昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

作家 池永 陽さんを囲んで

2014-10-26 12:36:08 | 小説
昨日の土曜日に、作家 池永 陽さんに来て頂いて、お話しを聞きました。

初めてお目にかかるのですが、正直イメージが違いました。
もう少し、おっさんおっさん(失礼しまた!)したお方かと思っていましたが、
実にダンディな方でした。



饒舌ではないのですが、興が乗られると話が止まりません。
色々と興味深い業界話をして頂けました。
差し障りがありますので、この場では…。

多分、30号記念号において、詳しいお話しが掲載されることになると思います。
ここでは、文学賞についてのご教示をお知らせしたいと思います。

ローカルとメジャーな文学賞の選考内容について、
詳しく教えて頂きました。

結論から言いますと
「ローカル文学賞は、作品」
「メジャー文学賞は、才能」
ということになります。

詳述しますと、こういうことです。

ローカル文学賞は、作品の完成度を要求する。
メジャーでは、完成度は求めない。特異さを求める。

極端な話、ストーリーがハチャメチャでも、光るものがあればOK。
この光るものというのが、才能ということになると思います。
ストーリー展開のまずさやら文章の稚拙さは、あまり選考には関係ないようです。
強調されたのが
「削りなさい。余計な者は、すべて削りとりなさい」
でした。
「スピード感が要求されるんです」
とも。
作品ではなく、才能を見極めるためのコンテストなんですよね。

無論、「運」というものも存在するらしいです。
選者は、何千という応募作品すべてを読みません。
100作品程度まで、まず絞り込むらしいです。
そして、編集者がその作品を読み、何十単位に絞り込みます。
そこで初めて、選者と称される作家さんたちの目にとまるわけです。
ここで重要なことは、最初のふるいをかける人たちです。
どうやら、書評家やら評論家さんたちのようです。
大勢の方に何十作品ずつに振り分けて、絞り込みということになるらしいです。
ですので、好みが存在することがあるようです。

「片っ端から応募しなさい。下手な鉄砲、数撃ちゃ当たるですよ」
これは、池永さんの言葉です。

内容というか、体裁というか、重要なことを。

会話文を多用すべきで、説明文は不要。
そして、平易な文章を心がけること。
説明文ではなく、描写と会話を主体に。
登場人物のキャラを、しっかりと立てること。
キャラをしっかりして、事件の中に放り込む。
すると、自然に人物が動き出すはず。

「何を書くか」ではなく「どう書くか」が重要。--井上ひさし・言

どうです?
参考になりましたよね。
わたしは、得心しました。
「作品ではなく、人を求めているんです」
という言葉には、驚きでした。
そう言えば、腑に落ちない受賞作があった気がしました。

最後に、
「作家では、食べていけません。100人ぐらいでしょう、日本では」
と、仰っていました。
「出版社も、新人には『仕事を辞めるな』と言いますよ」
とのこと。

作家を目指すために会社を辞めた青年が居ますが、その覚悟のほどは分かりますがどうしていることやら。
名前を聞かないところをみると、今頃は……




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