昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

僕の女王様は妹 (九)

2010-05-12 19:32:20 | 小説
(実験台よ)

一本通りが違うんだけど、
古~いアパートに居るの。

二階なんだけど、
真ん中の部屋なの。
初めは陽当たりの良い角の部屋だったんだけど、
真ん中のお部屋に移ったの。
家賃が、
安いんですって。

昼間でもね、
お日様が差し込まないのお部屋なのよ。
大っきなビルに挟まれてるもんだから。

「どうせ昼間は居ないんだから、
これでいいんだ!」なんて、
言ってたわ。

どうせね、
女の子を連れ込んだ時のことを考えてるのよ。
絶対無理だと、
千佳は思ってるけどね。

モテないんだもん、
お兄ちゃん。
あの体型で、
あの顔じゃねぇ。

世の中の不幸を一身に集めてるの、
可哀相に。

だからね、
千佳がぁ、
相手してあげてるの。

結構忙しいんだけど、
仕方ないじゃない。

くくくっ、
実はね、
実験台なの。
内緒なんだけどさ、
男の生理の研究なの。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