思わず絶句する茂作。
五平を、その取り立てかと疑った茂作。
そこを突かれると、黙るしかない。
「その先物取引の借金をチャラにしたのは、御手洗なんだよ。」
「な、な、な……」
言葉が出ない茂作、思いも寄らぬことを告げられた。
「督促が、来なくなったろうが。
まだあるぜ、竹田さんよ。
毎月の仕送り、あれも御手洗だ。
小夜子お嬢さまはご存知ないことだがね。
御手洗のお陰で、三度三度のおまんまやら晩酌が出来てるんだ。」
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
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(五)
「助役だろうと誰だろうと、去ね。」
茂作の剣幕に押された役場の守、やむなく離れた。
茂作にしてみれば、五平の用向きが気になる。
小夜子をお嬢さまと呼ぶことが気に入らない。
茂作を小ばかにしているように感じられる。
“貧乏人だと見くびりよって!
小夜子は、佐伯の本家に嫁ぐ身ぞ。
大身上の佐伯本家にじゃ。
馬鹿にすると承知せんぞ。”
先日に大見得を切った啖呵のことなど、ころりと忘れている茂作だ。
「それで、どんなご用ですか?
わしも色々と忙しい身でしての。」
「こりゃ、失礼致しました。
本来なら媒酌人を立ててお伺いせねばならんのですが、
そういった堅苦しいことがとんと苦手でして。」
「ち、ちょっと待った!
媒酌人とはどういうことか!」
寝耳に水のことに、怒りで手がぶるぶると震える。
「出てけえー! そんな話は聞きたくもないわ!」
(六)
「落ち着いてください、竹田さん。
悪い話ではありませんで。
小夜子お嬢さまも、ご納得されておりますし。」
「ばかたれぇ! 納得もなにも、あるもんか!
小夜子は、小夜子は、わしの娘じゃ!」
怒り心頭に達している茂作に、五平のドスの利いた声が突き刺さる。
「竹田さんよ、そんな風に虚勢をはるものじゃないよ。
あんた、借金があるだろ?」
「い、いや、それは……」
思わず絶句する茂作。
五平を、その取り立てかと疑った茂作。
そこを突かれると、黙るしかない。
「その先物取引の借金をチャラにしたのは、御手洗なんだよ。」
「な、な、な……」
言葉が出ない茂作、思いも寄らぬことを告げられた。
「督促が、来なくなったろうが。
まだあるぜ、竹田さんよ。
毎月の仕送り、あれも御手洗だ。
小夜子お嬢さまはご存知ないことだがね。
御手洗のお陰で、三度三度のおまんまやら晩酌が出来てるんだ。」
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