人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジャン・ルノワール監督「ゲームの規則」[フレンチ・カンカン」を観る

2012年08月15日 07時00分06秒 | 日記

15日(水).昨夜,何気にNHK・FMをつけたら,どこかで聞いたことのある声が聞こえてきました ”まろ”ことN響コンサートマスターの篠崎さんでした.番組は,たしか昨年の同じ時期にも放送していた「まろのSP日記」です 19世紀から20世紀初めまで作られていたレコード「SP盤」で名演を紹介する番組です.この日は「クライスラー特集2」ということで,ヴァイオリニストのフリッツ・クライスラーの演奏を紹介していました

クライスラーのヴァイオリン,ラフマニノフのピアノ(超豪華!)によるシューベルトの「ヴァイオリン・ソナタ」が始まりました なんと味わいのある優しい演奏なのでしょうか SP盤特有のシャーシャーという音(鉄針がレコード盤をトレースする摩擦音)を超えてシューベルトが蘇ります.”まろ”さんによると,クライスラーはシューベルトをすごく尊敬していたようです.

この番組は毎日夜9時10分から10時まで(多分,金曜日まで)NHK・FMで放送されます.ちなみに今夜はクライスラー特集3です.名演は時空を超えてわれわれの心に響いてきます

 

 閑話休題  

 

昨日,高田馬場の早稲田松竹でジャン・ルノワール監督「ゲームの規則」と「フレンチ・カンカン」を観ました

ジャン・ルノワールはあの印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男であることはあまりにも有名です

「ゲームの規則」は,1939年制作,106分のモノクロ映画.1992年に世界の映画人が選んだ”映画史上ベストテン”の第2位に入賞した巨匠の最高傑作です

冒頭のタイトルでボーマルシェの戯曲「フィガロの結婚」の一節が引用されています.「心変わりは罪ですか?恋には翼があるものを」というものです.この映画のテーマを簡潔に現しています

舞台は第2次世界大戦前(この映画が作られた時期)のフランスの上流社会です

シャネイ公爵の別荘に,彼の夫人クリスティーヌ,彼女に恋している飛行士アンドレ,シェネイ公爵の愛人など上流社会の人々が招かれ,狩場で兎や雁のハンティングに興じます 監督のルノワールもクリスティーヌの幼馴染のオクターヴとして登場し,愛のゲームに参加しています この映画を観ていると,まるでモーツアルトのオペラ「フィガロの結婚」そのものではないか,と感じます モーツアルトのオペラでは美しい音楽が絶え間なく続きますが,ルノワールの映画では音楽の代わりに人々のおしゃべりとドタバタが絶え間なく続きます

この映画で使われているクラシック音楽は,冒頭の音楽がモーツアルトの初期のオペラの序曲のような気がするのですが,確信がありません.確かなのは,別荘での食事のシーンで,ラジオから流れていたショパンの「子犬のワルツ」です

この映画は当時のフランスの上流社会から総スカンを食らったといいます.映画の中に「彼らは滅びゆく階級だよ」というセリフがあるのです.にもかかわらず,この映画は70年以上経った現在でも世界中で鑑賞されています

 

          

 

「フレンチ・カンカン」は1954年制作,105分のカラー映画です.一言でいえば1880年代のパリを舞台とした「フレンチ・カンカン」と「ムーラン・ルージュ」誕生物語です

名優ジャン・ギャバンが劇場支配人アンリ・ダングラールを演じています また,洗濯娘からムーラン・ルージュのヒロインになるニニをフランソワーズ・アルヌールが演じています 彼女,ちょっとしたところがオードリー・ヘップバーンに似ています 「ムーラン・ルージュ」のオープンで多くの踊り子達によって踊られる「フレンチ・カンカン」のシーンは圧巻です シャンソンの名歌手エディット・ピアフもユージン役で出演しています 

ジャン・ルノワールは昔「大いなる幻影」をテレビで観た記憶がありますが,「ゲームの規則」と「フレンチ・カンカン」は初めて観ました.映画を観て想うのは,ルノワール監督は人間が好きなのだな,ということです

 

          

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