昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

愛・地獄変 [父娘の哀情物語り] (八)

2010-11-03 22:54:13 | 小説
奥様に抱かれた赤子、
それはそれは
お美しいお嬢様でございます。

名を、
小夜子とお付けになられました。
そよ風の気持ち良い夜に
お生まれになられたからとのございます。
心地よい響きの
お名前でございます。

ひと月ほどをご実家で過ごされましてから、
お戻りになられました。
御主人様のお喜びようは、
それはもう、
でございます。

夜の明ける前からお起きになられて、
私の仕事であるお掃除を始められました。
寝坊をしてしまったのかと慌てましたですが、
「わたしが勝手にしたことだから。」と、
言ってくださいました。

で、
手分けして家中の大掃除でございます。
年の終わりの大掃除以上に、
あちこちを雑巾がけ致しましたです、
はい。

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