27日(土)。わが家に来てから今日で2240日目を迎え、中国の習近平国家主席は25日、北京の人民大会堂で演説し、農村部などで貧困人口をゼロにする「脱貧困」の目標について「全面的な勝利を収めた」と宣言し、共産党の支配の正当性と習指導部の実績をアピールした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
言論の自由と 香港の自治権尊重は 貧困のままのようだね 覇権主義もそのままだし
昨日、夕食に「鶏の唐揚げ」と「エノキダケの味噌汁」を作りました 唐揚げは2週間に一度のペースが定着した感がありますが、今回は最高の出来でした
昨日、角川シネマ有楽町でニールス・アルデン・オプレブとアナス・W・べアテルセンの共同監督による2019年製作デンマーク・スウェーデン・ノルウェー合作映画「ある人質 生還までの398日」(138分)を観ました
2013年。ダニエル・リュー(エスベン・スメド)は試合で怪我をして体操選手の道を断念し、趣味の写真を活かし戦場カメラマンのアシスタントの職を得る ソマリアでの取材で新しい生き甲斐を見つけた24歳のダニエルは、戦争の中の日常を撮影し世界に伝える思いを抱き、心配する家族や恋人を説得し、内戦が激化するシリアのトルコ境界に近い非戦闘地域を訪れる しかし、現地の情勢が変わり、取材が終わる寸前に近くの過激派ISに見つかり誘拐されてしまう 外国人を誘拐し身代金を要求する「誘拐ビジネス」は過激派組織IS(イスラム国)の一部派閥の資金調達の手段になっていた ダニエルは拷問され、同じように誘拐された各国のジャーナリストらと共に監禁され、飢えに苦しみ地獄の日々を送ることになる デンマーク政府はテロリストと交渉しない方針のため、ダニエルの家族(両親、姉、妹)は元軍人で人質交渉のプロ、アートゥア(アナス・W・ペアテルセン)にダニエル救出の協力を依頼し、高額な身代金を支払うための計画を練る。そして、ダニエルの家族は要求された巨額の身代金を用意するために、銀行からの借り入れ交渉をはじめ、体操協会のメンバーを対象に募金活動を行うなど東奔西走するが、とても要求額には達しなかった。そこで家族は集めた金額を支払うとIS側に提案したが、IS側は侮辱されたと看做し、要求額を釣り上げてくる 日本円にして約7000万円という高額な要求額に追い打ちを掛けられた家族は絶望感に苛まれるが、土壇場で高額な募金者が数人出てきて何とかIS側の要求に応えられる金額が集まる そして、ダニエルは約1年1か月ぶりに無事デンマークの家族の元に帰ることができる
この映画は、2013年に398日もの間、IS(イスラム国=イスラム教スンニ派に属する過激派武装組織)の人質になりながら、奇跡的に生還したデンマーク人写真家ダニエル・リューの救出劇を、実話をもとに映画化した作品です
ダニエルは、戦闘を撮りに行ったわけではなく、内戦下のシリアで暮らす市民の日常生活を撮りに行っただけなのに、”安全なはず”の場所で誘拐されてしまった つまり、外国人にとって当時のシリアに安全な場所などなかったのです ダニエルは通訳を通して「撮影の許可は取っている」と許可証を見せて主張しますが、「誰の許可だ。そんなのは無効だ」と無視され 誘拐されてしまいます つまり、許可を与える主体がISに変わっているのです こんな国に行ったら法律も理屈も通用しません
ダニエルがISの戦闘員から「お前はCIAだろう。白状しろ」と拷問されるシーン以降は「死と隣り合わせの恐怖」に息が詰まる重苦しい雰囲気が続きます 足の裏や身体を鞭で打たれ、手錠をかけられたまま天井から吊るされ、一度は鎖を首にかけて自死しようとするほど苛酷な拷問が続けられるのです 並みの人間なら気が狂ってしまうでしょう
監禁された仲間の中にアメリカのジャーナリスト、フォーリーがいますが、ダニエルは彼に「いまシリアで何が起きているのかを世界に知らせる必要がある」と語りかけるシーンがあります ISはアメリカを目の敵にしているのでフォーリーは生きてアメリカに帰れない運命にありますが、ダニエルはデンマーク政府からは見放されたものの、家族とダニエル救出のための募金に協力してくれた人々のお陰で祖国に帰ることができました 一人の人間の命の重さ・尊さを感じざるを得ません
それと同時に思うのは、ダニエルの言葉にあるように、「いまシリアで何が起きているのかを世界に知らせる必要がある」のです
たまたま、昨日の朝日夕刊にニールス・アルデン・オプレブ監督のインタビュー記事が載っていました 監督は「身代金については各国の対応や保険制度などリサーチを重ねた。身代金については明確な意見を持っている」として、次のように語っています
「ジャーナリストがいるから現地で起きている恐ろしいことを知ることが出来る 活動家がいるから紛争地で苦しんでいる人を援助できる そうした人たちをサポートできない国とは一体何なのか 政府が正しくないことをしているとき、アーティストとして建設的批判をしなければいけないと思っています」
シリアに限らず、現在も世界のそこかしこで内戦が続いています その実態を世界に知らせるのはジャーナリストの役割です しかし、そこに入り込んで取材し、世界に向けて発信するのは命がけの行為です 取材中にISや過激派に誘拐されて身代金を要求されたら、ダニエルと同じ運命にさらされることになります 監督の主張は理解できるものの、くれぐれも行動は慎重にして無事に帰国してほしいと願わざるをえません
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます