人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「モ―リス・センダック」と「奇跡のトランペットナイト!~JTアートホール」

2012年05月10日 06時47分58秒 | 日記

10日(木)。昨日の新聞各紙に「米国の絵本作家センダックさん死去」の記事が載りました。

米国の著名絵本作家モーリス・センダックが、8日未明、脳卒中の後遺症で死去、83歳だった。センダックは両親がポーランドからのユダヤ人移民で、高校卒業後、ほとんど独りで絵を学んだ。63年に出版した「かいじゅうたちのいるところ」は世界中で約2000万部売れたとされ、2009年に実写映画化された

お父さん、お母さんであれば、誰でもセンダックの名前は知っているでしょう 「かいじゅうたちのいるところ」「まよなかのだいどころ」はどの家庭にもあるのではないでしょうか。私も、子どもが小さい時に買って、2人の子供たちに毎日のように読み聞かせをしていました

300冊ほどあった絵本のほとんどは、知人に子どもが生まれた時に段ボール箱につめて贈ってしまったのですが、「かいじゅうたちのいるところ」は、子どもたちの希望により取ってありました 好奇心旺盛なマックスが怪獣たちのいるところに行く冒険ファンタジーです。下の写真はその絵本ですが、最後のページに1989年と書かれていました。長女が3歳の時に買ったものです。その後、長男が生まれたので、この本が再度活躍してくれました

 

          

 

なお、この作品を作曲家オリバー・ナッセンがオペラ化しています グラインドボーン音楽祭の実況録画で、ナッセン自身が指揮をしているレーザー・ディスクを持っており、子どもたちと一緒に観ていました。約40分のこのオペラは、怪獣たちがぬいぐるみで出てくるので”絵”としては楽しめるのですが、音楽は”現代音楽”なので、子どもたちにとっては若干耳に馴染まなかったかもしれません ”イマージネーションを膨らませる”という意味では、映像よりも絵本の方がいいと思います

 

  閑話休題  

 

昨夕,地下のOで仕事の打ち合わせということでS監査役,E部長,T君,K君と飲みました.私は7時からのコンサートを控えているので45分だけという条件で参加しました.生中1杯と日本酒をコップに4~5杯飲んで,結局50分後に小雨の中を虎の門方面に向かいました.

7時から虎ノ門のJTアートホールで「室内楽シリーズ”奇跡のトランペットナイト!~アンドレア・ジェフレーディと日本の仲間たち”」を聴きました 私は知りませんでしたが、アンドレア・ジェフレーディは、ミラノスカラ座,フィレンツェ歌劇場などで首席トランペット奏者を務め,パヴァロッティにも実力を評価され,世界的な指揮者と共演を重ねているトランぺッタ―とのことです

他の出演者は井上直樹、本間千也、服部孝也(以上トランペット)、岸上穣(ホルン)、玉木優、越智大輔(トロンボーン)、藤井良太(バス・トロンボーン)、古本大志(チューバ)、はたけやま裕(パーカッション・女性)という面々です。残念ながら、私は一人も知りません

演奏曲目は、映画音楽やジャズをはじめとする馴染みの深い曲が選ばれています

ジェフレーディを除く8人のブラスが,左からトランペット3,ホルン,チューバ,トロンボーン3という配置でスタンバイします 最初の曲はプッチーニ「トゥーランドット」第3幕よりフィナーレを4曲メドレーで演奏します.「死の皇女よ!」~「わが栄光は」~「われらの皇帝万歳!」~「大君にお栄えあれ!」ですが,後半の2曲は勇壮で素晴らしい音楽です ブラスだけでも迫力があります.途中からジェフレーディ(以下ジェフと省略)が加わってフィナーレを堂々と吹きまくりました

次の「フニクリ・フニクラ」~「オ―・ソレ・ミオ(私の太陽)」から紅一点の,はたけやま裕が加わり,舞台中央で演奏にアクセントを付けます

次の「スケルツォ・カンパニョーロ」は相当の技巧を要する曲ですが,ジェフは難なく吹きこなします

ここでジェフは一休み.残り9人でサッチモ(ルイ・アームストロング)のヒット曲「What a wonderful world(この素晴らしき世界)」を高らかに演奏します

そしてまたジェフが加わって「マラゲーニャ」~「グラナダ」を,次いで「オブリビオン(忘却)」を演奏します.「グラナダ」はテノールだったらフリッツ・ヴンダーリッヒの右に出るものはいませんが,トランペットでも充分迫力は伝わります

ここでジェフは一休み,9人でピアソラの「リベルタンゴ」をリズム感よく演奏します.こういう曲はノリますね.思わず足で拍子をとってしまいました

そしてジェフが再び加わり「サンバ・ヒターナ」を超高速で吹きまくります.トランペットが炸裂し,聴衆一同その超絶技巧に圧倒されました

ジェフは一休みして9人で「天使の死」を奏でます

そして前半最後の曲「チコ・チコ・ノ・フバー(粉をついばむ雀)」をジェフが加わって楽しくコミカルに演奏します

休憩後のトップは9人による「Bond~007のテーマ」です.ショーン・コネリーの乗った名車アストン・マーチンを思い出しました

ジェフが加わりコール・ポーターの「Night and day」を,次いでジャズのスタンダード・ナンバー「You can depend on me~Four brothers」を気持ちよく演奏します

次の「サマー・サンバ」を9人で演奏した後,ジェフが加わりガーシュインの「サマータイム」を高らかに歌い上げます

次の「Fly me to the moon」はフランク・シナトラが歌って大ヒットした曲ですが9人で演奏します

次いでジェフが加わり,エン二エ・モリコーネの映画音楽のメドレーです.「荒野の用心棒」~「続・夕陽のガンマン」~「ウエスタン」を勇ましく演奏します

最後はジェフが左サイドのトランペットに並び,チューバの古本が中央に移動し,ハリー・ジェームスの「トランペットブルース&カンタービレ」を堂々たる演奏で締めくくります 古本のチューバが凄くいいのです.縁の下の力持ちですが,力強く全体を締めています

満場の拍手にアンコールを演奏しました.最初はフェリーニの映画「道」のテーマ音楽,次いで「ゴッドファーザー」から”愛は誰の手に”を演奏.そして,最後の最後はジェフがニニ・ロッソの「夜空のトランペット」を奏でると,他の奏者が一人一人退場していき,舞台の照明が落とされ,ジェフだけにスポットライトが当てられます.心にくい演出です

この日のコンサートは理屈抜きで楽しいリラックスした演奏会でした ジェフレーディは,さすがにミラノスカラ座やフィレンツェ歌劇場の首席を務めていただけのことはあるな,と思いました.とくに高音部の伸びは素晴らしいものがあります 個人的にはジャズのスタンダード・ナンバーの演奏が特に気に入りました.たまにはオーケストラではなくブラスだけの演奏もいいな,と思いました

 

          

 

コメント
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