放心状態の麗子だった。
どうして、どうして‥‥という言葉だけが、渦巻いている。
男にしてみれば、理解のできない麗子の行動だった。
麗子に対する未練はある。
愛情が全く消えた訳でもない。
しかしミドリの顔が浮かんだ時、男の気持ちの中で何かが弾けた。
ミドリにすまないという気持ちが湧いた。
ミドリとの一線を越えたわけでもなく、約束を 交わしたわけでもない。
男としてのけじめ、としか言いようがない。
そんな思いが 自分にあるとは、男自身思いも寄らないことだった。
「そう、あの娘ね。あの娘のこと、好きなのね」
いつもの男なら、そのまま聞き流してしまう。
しかし、気色ばんで男は言った。
「な、何を言い出すんだ。あの人とは何でもない。
友人の妹だ。友人の都合が悪くなってのことだ。
三人での食事の約束だったんだ。
お互い時間が空いたから、二人だけの食事になっただけだ」
「あら、そう。お食事のできるナイトクラブがあるとは、知らなかったわ」
「時間が早かったからだ。
ナイトクラブを知らないと言うから、連れて行ったんだ。
第一、俺が誰と食事しようと、ナイトクラブに行こうと、君には関係ないじゃないか」
男は、語気鋭く言った。
すらすらと嘘がつけた己に、男は驚いた。
嘘をつく必要はないのだ。
なぜ、弁解がましいことを麗子に言うのか、男にはわからなかった。
「ホントにそうかしら。下心があったんでしょう、貴方に。それで、その人に振られたわけ?」
どうして、どうして‥‥という言葉だけが、渦巻いている。
男にしてみれば、理解のできない麗子の行動だった。
麗子に対する未練はある。
愛情が全く消えた訳でもない。
しかしミドリの顔が浮かんだ時、男の気持ちの中で何かが弾けた。
ミドリにすまないという気持ちが湧いた。
ミドリとの一線を越えたわけでもなく、約束を 交わしたわけでもない。
男としてのけじめ、としか言いようがない。
そんな思いが 自分にあるとは、男自身思いも寄らないことだった。
「そう、あの娘ね。あの娘のこと、好きなのね」
いつもの男なら、そのまま聞き流してしまう。
しかし、気色ばんで男は言った。
「な、何を言い出すんだ。あの人とは何でもない。
友人の妹だ。友人の都合が悪くなってのことだ。
三人での食事の約束だったんだ。
お互い時間が空いたから、二人だけの食事になっただけだ」
「あら、そう。お食事のできるナイトクラブがあるとは、知らなかったわ」
「時間が早かったからだ。
ナイトクラブを知らないと言うから、連れて行ったんだ。
第一、俺が誰と食事しようと、ナイトクラブに行こうと、君には関係ないじゃないか」
男は、語気鋭く言った。
すらすらと嘘がつけた己に、男は驚いた。
嘘をつく必要はないのだ。
なぜ、弁解がましいことを麗子に言うのか、男にはわからなかった。
「ホントにそうかしら。下心があったんでしょう、貴方に。それで、その人に振られたわけ?」
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