昭和の恋物語り

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長編恋愛小説 ~ふたまわり・第二部~(十二)の五

2011-08-07 21:39:19 | 小説
朝方になって、
やっとウトウトした小夜子だった。
「オハヨー,
サヨコ.」
清々しい顔で、
アナスターシアが
起こす。
「小夜子さんのおかげで、
ぐっすり眠れたらしいわ。
ご機嫌のようよ。」
前田の声かけに、
寝不足の小夜子も
苦笑せざるをえなかった。

目の下にくまを作っている小夜子に気付いたアナスターシアが、
小夜子にメイクを施したいと言い出した。
「フン,フン,
フフン,・・」
鼻歌交じりに、
嬉々としてメイクを施すアナスターシア。
目を閉じた小夜子も、
昨日のことを思い浮かべて顔がほころんでしまう。
「Beautifull!
Great!」
出来栄えに満足する、
アナスターシア。
「きれいよ、
小夜子さん。
鏡で見てごらんなさい。」と、
手鏡を渡す前田。
ドキドキと、
覗き込む小夜子。
“ほんとにこの子は、
化粧栄えのする子ね。
マッケンジーもさすがだわ。
あんな遠目から、
見極めるんだから。”
“こんな田舎娘を・・”と、
否定的な思いを持っていた前田も、
“この娘のおかげで、
良い目を見られたわ。”と、
感謝の念を抱いていた。


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