二次会の場所は佐知子との間で既に相談済みで、高木の部屋に用意してあった。
「帰ったよ!」と、母屋の両親に声をかけながら、新築の離れに高木が皆を誘い入れた。
「お邪魔しまあす!」
と、それぞれに声を出しながら十二畳ほどの部屋に入った。
「ほお、これは広いゃ。台所もあるし、奥が寝室かな? これなら、いつでもOKじゃんか」
田口正夫が、高木に対しニヤリと笑いながら問いかけた。彼には何のことか解らなかったが、佐知子が頬を赤くしていた。
「いやいや、ミタライ君は知らないだろうがさ。実は、高木と佐知子はいい仲なんだよ」
広尾が、怪訝そうな顔の彼に小声で教えた。
「えぇっ! そうなんだ。そりゃあ、おめでとう!」
「うん、まあね。来年辺りにはと、思っているけどさ」
頭を掻きながら、高木が答えた。佐知子は、顔を赤くしたまま俯いていた。
「実の所、俺も出るつもりだったんだ。農業なんて嫌だったしさ。
で、落ち着いたら佐知子を呼ぶつもりだったんだけど、こいつがどうしてもダメだなんて言うもんだから」
と、佐知子の頭を軽く小突いた。
「何言ってるの。待ってるかどうかわかんないって、言っただけじゃない」と、佐知子は口を尖らせた。
「おいおい、痴話喧嘩はいいよ。それより、飲もうぜ」
「そうだよ、早く座ろうぜ」
母屋から運んできた座敷机に、銘々勝手に座り込んだ。
「それはそうと、ミタライ君もなんだって?
早苗ちゃんを、許嫁にしたって言うじゃないか。羨ましいぜ、この色男が」
田口が、その矛先を彼に向けてきた。皆の視線が一斉に、彼に注がれた。
「止めてくれよ、そんな。全く知らない内に決められてて、困っているんだから」
「何を言ってるの。いい娘よ、早苗ちゃんは」
ビールをコップに注ぎながら、佐知子が言った。
「そうだぜ、全く。結構モテるよ、早苗ちゃん。
ミタライ君こそ、早く戻って来いよ。誰かに取られちゃうぜ」
高木のそんな言葉を、田口が引き取った。
「俺のタイプなんだけどなあ、早苗ちゃん。きっとスタイル抜群になるぜ、楽しみだョ」
「こらこら、俺だって狙ってるんだゾ」
酔いの回った顔で、広田がぼそぼそと呟いた。
「帰ったよ!」と、母屋の両親に声をかけながら、新築の離れに高木が皆を誘い入れた。
「お邪魔しまあす!」
と、それぞれに声を出しながら十二畳ほどの部屋に入った。
「ほお、これは広いゃ。台所もあるし、奥が寝室かな? これなら、いつでもOKじゃんか」
田口正夫が、高木に対しニヤリと笑いながら問いかけた。彼には何のことか解らなかったが、佐知子が頬を赤くしていた。
「いやいや、ミタライ君は知らないだろうがさ。実は、高木と佐知子はいい仲なんだよ」
広尾が、怪訝そうな顔の彼に小声で教えた。
「えぇっ! そうなんだ。そりゃあ、おめでとう!」
「うん、まあね。来年辺りにはと、思っているけどさ」
頭を掻きながら、高木が答えた。佐知子は、顔を赤くしたまま俯いていた。
「実の所、俺も出るつもりだったんだ。農業なんて嫌だったしさ。
で、落ち着いたら佐知子を呼ぶつもりだったんだけど、こいつがどうしてもダメだなんて言うもんだから」
と、佐知子の頭を軽く小突いた。
「何言ってるの。待ってるかどうかわかんないって、言っただけじゃない」と、佐知子は口を尖らせた。
「おいおい、痴話喧嘩はいいよ。それより、飲もうぜ」
「そうだよ、早く座ろうぜ」
母屋から運んできた座敷机に、銘々勝手に座り込んだ。
「それはそうと、ミタライ君もなんだって?
早苗ちゃんを、許嫁にしたって言うじゃないか。羨ましいぜ、この色男が」
田口が、その矛先を彼に向けてきた。皆の視線が一斉に、彼に注がれた。
「止めてくれよ、そんな。全く知らない内に決められてて、困っているんだから」
「何を言ってるの。いい娘よ、早苗ちゃんは」
ビールをコップに注ぎながら、佐知子が言った。
「そうだぜ、全く。結構モテるよ、早苗ちゃん。
ミタライ君こそ、早く戻って来いよ。誰かに取られちゃうぜ」
高木のそんな言葉を、田口が引き取った。
「俺のタイプなんだけどなあ、早苗ちゃん。きっとスタイル抜群になるぜ、楽しみだョ」
「こらこら、俺だって狙ってるんだゾ」
酔いの回った顔で、広田がぼそぼそと呟いた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます