人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

広瀬悦子,ショパン「ピアノ協奏曲第1番」を弾く~新日本フィル「新クラシックの扉」

2011年08月13日 08時08分46秒 | 日記
13日(土).昨日も休暇を取りました.前日の夜,1日の過ごし方を考えました.コンサート情報誌”ぶらあぼ”で調べると12日(金)午後2時から,すみだトリフォニーホールで新日本フィルの「新クラシックの扉」シリーズのコンサートがあることがわかりました プログラムは①ショパン「ピアノ協奏曲第1番ホ短調」②ドボルザーク「交響曲第9番ホ短調”新世界より”」の2曲で,指揮はカバレッティの代演で小泉和裕,ピアノは広瀬悦子です.「よし,2曲のホ短調.これを聴こう」と決めました.目的は2つ.広瀬悦子のショパンを生で聴くこと.そして夏休みとはいえウィークデーの新日本フィルのコンサートにどれだけの聴衆が集まるのかを確かめることです

それはいいとして,2時までどう過ごそうか?と考えました.ケータイで検索した結果,飯田橋「ギンレイホール」で午前9時半から上映される大森一樹監督の「津軽百年食堂」を観ることにしました.これは明治時代に津軽蕎麦の店「大森食堂」を開業した賢治と,その4代目の陽一の,父親を通しての”後継ぎ”の物語です.お笑いの「オリエンタルラジオ」の中田敦彦と藤森慎吾が初代と4代目を,いい味を出して演じています.2人が入れ替わって演技したら”アッちゃんカッコイイ”とはいかなかったでしょうね この映画の収益の一部は東北地方大震災の被災者のために使われると画面に表示が出ました.むしろ,この映画を観てもらった方が被災者の人たちが勇気付けられるのではないか,と思います

閑話休題.

「1時から当日券発売開始」となっていたので,1時10分過ぎくらいにトリフォニーホールに行くと,すでに券売り場には行列が出来ています.平日なのに?と思いながらも並んでS席(1階16列1番)を買いました.もちろん通路側です.会場を見渡すと,ほぼ8~9割の入りです 平日なのに.ただ,高齢者が多いことに気が付きました.そこで思い出したのは当日券売り場にあった料金表です.A席=3000円は売り切れ.S=4000円のみ発売,ただし墨田区の住民は3000円とありました.きっと地元のお年寄りが多く聴きに来ているのでしょう.でも,これって素晴らしいことだと思います 本当はもっと若い人たちに来て欲しいと思いますが,地元墨田区の人たちがフランチャイズ・オーケストラを聴きにくるのですから,地域に根ざすオーケストラとしては理想的だと言えます

ソリストの広瀬悦子が水色のコスチュームでステージに登場,ショパンの「ピアノ協奏曲第1番」が始まります.彼女は1992年モスクワ青少年ショパン国際コンクールで優勝,1999年にパリ国際高等音楽院を主席で卒業し,同年マルタ・アルゲリッチ国際コンクールで優勝しました.去年のラ・フォール・ジュルネ・オ・ジャポンでの活躍で再び人気が出ました

言うまでもなくショパンは39年半という短い生涯のうち,前半は故郷ポーランドで,後半はウィーンを経て定住したパリで過ごしました.1830年にワルシャワで告別コンサートを開きましたが,当時ロシアの圧政下にあったポーランドから脱出する意図があったのではないかとも言われています

第1楽章から広瀬悦子は慎重に演奏を進めますが,緊張のせいか会心の出来まではいきません.第2楽章「ロマンツェ」から第3楽章へと,あとにいくにしたがって調子を上げてきたように思います

休憩後のドボルザークの「新世界より」は,第2楽章で有名な旋律がイングリッシュホルンによって奏でられます 小学校の音楽の教科書には「家路」というタイトルで載っていたように思います.私は小学校のときボーイ・スカウトに入っていたのですが,野営のときにこの曲を歌った覚えがあります.「遠き空に陽は落ちて・・・・」.この曲やチェロ協奏曲,弦楽四重奏曲「アメリカ」を聴くと,アメリカに渡ったドボルザークは,故郷ボヘミアを想ってノスタルジックな曲を書いたのだな,と思います いずれも名曲中の名曲です.

以前ブログにも書きましたが,小泉和裕の指揮は故カラヤンにそっくりです.彼が1973年に第3回カラヤン国際指揮者コンクールに第1位入賞したことと無縁ではないように思います.脚を20センチぐらい開いた状態で,決して動かすことはしません.足に根が張ったように床に”固定”して上半身だけで指揮をします 両手で音楽を包み込むように両手を動かす,といったらいいのか,そういう仕草がカラヤンそっくりなのです.強いて違いを言えば,カラヤンは目を瞑って指揮をしましたが,小泉は目を開けて指揮をします.

彼の指揮から出てくる音楽は,弦も管もよく鳴って流れがよいのですが,後に何も残らないのです.一言で言えば感動がないのです この点もカラヤンにそっくりです.どうも私には相性が良くないのでしょうか? 拍手に応えて小泉が客席に向かって「アンコール,スラビック・ダンス10番」と言って指揮に入りました.ドボルザークの「スラブ舞曲第10番」.これもノスタルジーに溢れた名曲です

   


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