人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アンドレイ・タルコフスキー監督「ノスタルジア」&「サクリファイス」を観る ~ バックに流れるのはヴェルディ「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」、バッハ「マタイ受難曲」

2019年10月29日 07時21分18秒 | 日記

29日(火)。わが家に来てから今日で1856日目を迎え、萩生田光一文部科相は28日、2020年度に始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間試験に関して「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」とテレビ番組で発言したことについて、「国民や受験生に不安や不快な思いを与えかねない、説明不足な発言だった」と謝罪した という記事を見て感想を述べるモコタロです

 

     

        身の丈に合った発言をしないから あとであちこちからツッコまれるんじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「トマトと卵の炒め物」と「チンゲン菜の中華スープ」を作りました 「トマト~」は現時点で娘の好きなベスト1メニューです

 

     

 

         

 

文京シビック・チケットで「響きの森 クラシック・シリーズ 2020‐2021シーズン」のS席セット券を引き取ってきました 次シーズンは、2020年ベートーヴェン生誕250年を記念したプログラム構成になっています オーケストラは東京フィル、指揮はすべて”コバケン”こと小林研一郎氏です

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で「ノスタルジア」と「サクリファイス」の2本立てを観ました

最初に正直に告白しておきます。この2つの名作は少なくとも1度は観たことがあると思っていました しかし、上映が始まってから、2作とも初めて観る作品であることに気が付きました 同じタルコフスキーの「惑星ソラリス」と勘違いしたか、あるいは別の監督の作品と勘違いしたのか よく分かりません。自分でも驚いています

「ノスタルジア」はアンドレイ・タルコフスキー監督・脚本による1983年イタリア映画(126分)です

18世紀にイタリアを放浪し故国に帰れば奴隷になることを知りながら帰国し、自殺したロシアの音楽家サスノフスキーの足跡を追うためにトスカーナ地方を訪れた詩人アンドレイ・ゴルチャコフの愛と苦悩を描いています(右手の痛みが取れないので詳細には書けません。悪しからず)

 

     


タルコフスキーは、1983年発行の「アメリカン・フィルム」で、「この映画は、文化というものが、輸入も輸出もできないものであることを示そうとしているのだ」と語っています また「芸術は実際には、社会の発展に影響を及ぼすことはできないのではないだろうか 芸術は心の発展に影響を与えることができるだけである。・・・・芸術は人を教えようとすべきではない。広い意味で、人生をありのままに見せること、自分の経験を同時代人の判断の材料に供すること、それを行うべきなのだ」と述べています その結果の一つがこの「ノスタルジア」なのでしょう

さて、この映画ではクラシック音楽が2曲使われています 冒頭とラスト近くで流れる祈りの音楽はヴェルディ「レクイエム」の第1曲「永遠の安息をお与えください」です もう1曲はベートーヴェン「交響曲第9番”合唱付き”」の第4楽章です 最初は、世界の終末が間近だとして家族を7年間閉じ込めた変人ドメ二コが、アンドレイに「この音楽が分かるか?」と言って聴かせるシーン、二度目はドメ二コがローマのマルクス・アウレリウス皇帝の騎馬像に登って演説した後、ガソリンを被って火をつけ 火だるまになって騎馬像から転落して のたうち回るシーンで”歓喜の歌”が大音量で流れます   が、すぐに止められます   さすがに「歓喜の歌」を焼身自殺のテーマのように扱うことには抵抗があったのではないか、と思います


         


「サクリファイス」はアンドレイ・タルコフスキー監督・脚本による1986年スウェーデン・フランス合作映画(149分)です

評論家で大学教授のアレクサンデルの誕生日の当日、突然 テレビから核戦争の非常事態発生のニュースが流れる  家族が右往左往する中、無神論者だった彼は初めて「愛する人々を救って下さい。家も、家族も、子どもも、言葉もすべて捨てます」と神への願いを発する そして、自らが犠牲となる儀式として家のテーブルに椅子を積み上げ、布で覆い、そこに火を点ける


     


この映画では、冒頭とラストのシーンでJ.S.バッハ「マタイ受難曲 BWV244」の第39曲「憐れんでください、神よ」(アルトのアリア)が流れます この曲は、イエスが逮捕される時、弟子のペテロは自らも捕まりそうになり、(イエスの予言通り)鶏の鳴く前に3度 彼を知らないと言い逃れ、激しく泣く・・・という場面に続く音楽です すすり泣くようなヴァイオリンと共にアルトが歌います・・「憐れんでください、神よ、私の涙のゆえに・・・、ご覧ください、心も目も激しく泣いています」と この映画に これ以上の選曲はないでしょう

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