18日(火)。わが家に来てから今日で1537日目を迎え、膠着する英国の欧州連合離脱の打開策をめぐり、メイ首相とブレア元首相が対立している というニュースを見て二人に成り代わって問答をするモコタロです
ブレア「メイ アイ ヘルプ ユー?」 メイ「私はブレやしない。メイ惑千万です」
昨日、夕食に「豚バラのエリンギ炒め」と「厚揚げとシイタケの煮物」を作りました ウーウェン先生のレシピ「豚バラ~」は娘の大好物なので時々作ります。「厚揚げ~」は新聞の「料理メモ」に載っていたレシピです。新聞は端から端まで読んで出来る限り活用します
昨日の朝日夕刊 文化欄に「音楽回顧2018」が載っていました クラシックについては安部美香子さん(記者?)が書いています。吉田純子さん(今も編集委員?)は卒業でしょうか? 阿部さんは「スター不在というよりは、スターを求めない時代。今年台頭した若手たちからは、そんな印象を受けた」と書き出しています そして、東京国際音楽コンクール「指揮」で、沖澤のどかが女性初の1位となったこと、小川響子、伊東裕、秋元孝介から成る「葵トリオ」がミュンヘン国際コンクールで優勝したこと、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで川口成彦が第2位に入ったこと等を紹介しています オペラについては、細川俊夫、渋谷慶一郎、野平一郎、藤倉大らのオペラ作品の日本初演、世界初演が相次いだことに言及しています さらに「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭が東京のみに縮小したことに触れています そして「例外的に祝祭的な雰囲気を醸し出したのが、今月、東京のサントリーホールで指揮した83歳の小澤征爾。病気などで降板が続いたが、ドイツ・グラモフォン120周年の記念演奏会に出演し、惜しみない拍手を浴びた」と書いています 今年1年を振り返った時、それほどニュースバリューのある出来事だったでしょうか 個人的には非常に疑問に思います 阿部さんは、冒頭で「スター不在というよりは、スターを求めない時代」と書きながら、記事の最後では「挑発的な演奏が人気で、来年2月に初来日予定の指揮者テオドール・クルレンツィスは、年間を通じて話題になった 強烈なカリスマへの期待は、やはり否定できない」と結んでいます ヘルベルト・フォン・カラヤンとレナード・バーンスタインは、LP時代からCD時代へ、さらにLD時代へと録音技術の進歩とともに名声を獲得・拡大していき、世界の2大巨匠と呼ばれるまでになりましたが、今、この2大巨匠に匹敵する大指揮者はいるでしょうか 現代はやはり「スターを求めない時代」ではなく「スターを求めてやまない時代」なのではないか、と思います
昨日、岩波ホールでジョージア映画「葡萄畑に帰ろう」を観ました これはジョージア映画界の最長老で85歳のエルダル・シェンゲラヤ監督による2017年制作の作品(99分)です
政治家のギオルギ(二カ・タヴァゼ)は、妻を早くに亡くして息子と義理の姉と暮らしているが、首相から「国内避難民追い出し省」の大臣として厳しい対策をとるよう命じられている ある日、彼が難民地区の現場に視察に行った時、ドナラ(ケティ・アサティア二)という難民に一目ぼれしてしまう そこまでは良かったが、与党が選挙で大敗したため、ゲオルグは大臣を失職してしまう しかし彼はそれにもめげずドナラと結婚式を挙げて楽しく暮らし始める ところが、住居を不法取引で入手したと密告されて家を追い出されてしまう 裁判で負けて故郷で葡萄を栽培する母親を訪ねると、母親は彼に「家はここにある」と優しく告げる
この作品の英語タイトルがThe Chair(椅子)となっているように、大臣室用にギオルギが注文した椅子が権力の象徴として擬人化され、ギオルギを座らせて空高く舞い上がらせ、そうかと思うと急降下して彼を恐怖のどん底に陥れたりします また、椅子は主人公を乗せず自分の意志で動き回ります 故郷に戻ったギオルギが椅子を崖から落として破壊しますが、ギオルギの姿が見えなくなると、椅子が生き物のように元通りの姿に戻り、「今までも、これからも、変わらない」というナレーションが被せられ、「権力の座にある者はいつの世でも変わらない」ことを暗示して幕を閉じます
この映画の良いところは、「国内避難民追い出し省」などという、いま話題の難民問題を絡めながらも、ユーモアと諧謔精神を忘れずに、映画を観るお客さんに喜んでもらおうとするサービス精神が手に取るように伝わってくるところです ギオルギや後任の大臣が口ずさむ曲がビゼー「カルメン」のエスカミーリョの「闘牛士の歌」(トレアドール~)なのですが、ギオルギが失職した後、彼の家で飼っているインコがその歌を真似して馬鹿にしたように笑い飛ばすシーンでは思わず吹き出してしまいました また、「国内避難民追い出し省」では、ゲオルギの秘書や他のスタッフが皆 ローラースケートで移動して仕事をしているシーンはシュールです
この映画では、ゲオルグとドナラとの結婚披露パーティーのシーンをはじめ、ジョージアのワインが登場します チラシに書かれた解説によると、ジョージア(旧グルジア)はワイン発祥の地で、ワイン作りは8000年の歴史を持ち、2013年には日本の和食とともに世界遺産に登録されたそうです 「葡萄畑に帰ろう」という日本語の題名はそうした歴史的な背景をもとに付けられたのでしょう 久しぶりにいい映画を観ました
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