18日(水).昨日は一旦出勤したのですが,あまりにも体調が悪いのでビル地下のNクリニックに行きました やはり風邪で,微熱があります 抗生物質など3種類の薬を受け取って職場に戻り,取りあえず急ぎの仕事だけ片付けて早退しました.本当は夕方,仕事の飲み会が入っていたのですが,他のメンバーにまかせてお先に失礼しました 家に帰って,クーラーをかけずに寝込みました.相当汗をかきました 今朝起きた時も喉が痛んで咳も出るので大事をとって今日は休むことにしました
閑話休題
西岡文彦著「五感でわかる名画鑑賞術」(ちくま文庫)を読み終わりました この本は,「深読みフェルメール」(朝日新書),「怖い絵(泣く女編)」(角川文庫)とともに神保町で買った美術関係書のうちの1冊です.著者の西岡氏は1952年生まれ,多摩美術大学教授です
本の構成は第1章:五感でわかる美術館鑑賞 極意10!,第2章:モネのケーキ,フェルメールのカメラ,第3章:油絵のウォークマン,ヌードのアウトドア,第4章:触れるように眺め,描くように鑑賞する,第5章:美術館での会話の極意,聞かせる話のツボ,から成っています
どの章も具体的で,著者の経験に基づく話が中心になっているので,すんなりと頭に入ってきます 例えば第1章の「五感でわかる美術館鑑賞 極意10!」には以下のアドバイスが書かれています
極意その1:画家の名前は見ない
極意その2:好きな順,好きな速さで見る
極意その3:額縁に,わき見してみる
極意その4:ともかく近くに寄って見る
極意その5:なるべく,あちこちから眺める
極意その6:必ず飲み食いする
極意その7:必ず買い物をする
極意その8:いちばん好きな絵を選ぶ
極意その9:好きな理由を考える
極意その10:必ず誰かと話してみる
さて,このうちのほとんどは誰もが納得するごく”当たり前”のことですが,その6「必ず飲み食いする」は著者ならではの理論でしょう 彼は次のように書いています.
「美術館や展覧会に出かけた時は,必ず飲み食いすることをお薦めしたい.なにか特徴のあるものを口に入れておくことをお薦めしたい.人間の記憶は,味や匂いと結びつくことで,とりわけ鮮明に保存されるからである 筆者の場合,エスプレッソの独特の焦げたような香りは,ボッティチェリの”ビーナスの誕生”と,その額縁としてのウフィツィ美術館の街並みの記憶と鮮明に結びついている 初めて見たボッティチェリの感動もさめやらぬまま,美術館の回廊奥の寒いカフェで熱々のエルプレッソを飲んだからである」
つまり,「味や香りと結びつき,いつまでも鮮明によみがえる名画の記憶が刻まれる」というのです
また,その7の「必ず買い物をする」も彼独自の理論です.彼自身の経験から,「絵はがきもカタログも自分が自分に買うおみやげ.迷ったら,とりあえず買っておくのが正解」と言っています
具体的で分かりやすい内容なので,美術の入門書としてお薦めします フェルメールを観に行った時,どこで何を食べようかな
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