昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

愛・地獄変 [父娘の哀情物語り] (二十二)

2010-11-28 22:06:29 | 小説
さ、
気を取り直して、
お話を続けましょう。

二度の朝食と申しますのは、
娘からの提案でございます。

「朝、
一緒に食べてよ。
お母さん寝込んでるから、
一人ぽっちなの。
ちっとも美味しくないの、
一人だと。
あたしが作ってあげるから、
お父さんも食べてよ。
お母さんも、
喜んでくれるから。」

妻が喜ぶ?
どういうことだ、
それは。
あぁそうか、
そうか。
娘一人の食事が可哀相だから、
仕方なく
私にお相伴させようということか。

自分が起きたら、
また私をのけ者にする腹で
ございましょう。
ふん、いいさ。
娘が私と一緒が良いと
言ってくれるさ。

「お父さんの方が良いわ。」
と言われた時の
妻の顔が見たいわ。


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