昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[お取り扱い注意!] (三十三)

2013-08-29 19:12:05 | 小説


(三十三)

「そりゃ、気の毒だ。
しかしま、時が経つにつれ、気持ちも変わるもんだ。

でね、山本さん。
あなたの心臓はね、もう一杯一杯なの。

頑張りすぎて、悲鳴を上げてる。
拡大型心筋症という疾患です。」

急に重々しい口調になり、柔和な顔がぐっとひきしまった。
私も姿勢を正して、座り直した。

「聞いてるかな、主治医の先生から。
えっと、畑中先生だね。

うん、真面目な先生だ。
真面目すぎるくらい真面目な先生だ。


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