(六)
翌朝、いよいよ小夜子が茂作との別れの朝。
いそいそと荷物を詰めている小夜子の後姿を、恨めしげに見る茂作だ。
「お父さん、夕べは飲みすぎてない?
お銚子は一本までにしてね。
夕食をね、お茂さんにお願いしたから。
もし本家でご馳走になる時は、早く連絡してあげてよ。
それから、いくら本家からの頼みだからって、無理しちゃだめよ。
走り回ってるみたいだけど、あまり熱を入れるのはやめてね。
村長さんを支持している人たちとの諍いなんかに、巻き込まれないようにしてよ。
本当を言うと、武蔵は良く思ってないの。
身内に政治家がいるとね、大変なんだって。
手が後ろに回るようなことに巻き込まれないかって、心配してたわ。
あたしも、なんだか嫌な予感がするし。
もう本家の言いなりにはならないでね。」
身支度を終えた小夜子が、囲炉裏端で背を丸けてお茶をすする茂作のそばに来た。
翌朝、いよいよ小夜子が茂作との別れの朝。
いそいそと荷物を詰めている小夜子の後姿を、恨めしげに見る茂作だ。
「お父さん、夕べは飲みすぎてない?
お銚子は一本までにしてね。
夕食をね、お茂さんにお願いしたから。
もし本家でご馳走になる時は、早く連絡してあげてよ。
それから、いくら本家からの頼みだからって、無理しちゃだめよ。
走り回ってるみたいだけど、あまり熱を入れるのはやめてね。
村長さんを支持している人たちとの諍いなんかに、巻き込まれないようにしてよ。
本当を言うと、武蔵は良く思ってないの。
身内に政治家がいるとね、大変なんだって。
手が後ろに回るようなことに巻き込まれないかって、心配してたわ。
あたしも、なんだか嫌な予感がするし。
もう本家の言いなりにはならないでね。」
身支度を終えた小夜子が、囲炉裏端で背を丸けてお茶をすする茂作のそばに来た。
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