(一)
杉田の先導で、きらびやかなネオンサインの下を初めて練り歩く正三。
キョロキョロと辺りを見回す正三に、
「坊ちゃん、まるでお上りさんですよ。
恥ずかしいからやめてくださいよ。」
と、上本が正三の袖を引っ張った。
「だって、初めていや二度目なんだぜ。
ここが夜の銀座という所かい? いゃあ、凄いねえ。
まったく別天地だ。
日本復興の凄まじさを、確かに感じるね。」
上本の言などまるで意に介せずに、立ち止まってぐるりと見渡したりしている。
「坊ちゃん、坊ちゃん。
ほら、あそこで婦女子が笑っていますよ。
あれれ、手なんか振り出した。
ひょっとして知り合いですか?」
小山の指差す先を見ると、確かに手を振る女性がいる。
杉田の先導で、きらびやかなネオンサインの下を初めて練り歩く正三。
キョロキョロと辺りを見回す正三に、
「坊ちゃん、まるでお上りさんですよ。
恥ずかしいからやめてくださいよ。」
と、上本が正三の袖を引っ張った。
「だって、初めていや二度目なんだぜ。
ここが夜の銀座という所かい? いゃあ、凄いねえ。
まったく別天地だ。
日本復興の凄まじさを、確かに感じるね。」
上本の言などまるで意に介せずに、立ち止まってぐるりと見渡したりしている。
「坊ちゃん、坊ちゃん。
ほら、あそこで婦女子が笑っていますよ。
あれれ、手なんか振り出した。
ひょっとして知り合いですか?」
小山の指差す先を見ると、確かに手を振る女性がいる。
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