人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

語られぬ真実,秘められた想い~米澤穂信著「追想五断章」を読む

2012年05月21日 06時52分51秒 | 日記

21日(月).今日の合言葉は「君は金環日食を見たか?」になるのでしょうか 小中学校のブラスバンド部あたりは金管一色か

昨日,散歩がてら神保町に行ってコンサートのチケットを買いました 読響による東京芸術劇場リニューアルオープン記念演奏会です.池袋の東京芸術劇場は1990年のオープン以来21年が経過し昨年4月から全面改修工事に入っていましたが,9月1日にリニューアルオープンの運びになりました

9月1日(土)午後3時からの公演プログラムはマーラーの「交響曲第2番”復活”」です.演奏はソプラノ=小川里美,メゾソプラノ=清水華澄で,下野竜也指揮読売日本交響楽団,東京音楽大学合唱団です コンサートホールがリニューアルオープンというと必ずと言っても良いほどマーラーの”復活”が演奏されますね

 

          

 

  閑話休題  

 

米澤穂信著「追想五断章」(集英社文庫)を読み終わりました この作品は「小説すばる」2008年6月号から12月号まで,7回に亙って連載され,単行本として2009年8月に刊行されました

菅生芳光は大学を休学して伯父・菅生広一郎の古書店に居候していますが,ある日,北里可南子という女性から死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルストーリー)」を探してほしいと依頼されます 伯父に内緒で調査を進めますが,亡父・北里参吾が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことを突き止めます

「アントワープの銃声」事件とは,1970年,北里参吾の妻・斗満子がベルギーのアントワープのホテルで,首を吊った状態で発見され,泊り客が銃声を聞いていたことから,部屋にいた夫の参吾に殺人の疑いがかけられたというものです この小説が「ロス疑惑」にヒントを得て書かれたことは明らかです

菅生芳光は,参吾がこの事件に関して何かを訴えたかったために5つの物語を書いたのだと考えます.そして,古書店に努めているメリットを生かして取材をし,1篇ずつ物語を探し出していきます

最後の1篇はとうとう探し出せませんでしたが,依頼者である可南子が参吾の入院していた病院の看護師から入手します そこですべては明らかになります.最後まで読んで,あらためてこの小説の冒頭に掲げられた「わたしの夢」と題する(中学?)2年生の可南子の書いた文章を読むと,そこに回答が示されていたことに気がつきます

文庫本の帯に「語られぬ真実.秘められた想い」とありますが,一言でいうと,まさにそのような表現がぴったりとくる小説です 米澤穂信の小説はこのブログでも何回か取り上げてきましたが,どれも面白いと思います.この作品もお薦めします

 

          

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マーラー「嘆きの歌」を聴く~新日本フィル・トリフォニーシリーズ定期演奏会

2012年05月20日 07時02分59秒 | 日記

20日(日)。昨日の朝日朝刊にドイツの名バリトン歌手,ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウの死亡記事が載りました

「18日,ドイツ南部ミュンヘン近郊の自宅で死去,86歳だったが,死因は明らかでない.シューベルトの”冬の旅”などドイツ歌曲の分野では完成度の高さと解釈の深さで並ぶ者がないとされた.63年に初来日.カール・べーム率いるベルリン・ドイツ・オペラ”フィガロの結婚”では,伯爵を風格たっぷりに演じた」

その「フィガロの結婚」はCD化されています(下の写真).1963年10月23日,日生劇場のこけら落とし記念公演のライブ録音です

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル・トリフォニーシリーズ第494回定期演奏会を聴きました錦糸町駅からアルカキットを抜けてトリフォニーホールに行く途中,いつものように東京スカイツリーが迎えてくれました

 

          

 

この日のプログラムは①ドヴォルジャーク「交響詩 金の紡ぎ車」、②マーラー「嘆きの歌」(初稿版)の2曲。②の独奏は、ソプラノ=天羽明恵、アルト=アネリ―・ペーボ、テノール=望月哲也、バリトン=イシュトヴァン・コヴァ―チ、ボーイ・ソプラノ,ボーイ・アルトは東京少年少女合唱隊、合唱は栗友会合唱団、指揮はクリスチャン・アルミンクです    

