昭和の恋物語り

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長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(八十五) 俺の命でもなんでもやるよ!

2014-05-02 16:27:50 | 小説
(八)

「そうしたら、社長が切り返して。『もしなかったら、この俺の命でもなんでもやるよ!』」

「おおさ。こっちはもう、ハラハラだよ」

「翌日が大変だったじゃないか。まだ店を開けてないのに、大声を出してさ。
ヒビってたよな、山田。小便、洩らしたんじゃなかったか?」

「バ、バカ言うなよ。服部くんじゃないか、『竹田。お前、店開けろよ』って、後ずさりしたの。
そしたら、竹田君、けろっとしてさ。『ああ、いいよ』って店を開けたよ」

「ほんと、肝の座ってる奴だよ」

「でも服部君のおかげで、無事に取引済んだじゃないか。
『用意してあります、用意してあります。
そうだ、こっちの商品はどうです?』なんて、言っちゃって」

「そうだよ。専務が持ち込んでくれるまで引き伸ばしてくれたもんね。
大したもんだよ、ほんとに。明らかに疑ってたよ、山田のおっさん」


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