30日(水)。わが家に来てから今日で2636日目を迎え、米カリフォルニア州の連邦地裁判事は28日、米連邦議会議事堂の占拠事件に関連する判決の中で、トランプ前大統領が議会によるバイデン大統領の正式な選出手続きを不正に妨害しようとした可能性が高いとの見解を示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプの犯罪性は明らかだ 次期大統領選に出馬できないように永久追放しないと
昨日、夕食に「筑前煮」「生野菜とモッツァレラチーズのサラダ」「もやしの味噌汁」を作りました 筑前煮は久しぶりに作りましたが、味がよく浸み込んで美味しく出来ました
澤和樹著「教養として学んでおきたいクラシック音楽」(マイナビ新書)を読み終わりました 澤和樹氏は1955年 和歌山県生まれ。1979年東京藝術大学大学院修了。ロン=ティボー、ヴィエニアフスキ、ミュンヘンなどの国際コンクールに入賞
1990年 澤クヮルテット結成。英国王立音楽院名誉教授。2016年4月より東京藝術大学学長を務める
本書はマイナビ新書の「教養として読んでおきたい」シリーズのクラシック音楽編です タイトル通り、主にクラシック音楽入門者向けにクラシック音楽の美しさ、楽しさ、素晴らしさをヴァイオリニストで東京藝大学長である澤和樹氏が、演奏者としての経験や教育者としての考えに基づいて分かりやすく解説したものです
本書は次のような章立てで構成されています
第1章「クラシック音楽とは何か?」
第2章「おすすめクラシック音楽・名曲カタログ ~ バロック・古典派編 ~
第3章「クラシック音楽家として生きるということ」
第4章「おすすめクラシック音楽・名曲カタログ ~ ロマン派から近現代まで ~
第5章「演奏会に行ってみよう」
第6章「もっと聴こう、クラシック音楽」
第7章「これからもクラシック音楽は生き続ける」
まず、第1章では「クラシック音楽とは、長く大切にされてきた音楽」だと定義しています これほどシンプルで分かりやすい言葉はないでしょう。この章では「室内楽」についても触れています
少人数の弦楽器や管楽器で演奏される音楽を「室内楽」と呼んでいますが、「室内楽は室内で演奏する音楽という意味ではない」と注意を促しています
ドイツ語で「カンマームジーク」、イタリア語で「ムジカ・ダ・カメラ」と呼ばれるこの音楽は、何となく部屋の中で演奏される音楽全般を指すと思われがちだが、それは間違いであり、「室内楽とは、あくまでも教会音楽に対して、主に王侯貴族の館で演奏される世俗の音楽を指す」と解説しています
また、「クラシック音楽は、王侯貴族から一般市民へ受け継がれた芸術である」が、その大きな転換を促したのはベートーヴェンだったと指摘しています ハイドンにしてもモーツアルトにしても、貴族からの庇護を受けていたので、貴族たちが好むような穏やかで快い音楽を作る傾向が強かったが、その反骨精神から、「食事をしながら聴くな、黙って俺の音楽を聴け
」という強い音楽表現で作曲し、音楽家を芸術家という領域に引き上げたのがベートーヴェンだった、と解説しています
第2章ではバロック、古典派の作品から澤氏が推薦する曲を厳選して紹介していますが、彼がヴァイオリニストであることから、どうしても弦楽器に偏る傾向があります
バロックではJ.S.バッハの作品として「ブランデンブルク協奏曲」「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」「無伴奏チェロ組曲」「2つのヴァイオリンのための協奏曲」を推薦しています 人によっては、なぜ「マタイ受難曲」「ミサ曲ロ短調」あるいは一連の「カンタータ」が入っていないのか?と思われる人もいるでしょうが、そこは入門編ということで仕方ないと思います
ヴィヴァルディの作品では「ヴァイオリン協奏曲集」より「四季」を推薦しています
古典派では、ヨーゼフ・ハイドンの作品として「弦楽四重奏曲 ニ短調 ”五度”」「同 ハ長調 ”皇帝”」「同 ニ長調 ”ラルゴ”」を推薦していますが、交響曲はありません
一方、モーツアルトの作品は多岐にわたります 「ピアノ協奏曲」では第20番、第21番、第23番、第27番を、「弦楽協奏曲」ではヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲を、「交響曲」では第25番、第35番、第36番、第39番、第40番、第41番を、「弦楽四重奏曲」では第14番~第19番(ハイドン・セット)を、「弦楽五重奏曲」では第3番、第4番を、「オペラ」ではフィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、コジ・ファン・トゥッテ、魔笛を推薦しています
その一方、ピアノソナタやヴァイオリンソナタはありません
ベートーヴェンの作品としては、交響曲(全9曲)、ピアノ協奏曲第4番、第5番、弦楽四重奏曲第7~第9番(ラズモフスキー)、第12番~第16番、ピアノソナタ第8番、第30番~第32番を推薦しています
ロマン派では、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、フランク、ビゼー、ドビュッシー、ラヴェル、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフが取り上げられており、それぞれの代表曲が紹介されています 興味のある方は本書を手に取ってご覧ください
第5章では、演奏会の選び方について 演目、形式(大規模、小規模など)、楽団、演奏者など、どのように選んだらよいかアドヴァイスが書かれています 「予習をしなくても大丈夫。しておくとさらに楽しい」と書かれていますが、まさにその通りで、いきなり聴くよりは、前もってCDなりで予習をしておくと楽しみが倍増します
また、コンサートでの拍手について、澤氏は次のように書いています
「交響曲のように複数の楽章からなる曲の場合は、楽章間での拍手はしないのが通例です 楽章ごとに拍手するのは、たとえるならばフランス料理のフルコースでスープが出たらお金を払い、魚料理が出たらお金を払い、肉料理が出たらまたお金を払う・・・というようなもの。お支払いは、最後のデザートまでゆっくり味わってからでよいのです
」
私が経験した中で一番多かった「曲の途中での拍手」はチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」の第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」の勇ましい音楽が終わった直後です 感激のあまり会場のあちこちから拍手が起こることが少なくありませんでした
おそらくこの曲を初めて聴いた人の多くが拍手をしたのだと思いますが、演奏家の集中力を削ぐ恐れがあるので、あらかじめプログラムで4楽章あることを確認したうえで聴くようにした方がよいと思います
しかし、指揮者の藤岡幸夫氏も主張しているように、演奏が良いと思ったら楽章間であろうがなかろうが拍手してもいいじゃないか、少なくとも恥ずかしいことではないと思います
ただし、私はやりません。出来るだけ事前に予習をするし、あらかじめプログラム冊子を読んでおきますので
第7章で気になったのは、藝大の学長として身近に感じたこととして、「日本では芸術や音楽に対する関心が全体的に薄くなっているという傾向がある 大学で芸術を学ぼうとする若者が減ってきている。少子化で子どもや若者の絶対数が減っているという状況もあるが、志望する受験者の数はそれ以上の勢いで減少している
」と指摘していることです。また、「芸術振興にかける予算は日本の国家予算全体のわずか0.1パーセントあまりにすぎず、教育設備を整えるにも、文化芸術を国内や海外に広める活動を行うにも不十分だ
」という指摘も気になります
本書は明日、2022年3月31日をもって東京藝大学長を退任する澤和樹氏が、学長として最後の一般向けの仕事として残したクラシック音楽入門ガイドブックです とくにこれから本格的にクラシック音楽を聴いてみようと思う方を中心にお薦めします
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