この定期公演は開演30分前から指揮者による「プレ・トーク」があります.この日はアルミンクがマーラーの「嘆きの歌」を中心に,通訳を介して曲目を解説しました 終わりに「この公演は昨日と今日の2日間,同じプログラムを演奏しますが,実は昨日がマーラーの101回目の命日でした.我々は何年も前からマーラーの命日にマーラーの曲を演奏するよう周到に公演プログラムを組んできました・・・・・・ということではなく,単なる偶然にすぎません」と言って会場の笑いを誘っていました 新日本フィルは定期公演でも室内楽シリーズでも「プレ・トーク」があるので,作曲家や作品の理解が進みます.とくに室内楽シリーズの篠原英和さんのトークは天才的な話術です.ファンが多いのも頷けます

 

          

 

第1曲目のドヴォルジャーク「交響詩:金の紡ぎ車」のストーリーは,「若き王が織り機を紡ぐ娘ドル二チカに求婚すると,継母と義姉が彼女の手足を切断して殺し,義姉が身代わりに嫁ぐようにする 遺体を見つけた仙人は,王妃となった義姉のもとにある目と手足を,金の紡ぎ車と糸巻棒に引き換えさせ,魔法で妹を生き返らせる 王妃が糸を紡ぐと紡ぎ車が歌って悪事を暴く.王はドル二チカを探して結婚し,罪人たちは森の狼に引き裂かれる」という内容です.

恐ろしい物語ですが,ドヴォルジャークのつけた音楽はメロディーに溢れ,”分かりやすい”音楽です フル・オーケストラによる演奏は生き生きと”物語”を描いていました

休憩後のマーラー「嘆きの歌」は原語では Das klagende Lied ですが,プログラムの解説によると klagen はもともと擬声語で「嘆く」「悲しむ」「嘆息する」の意ですが,「不平や苦情を訴える」,法律用語では「告訴する」という強い性格を帯びるとのことです

この曲はマーラーが18歳から20歳にかけて作曲した若き日の傑作です マーラーは「嘆きの歌」をブラームスらが審査をしたベートーヴェン賞に応募しますが,落選します 皮肉にもこの曲によって「不平を訴える」ことになりました

マーラーは,マルティン・グライフの詩劇「嘆きの歌」,ルートヴィヒ・ベヒシュタインの「新ドイツ童話集」所収の原作に加えて,グリム童話「歌う骨」も参照したようです

物語は第1部「森のメルヒェン」,第2部「吟遊詩人」,第3部「婚礼の出来事」の3部からなります 第1部では,気高い女王が,森の赤い花を探した者の妻になるという.その花を見つけて眠った弟を邪悪な兄が殺す 第2部では,森をさまよう辻音楽師が輝く1本の骨を拾い,笛にして吹くと,殺された悲しみを歌うので,女王のもとへと向かう.第3部では,王へ迎えられる兄が城の広間で楽師の運んだ笛を口に当てると,笛が弟の悲痛を歌い出し,女王は倒れ,城は崩れ去る・・・・というものです

 

          

 

フル・オーケストラの背後には男女混合コーラスが130名ほどスタンバイします ソプラノの天羽明惠が白(あるいはシルバー)のドレスで,メゾ・ソプラノのアネリー・ぺーボが赤のドレスで,テノールの望月哲也,バスのコヴァーチ,指揮者アルミンクとともに登場します コンマスは崔文殊です.

アルミンクのタクトが振り下ろされて「嘆きの歌」第1部からオーケストラによって物語が奏でられます 時に後の円熟期のマーラーらしいメロディーが現れます.第2部に入ると,舞台の裏で演奏するブラスバンド(バンダ)の音が遠くから聴こえてきます 舞台後方のパイプオルガン下の左サイドの手すり部分を見ると,目立たないように小型カメラが指揮者を狙っているのが分かります 舞台裏では副指揮者がモニター画面上のアルミンクの指揮を観ながら19人のブラス+シンバル奏者を指揮をして演奏に効果を与えています

