16日(月).昨日はまだ風邪が治り切っておらず体調不良だったので,午前中はベッドに寝転んでメンデルスゾーンの室内楽を聴きながら本を読んでいました いま上野の東京都美術館に「フェルメール」が来ているので近々観に行こうと思い,”予習用”に買った朝日新書「深読みフェルメール」(朽木ゆり子,福岡伸一による対談)です
読み終わったら,後日ブログでご紹介します
午後は,熱があるわけではなかったので,予定どおり文京シビックホールに行き,アマチュア・オーケストラ「ザ・シンフォニカ」の第52回定期演奏会を聴きました ザ・シンフォニカを聴くのは昨年7月31日にサントリーホールで飯守泰次郎指揮によるワーグナーの「ローエングリン」から2曲とマーラーの「第5交響曲」を聴いて以来のことで,ほぼ1年ぶりになります.あれからもう1年が経つのか
と感慨深いものがあります
午後2時からの開演ですが,自由席のため早めの1時15分頃行列に並びました.1階18列センター通路側のいい席が取れたので,入り口で配られたチラシとアンケート用紙を椅子の上に置いて,ホワイエにコーヒーを飲みに出ました 開演5分前に席に戻ると,何と見知らぬレジ袋が置かれていて,私のチラシはどこにも見当たりません
後から来た者に席を奪取されたようです.開演時間が迫っていたので,”犯人”を待ってどういうつもりか問い質そうかとも思いましたが周りの人の迷惑になるので,ここは我慢して,ずう~っと後ろの28列目の通路から4つ入った席に座りました
18列のその席に着いた若者の後姿を見て,何のために早くから並んで席を取ったのか実に腹立たしい限りでしたが,いつまでもその怒りを引きずっていると音楽鑑賞の妨げになるので,気持ちを切り替えて「こっちの席の方が全体を見渡せて良いぜ~
」と自分に言い聞かせました.ワイルドだぜ~,杉ちゃんだぜ~,花粉だぜ~,関係ないぜ~
プログラムは①ブリテン「青少年のための管弦楽入門」,②R.シュトラウス「交響詩:ドン・ファン」,③ブラームス「交響曲第4番ホ短調」の3曲.指揮は大山平一郎,コンサートマスターは女性です 会場は6割位の入りでしょうか.
1曲目のブリテン「青少年のための管弦楽入門~パーセルの主題による変奏曲とフーガ」は,17世紀の英国の作曲家ヘンリー・パーセルの組曲「アブデラザール」の第2曲「ロンド」の主題を基にしています
大山平一郎が分厚いスコアを抱えて登場,オーケストラ全体でパーセルのテーマが演奏されます 次いで管楽器が次々に変奏曲を披露していくわけですが,残念ながらここでアンサンブルの乱れがありました
弦楽器ではピチカートがほとんど聴こえません
とはいうものの,そこは指導者,演奏終了後,大山はパートごとに立たせて賞賛していました
2曲目のドン・ファンは一転,冒頭から集中力が漲り,迫力のある演奏が展開されました R.シュトラウス25歳の時の作品ですが,彼の最初の交響詩でもあり,出世作ともなった作品です.コンサートマスターによるヴァイオリン・ソロは美しかったです
金管・木管楽器も格段に安定感が出てきました
休憩後のブラームス「交響曲第4番ホ短調」は,1885年10月ブラームス自身の指揮,マイニンゲン宮廷管弦楽団によって初演されましたが,その際にトライアングルを担当したのが若き日のR.シュトラウスだったということです
第1楽章の冒頭,ヴァイオリンよって奏でられた第1主題の何と美しかったことか.まるでオーケストラによる”ため息”のようです
この日のオーケスオラは,明らかに後にいくにしたがって良くなっていきました ブリテンよりもR.シュトラウスの方が,R.シュトラウスよりもブラームスの方が,アンサンブルは優れていました
全体を通して言えるのは,ブラームスのような大曲よりは,むしろ,ブリテンなどの小規模ながら個々の楽器が前面に出る曲の方が,アマチュア・オケにとって返って難しいのではないか,ということです.ハイドンしかり,モーツアルトしかり,かも知れません
入り口で渡されたプログラムによると,「ザ・シンフォニカ」の皆さんはこの日のために約3か月間練習に取り組んできたとのことです.職場で,あるいは家庭でそれぞれの役割を果たしながら,限られた練習時間の中で,この日の3曲を仕上げてきたとのことです メンバーのおひとりおひとりが口では言い表せないご苦労があったことでしょう
皆さんの”良い音楽を創りたい”という熱意に惜しみない拍手
を送ります.これからも演奏を楽しみにしております.また,是非聴かせてください