8日(金)。昨日の朝日新聞夕刊の第2・3面の文化関係記事を見て、おやっと思いました 掲載されている音楽・演劇関連記事8本のうち4本がクラシック音楽関係です おやっと思ったのは、4本のうち3本が編集委員・吉田純子さんの執筆による記事だったからです
1本は「『改変』オペラがあぶり出したもの ~ 原典に忠実足れ 求める日本」というタイトルの二期会「影のない女」のペーター・コンビチュニーの演出に関する記事 2本目は「仲間と語り合う時間 音楽豊かに ~ 神奈川にアカデミー開校 バイオリニストの白井圭」というタイトルのインタビュー記事 3本目は「好奇心揺さぶる集大成『ばらの騎士』 ~ ジョナサン・ノット&東響 演奏会形式で」というタイトルのインタビュー記事です
どれも仕事と言えば仕事ですが、あまりにも一人の人間に集中しすぎているのではないか、と思うのです 「働き方改革」と言われる中、どうなのよ 別の言葉で言えば、朝日には他に同じようなクオリティの記事が書ける人はいないのか?ということです
「コンサート評」に限って言えば、仕事としてコンサートを聴いて批評を書かなければならないのは苦痛だろうな、と思います 自分が聴きたいコンサートだけなら良いけれど、依頼主からの要請で聴かなければならない公演もあるでしょう そんな公演を聴いても楽しくないだろうと思います その点、毎日のように仕事の一環としてコンサートを聴いている吉田純子さんに同情します やっぱり、好きなコンサートを聴いて好き放題 感想を書いている方が、給料はもらえませんが、気楽でいいと思います
ということで、わが家に来てから今日で3587日目を迎え、5日投開票の米大統領選は共和党のトランプ前大統領が当選確実となり、翌6日 民主党のハリス副大統領は敗北を宣言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
犯罪者も大統領になれる米国は 民主主義の鏡だね その結果は独裁主義の復活だが
昨日、夕食に「野菜とひき肉のドライカレー」「生野菜とアボカドとモッツアレラチーズのサラダ」を作りました ドライカレーは時々作りますが、目玉焼きが合います
日本フィルは公式サイトで定期演奏会のシーズン開始月変更とラインナップを発表しました 同フィルは2026年に創立70周年を迎えるのを契機に現行制度の見直しを図るとしています 告知の概要は以下の通りです
①2026~2027シーズンより、東京・横浜定期演奏会の開催期間を従来の「9月~翌年7月」から「4月~翌年3月」に変更する。
②これに伴い、2025年9月~2026年3月を「移行期間」とし、東京・横浜とも6回の定期演奏会を開催する。
③横浜定期演奏会の開演時間を2025年9月以降「17時開演」から「15時開演」に変更する。
2025~2026シーズン(6か月間・全6回)のラインナップは以下の通りです
なかなか意欲的なラインナップです 現在、私が在京オーケストラで定期会員になっていないのは日本フィルとパシフィック・フィルだけですが、読売日響の2025~2026シーズンのラインナップがまだ発表されていないので、新たに日本フィルの定期会員になるという決断はできません 早く発表してくれないかと熱望しています
柚月裕子著「ミカエルの鼓動」(文春文庫)を読み終わりました 柚月裕子は1968年 岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー 13年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞を受賞。16年「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編賞部門)を受賞 18年「盤上の向日葵」で「2018年本屋大賞」第2位 他に「検事の信義」「慈雨」「あしたの君へ」「月下のサクラ」など著書多数
北海道の北中大病院で手術支援ロボット「ミカエル」を駆使した心臓病の難手術を成功させ続ける循環器第二外科科長(教授)の西條泰己は、院内での地位を不動のものにしていた しかし病院長の曾我部は天才的な心臓外科医・真木一義をわざわざドイツから招聘する 僧帽弁閉鎖不全症という難病の再発を起こした12歳の少年・白石航の手術方針を巡り、「ミカエル」による最先端医療か従来の術式かで2人は激しく対立する そんな中、「ミカエル」をめぐり深刻な問題が浮上する
医療という重いテーマを扱っていますが、いつもながら未知の領域に対する綿密な取材力に感嘆します 本書では柚月裕子特有の”一途に生きようとする人間の姿”が書かれています 西條は医療行為の将来を見据え、手術用ロボットの活用と普及により安全・確実に手術を行うことを第一に考えています 一方、真木は従来の人の手により迅速・確実に手術を行うことを考えています 2人に共通するのは「目の前の患者の命を救いたい」という強い思いです
この作品では、「医療ミス」や「手術用ロボットの欠陥」について触れていますが、現代の医学はそうしたミスを重ね、乗り越えながら”進歩・発展”してきたのではないか、と思います
本書に出てくる「ミカエル」とは、北中大病院の中庭の温室にある「背中に羽が生えた天使の像で、右手に剣、左手に天秤を持っている。直立した姿勢で、剣を天に向け、天秤を緩やかに下げている」という彫刻です Wikipediaによると、「ミカエルは旧約聖書からユダヤ教、キリスト教、イスラム教へ引き継がれ,教派によって異なるが、三大天使、四大天使、七大天使の一人であると考えられてきた」とのことです 白石少年の初診療のとき、西條は真木に「おまえは神か?」と問いかけますが、真木は「もちろん違う。あんたも違う。俺たちは下僕だ」と答えます。これは、もちろん「医療関係者は神でも天使でもなく、”医学の神のしもべ”、あるいは”患者のしもべ”に過ぎない」ということを表しているように思います
2021年に刊行された本書は第166回直木賞候補となったとのことですが、分かるような気がします 540ぺージの大作ですが、面白さにページをめくる手が止まりませんでした 広くお薦めします
今日は東京藝大奏楽堂で開かれる「藝大合唱定期演奏会」のドヴォルザーク『スターバト・マーテル』」を聴きに行きます
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