途中,パイプオルガンの下の通路にボーイ・ソプラノとボーイ・アルトが出てきて,アルミンクの指示で,殺された弟の「訴え」を歌います

ソリストの4人はいずれも素晴らしく,とくにバスのコヴァーチが深い声で印象に残りました

カーテン・コールでは,ソリストがボーイ・ソプラノ,ボーイ・アルトの子供たちと手に手を取って登場し(サッカーの入場みたい)拍手喝さいを浴びていました ソリストたちとアルミンクとで手をつないで会場にお辞儀をして声援に応えていましたが,自分の左に誰もいないのがさびしかったのか,ヴィオラの中村美由紀さんの手を取って仲間に引き入れていました 中村さんは非常に恥ずかしそうでしたが,嬉しそうにも見えました

帰りがけにロビーのチケット予約コーナーに寄って,プログラムに載っていた「新・クラシックへの扉」8月公演のチケットを予約しました 萩原麻未がラヴェルのピアノ協奏曲を演奏するのです.聴かないわけにはいきません 8月10日(金),11日(土)のいずれも午後2時からですが,11日の指定を取りました.ほとんど残りの席はないようです.楽しみが一つ増えました

 

           

 

 

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女心を知り尽くしている男~奥田英朗著「ガール」を読む

2012年05月19日 06時59分59秒 | 日記

19日(土)。昨夕,10階のホールで櫻井よしこさんらを迎えて350人規模の会合が開かれていたため,1階正面玄関と10階ホールを行き来して警戒しました 会合が始まる時刻を過ぎたため,6時半には引き上げることにしました.その後,仕事で土曜出勤を決意したE部長,T君と,外部の会議・懇親会から戻ったS監査役が加わり,4人でHCビル地下のKで飲みました  金曜の夜はどうしてこうなるんだろう・・・・・・

 

  閑話休題  

 

奥田英朗著「ガール」(講談社文庫)を読み終わりました 著者の奥田英朗はこのブログでも何度か紹介した傑作小説家です 1959年岐阜県生まれ.「最悪」「邪魔」「ララピポ」「サウスバウンド」「オリンピックの身代金」,直木賞を受賞した「空中ブランコ」.そして「マドンナ」と,この「ガール」.この「ガール」に至っては何と5月26日からロードショー公開だとか

表紙に騙されて買ってしまいましたが,途中まで読んで気が付きました・・・・・この本,たしか前に読んだことある 表紙が違うだけだ 拍子抜けだ

この本は「ヒロくん」,「マンション」,「ガール」,「ワーキング・マザー」,「ひと回り」の5つの短編からなりますが,いずれも30代の働く女性の微妙な心理を描いています 女性が読んだら「なんでこの奥田という人は女心を知り尽くしているの」と叫ぶに違いありません 嘘だと思ったら買って読んでみることです.とくに30代のあ・な・た ”思い当たるフシ”に思わず微苦笑しちゃいますから

この本を読んで思うのは,何歳まで「ガール」が通用するのか? また,このところはやりの「女子会」の女子って何歳まで”使用可能”なのか? ということです 昔は「バス・ガール」がいたけど,ワンマン・カーの今や死語だし,デパートにはまだ「エレベーター・ガール」がいるけど,この前「エレベーター・ボーイ」もいたぁ・・・・そういえば「ウォーター・ボーイズ」なんていう映画もあったな・・・・関係ないか・・・結論的に言えば,「ガール」はともかく「女子会」は年齢には関係ないような気がするなぁ そういうことにしておかないと関係各方面から袋叩きに合うような気がするなぁ

 

          

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101年の歳月が流れ~今日5月18日はマーラーの命日です♪

2012年05月18日 06時27分41秒 | 日記

18日(金).今日5月18日はグスタフ・マーラーの命日です.1911年,今からちょうど101年前の今日死去しました

マーラーは10年間務めてきたウィーン宮廷歌劇場の音楽監督を辞任し,1907年にアメリカに渡り,翌年メトロポリタン歌劇場の指揮者としてデビューします それ以来,音楽シーズンはニューヨークで指揮し,夏のオフ・シーズンはオーストリアの別荘に戻って作曲するという生活を送りました.そして,1911年2月ニューヨークで最後の指揮を行った後,心臓病の発作が激しくなり帰欧,パリで静養後ウィーンに戻り,5月の今日息を引き取りました

