昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ムサシ・ひとり 一

2010-09-27 23:21:59 | 小説
[勝負あった!]


勝負は一瞬にして決まっていた。
誰もが、
己の目を疑った。

そしてその疑いが強ければ強いだけ、
それはムサシへの賞賛に拍車をかけた。

「フー、フー」と、
荒い息づかいのムサシ。

「小次郎殿が敗れたー!」
「卑怯!卑怯なりー!」

賞賛の嵐を、心地よく受け止めるムサシ。

『小次郎を倒した』

血のりの渇かぬ櫂を持ったまま
去りゆくムサシ。

陣を張ってその試合を見ていた武士達は、
立ち竦んだままだ。

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