15日(金)。わが家に来てから今日で3349日目を迎え、ロシアの石油大手ルクオイルは13日、ビタリー・ロベルトゥス副社長(54)が急逝したと発表したが、ルクオイルは22年3月にウクライナでの早期停戦と交渉による解決を呼びかける異例の役員会声明を公表していた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシア・プーチン政権は 気に入らない者は誰でもかまわず すぐに殺す体質があるな
昨日は私が午後4時から9時半頃までオペラだったので、出かける前に娘のために「肉じゃが」「生野菜サラダ」「ダイコンの味噌汁」を作り置きしておきました ちなみに私が休憩時間に食べる夕食はオニギリ2個と麦茶です
昨日、新国立劇場「オペラパレス」でリヒャルト・ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」を観ました 出演はトリスタン=ゾルターン・ニャリ(トルステン・ケールの代役)、イゾルデ=リエネ・キンチャ(エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役)、マルケ王=ヴィルヘルム・シュヴィングハマー、クルヴェナール=エギルス・シリンス、メロード=秋谷直之、ブランゲーネ=藤村実穂子、牧童=青地英幸、舵取り=駒田敏章、若い舵取りの声=村上公太。管弦楽=東京都交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=大野和士、演出=デイヴィッド・マクヴィカーです
通常、1~3月公演は東京交響楽団がオーケストラピットに入りますが、今回は東京都交響楽団の音楽監督で新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士がタクトをとる関係で都響が入ります
それにしても・・・と思うのはタイトルロールの2人が2人とも代役とは、詐欺に遭ったような気分です これが凶と出るか吉と出るか、代役次第です
「トリスタンとイゾルデ」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が中世の悲恋物語「トリスタン伝説」に基づき1857年か59年にかけて作曲、1865年にミュンヘンで初演された楽劇です
コーンウォールのマルケ王の甥、騎士トリスタンは、アイルランドの王女イゾルデを王妃として迎えに行く かつて愛し合っていた2人は毒薬で心中を図るが、侍女ブランゲーネの手により毒薬は愛の媚薬にすり替えられていた 2人の愛は燃え上がり逢瀬を重ねるが、密会の現場を王に見つかり、トリスタンは王の家臣メロートの剣により重傷を負う トリスタンは故郷の城でイゾルデを待ち、やっと到着したイゾルデの腕の中で息を引き取る イゾルデもまた彼を追い愛の死を迎える
私が新国立オペラでワーグナー「トリスタンとイゾルデ」を観るのは2010年12月に次いで今回が2度目で、演出は同じデイヴィッド・マクヴィカーです
大野和士がオーケストラピットに入り「前奏曲」の”トリスタン和音”が会場を満たします ステージは舟のシーンで、バックには大きな赤い太陽(月か)が出ています ワーグナーだけにシンプルな舞台造りです
さて、肝心の歌手陣です
トリスタン役のゾルターン・ニャリ(トルステン・ケールの代役)はブタペスト出身のテノールです ブタペスト演劇映画大学で演劇の学位を取得して俳優として活動した後、ブタペストオペレッタ劇場に所属しミュージカルやオペレッタの主要な役に出演 その後、オペラへ転向しハンガリー国立歌劇場専属歌手として活躍しています よく通る声と無理のない歌唱で聴衆を魅了しました
イゾルデ役のリエネ・キンチャ(エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役)はラトヴィア生まれのソプラノです ラトヴィア音楽院で学び、ラトヴィア国立歌劇場にデビュー 世界各国の歌劇場で活躍しています。新国立オペラでは2019年「タンホイザー」エリーザベトに出演しています 恵まれた身体を生かした強靭な歌唱力で終始舞台を支配し、圧倒的な存在感を示しました
マルケ王役のヴィルヘルム・シュヴィングハマーはドイツ、バイエルン出身のバスです ベルリン芸術大学で学び、2006年から17年までハンブルク州立歌劇場専属歌手として活躍しました 深みのある歌唱で王としての威厳のある存在感を示しました
クルヴェナール役のエギルス・シリンスはラトヴィア出身のバス・バリトンです ラトヴィア国立歌劇場でデビュー後、ウィーン国立歌劇場でも活躍、世界の歌劇場で歌っています 新国立オペラでは23年「ホフマン物語」悪役4役に出演しました よく声が通り演技力にも説得力がありました
ブランゲーネ役の藤村実穂子は主役級としては日本人で初めてバイロイト音楽祭にデビューし、9シーズン連続で出演したメゾソプラノです 東京藝大・大学院修了、ミュンヘン音楽大学大学院修了。世界各国のオペラハウスで活躍しています 私はこれまで何度か彼女の歌を聴いてきましたが、正直言って皆が騒ぎ立てるほど優れた歌手だとは思っていませんでした しかし、今回のブランゲーネ役を聴いて、歌唱力、演技力ともにやっぱりすごい人だなと思いました
今回とりわけ素晴らしいと思ったのは大野和士指揮東京都交響楽団の演奏です オーボエにしても、コントラファゴットにしても、チェロアンサンブルにしても、歌手に寄り添いつつも自らワーグナーの”不安定で妖しい”音楽を絶妙に奏でていました
デイヴィッド・マクヴィカーの演出はシンプルで、太陽といいイゾルデの衣装といい、”赤”の使用が印象的でした 演出上で良かったのはラストです イゾルデが「愛の死」を歌い終わってオーケストラの和音が静かに響き渡る中、下手に太陽が沈んでいき、イゾルデがステージ奥に静かに去っていく。音が鳴り終わり、照明が暗転。しばしのしじまの後、盛大な拍手が起こり、ブラボーが飛び交いました フライングブラボーがなく、聴衆の反応も良かったと思います
聴衆の熱狂的な喝采を見る限り、主役級2人の代役を含めて初日公演は大成功に終わったと言えるでしょう
この日の公演は下記の時間割で上演されました
第1幕:85分、休憩:45分、第2幕:70分、休憩:45分、第3幕:80分、合計:5時間25分です。本番だけで約4時間、休憩時間だけで約1時間半です
この日の公演を振り返って思うこと。それは「腰痛の天敵 = ワーグナー」です
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歌手陣も良かったですが、オーケストラが良く鳴っていました。お楽しみください