一昨年の2010年がマーラー生誕150年,昨年が没後100年と記念すべき年が続きました この2年間で国内のオーケストラはもちろんのこと,来日する海外のオーケストラも,マーラーの曲を交響曲中心に積極的に取り上げ,メモリアル・イヤーを盛り上げました

私のマーラー入門は,ラファエル・クーべリックのサンプラーレコードに集録されていた交響曲第5番の第4楽章「アダージェット」でした クーべリックがバイエルン放送交響楽団を指揮した演奏で1971年の録音です.何とも甘美なメロディーにハマってしまい,マーラーの愛弟子ブルーノ・ワルター,そしてレナード・バーンスタインを中心にLPで交響曲全集を揃えるようになりました.ワルターが比較的味気ない演奏なのに対して,バーンスタインは情熱的な演奏を展開します

CD時代になってからもマーラーを買い続け,現在約250枚のCDを所有していますが,ほとんどが交響曲です.例えば交響曲第5番をとってみると,順不同で次のような指揮者のCDを持っています

ブルーノ・ワルター,レナード・バーンスタイン,ラファエル・クーべリック,クラウディオ・アバド,ジョン・バルビローリ,クラウス・テンシュテット,ヤッシャ・ホーレンシュタイン,ジュゼッペ・シノーポリ,ヘルマン・シェルヘン,ヘルベルト・フォン・カラヤン,リーフ・セーゲルスタム,ディミトリ・ミトロプーロス,ハロルド・ハーバーマン,アントニ・ヴィット,アドリアン・リーパー・・・・・・・と,ここまでで何人でしょうか?

・・・・と言ったところで,ハタと気が付きました オットー・クレンペラーの指揮した第5番がない 第2番などはバイエルン放送管弦楽団,ニュー・フィルハーモニア管弦楽団,アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団の3種類も持っているのに・・・・・・どうもクレンペラーは第5番を録音していないようです.クレンペラーは同じ作曲家の曲でも演奏する曲を選びますからね.彼は第5番を”サロン・ミュージック”と批判していた,と ものの本で読みました

これまでマーラーの交響曲を生演奏で何回も聴いてきましたが,最も印象に残っているコンサートを挙げると2つあります 一つは昨年5月6日のブログに書いた1999年9月30日の新日本フィルによる「交響曲第1番」です.この時は指揮者が指揮台から転げ落ちました もう一つは昨年12月29日のブログに書いたN響による「交響曲第5番」です.この時は本番中,舞台上空を蝶々が飛んでいました もう2度とこうした経験はできないかもしれません

今日は、マーラーを偲んで彼の第9交響曲第4楽章「アダージョ」を聴いてから寝ようと思います 

 

〔下の写真は”マーラ―入門時代”によく聴いたレナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルによる交響曲第1番のLPジャケット〕

           

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今だからこそ観るべき映画~試写会で「道ー白磁の人ー」を観る

2012年05月17日 06時53分02秒 | 日記

17日(木)。昨日の日経朝刊「記者手帳」という小さなコラムに「参院に流れるJ-POP」という記事が載りました 何事か?と思って読んでみると、次のようなことが書かれていました。

「国会3階にある輿石幹事長の部屋に面した廊下に、時折、中島美嘉の曲が響く 似つかわしくない曲の正体は、会話がドア1枚を隔てた外に漏れないための苦肉の策 CDは女性職員からの借り物で、音楽は密談の最中の証しでもある」

そうか、音楽にはそういう利用方法もあるのか、と思わず唸ってしまいました それにしても、歌手の中島美嘉さんにしてみれば、音楽は聴いてほしいよねぇ ところで、中島美嘉さんってどんな曲歌っているの?

