人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アレクサンダー・ソディ ✕ 反田恭平 ✕ 読売日響でラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」、チャイコフスキー「交響曲第4番」を聴く~読響「第663回名曲シリーズ」

2023年06月29日 00時18分25秒 | 日記

29日(木)。わが家に来てから今日で3089日目を迎え、ウクライナで活動する国連の人権監視団は27日、昨年2月にウクライナに侵攻を開始して以来、ロシア軍が800人以上の民間人を恣意的に拘束し、うち77人を処刑したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     人権感覚ゼロのロシア軍にとっては ウクライナの軍人も民間人も同じなんじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「真鯛の塩焼き」「生野菜サラダ」「冷奴」「豚汁」を作り、「鯵のタタキ」と一緒にいただきました 「真鯛~」は柔らかくて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夜、サントリーホールで読売日響「第663回名曲シリーズ」を聴きました プログラムは①ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30」、②チャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です 演奏は①のピアノ独奏=反田恭平、指揮=アレクサンダー・ソディです

指揮をとるアレクサンダー・ソディはイギリス・オックスフォード生まれ。王立音楽院とケンブリッジ大学を卒業 ハンブルク国立歌劇場カペルマイスター、クラーゲンフルト市立劇場首席指揮者、マンハイム国立劇場音楽総監督を歴任。欧米を中心に活躍しています

 

     

 

反田恭平人気か、会場はかなり埋まっています

オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び。コンマスは長原幸太、隣は林悠介というダブルコンマス態勢を敷きます

1曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1909年に作曲、同年ニューヨークで初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・タント」、第2楽章「間奏曲:アダージョ」、第3楽章「フィナーレ:アラ・ブレーヴェ」の3楽章から成ります 

ピアノ独奏の反田恭平はモスクワ音楽院、ショパン音楽大学で学び、ウィーンでは指揮を学んでいます。2021年のショパン国際コンクールで第2位に入賞。ピアニストとして活躍する傍らで、自身が設立したジャパン・ナショナル・オーケストラで全国ツアーを開催しています

アレクサンダー・ソディの指揮で第1楽章に入り、オーケストラに乗って独奏ピアノが淡々と第1主題を奏でます 私はこの曲が大好きなので、冒頭の音楽を聴くといつもワクワクします この楽章での聴きどころはカデンツァです 反田の演奏は強靭にして繊細、流麗にしてメリハリの利いた演奏です 自席から彼の両手の動きが良く見えるのですが、確かなテクニックの裏付けのもと、何の迷いもなく演奏に集中している姿が頼もしく清々しく感じます 第2楽章では冒頭の金子亜未の哀愁に満ちたオーボエが素晴らしい オーケストラのサポートを受けて、反田はロマンティシズム溢れる演奏を力強く展開します 第3楽章では、独奏ピアノがリズミカルな第1主題を奏で、次いで、オーケストラのスケールの大きな演奏に乗ってアグレッシブな演奏を繰り広げます そして、オケの総奏とともに圧倒的なフィナーレを迎えました

唖然とするほどのパフォーマンスに、会場のそこかしこからブラボーがかかり、満場の拍手が反田を包み込みます 圧倒的にすごい演奏でした

反田はアンコールにショパン「ラルゴ」を感慨深く演奏、聴衆のクールダウンを図りました

話は変わりますが、私がラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」を聴くと必ず思い出すのはピアノスト、デイヴィッド・ヘルフゴット(1947~)の半生を描いた映画「シャイン」です ヘルフゴットは統合失調感情障害に陥り、思うようにピアノが弾けません そんな彼が取り組んだのがラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」だったのです

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1877年から翌78年にかけて作曲、1878年2月22日にモスクワで初演されました 「わが最良の友に」という献辞がありますが、これは大富豪の未亡人メック夫人を指しています メック夫人はチャイコフスキーに膨大な経済支援を施しましたが、手紙のやり取りだけで一度もチャイコフスキーに会うことはありませんでした メック夫人て凄いと思いませんか? チャイコフスキーの天才を見抜いていたのですね

この曲は第1楽章「アンダンテ・ソステヌート ~ モデラート・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:ピッツィカート・オスティナート」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

アレクサンダー・ソディの指揮で第1楽章に入り、冒頭「運命の動機」のファンファーレが金管によって華々しく演奏されます まるでチャイコフスキーの結婚の失敗を跳ねのけるような、爽快な演奏です 第2楽章では冒頭の金子亜未の寂寥感に満ちたオーボエが素晴らしい また、井上俊次のファゴットが聞かせてくれます さらに倉田優のフルート、中館壮志のクラリネットも素晴らしい 第3楽章では弦楽セクションによるピッツィカートによる演奏が楽しい そして第4楽章では陽気な主題が現れ、冒頭の「運命の動機」を打ち消すように音楽が展開し、オーケストラの総力を挙げての高速演奏で輝かしいフィナーレを飾りました ソディは読響のゴージャスなサウンドを鳴らし切りました

人によっては「オーケストラを無暗に大音量で鳴らした爆演に過ぎない」と評するかもしれませんが、いいじゃありませんか 大音量のシャワーを浴びて気分がスッキリしたとすれば、聴いた甲斐があったというものです クラシックはもっと気軽に聴いていいと思います


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 尾高忠明 ✕ 亀井聖矢 ✕ 東京... | トップ | コンサートのカーテンコール... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事