 

  閑話休題  

 

昨夕、記者クラブの試写会で高橋判明監督による「道ー白磁の人ー」を観ました クラブの試写会としては参加者が多い方で,映画の内容を反映してか,戦争経験年代の方々が圧倒的に多いようです

日本が韓国を併合してから4年後の1914年、23歳の日本人・浅川巧が京城(日本統治時代のソウル)に赴任した。彼は林業技師として朝鮮の山々に緑を戻す使命を抱いていた 日本人の多くが朝鮮人を蔑視し、日本の風習や価値観を押し付ける中、彼は朝鮮語を学び、白磁に代表される朝鮮の文化や工芸品の素晴らしさを見出した 職場の同僚イ・チョンリムと共に山を歩き山々に緑を取り戻す日々が続く。しかし,ある事件をきっかけにチョンリムは抗日運動の罪で投獄されてしまう 巧は心無い日本軍人に抵抗しながら植林の仕事を続けるが,やがて病に倒れる それでも,どうしても投獄されているイ・チョンリムに会いたいと,車椅子で刑務所に行き,彼に教わった朝鮮語で”ありがとう”を言う.そして家族が見守る中息を引き取る.彼の葬儀には多くの朝鮮人が駆け付けた.日本の敗戦,韓国の独立を迎え巧の願いはイ・チョンリムに引き継がれる

浅川巧に吉沢悠,イ・チョンリムにぺ・スビンという配役ですが,この映画の撮影をきっかけにこの二人は親友になったということです これについて高橋監督は「主役の二人が親友になったことが,この映画の最大の成果 それこそが浅川巧さんが望んだことでしょう」と語っています.当時の微妙な両国の関係の中で,純粋に(まるで白磁のように)生きた日本人がいたことに誇りを持ちたいと思いますさらに日本人と朝鮮人とがお互いに理解し合うとはどういうことなのか,ということをあらためて考えさせられました.今だからこそ,日朝間に横たわるいくつかの政治問題を解決するためにも,民間レベルでの文化活動・交流が大事だということを痛感しました

この映画は6月9日(土)から新宿三丁目の「バルト9」、有楽町の「スバル座」ほかで全国ロードショー公開されます。

 

          

 

  もう一度閑話休題  

午後8時過ぎに映画が終わってホッと一息つく暇もなく、HCビルに向かいました 終業間際にE部長から「クリニックのN院長先生と打ち合わせにつき,8時にHCビル地下Kに集合」という「ミッション・インポッシブル」が伝えられていました S監査役とE部長はIビル地下のベトナム料理屋で飲食して時間をつぶしてから参加,私は試写会を観てから参加ということで分かれました.ビール 日本酒 を飲みながらいくつかの懸案事項を話し合って10時少し前に解散しましたが,最近,飲むとすごく疲れます.そして今朝も頭痛が・・・・・・・男はつらいよ

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招待券をもらって萩原麻未を聴きに行こう!~新日鉄音楽賞・受賞記念コンサート

2012年05月16日 06時41分05秒 | 日記

16日(水).先日,久しぶりに渋谷のタワーレコードに行ってみました 13日に次いで,来週日曜日(27日)にウィーン・フォルクスオパーのレハール「メリー・ウィドウ」来日公演を観に行くのですが,全曲を収録したCDを持っていないので,予習用に買い求めるためです カラヤン盤,ガーディナー盤,ビーブル盤とありましたが,ウィーン・フォルクスオパーを振ったルドルフ・ビーブル盤を購入しました これは1982年6月17日,東京文化会館でのライブ録音です.面白いのはCDの日本語表記が「ウィーン国立フォルクスオーパー」となっていることです.CDの帯に「豪華キャストによる・・・・・」とありますが,例によって私は”豪華キャスト”の名前を一人も知りません 本番まであと10日以上あるので,じっくり予習しようと思っています

 

          

 

  閑話休題  

 

2010年の第65回ジュネーヴ国際コンクールの優勝者・萩原麻未が第22回新日鉄音楽賞を受賞(フレッシュ・アーティスト賞)したのに因んで,贈賞式・受賞記念コンサートが紀尾井ホールで開かれます7月9日(月)午後6時から開式,引き続きコンサートとのこと.全席招待です 私が推薦する一押しのピアニストが無料で聴けるチャンスです

プログラムは①ドビュッシー「前奏曲第1集から”西風の見たもの”,”亜麻色の髪の乙女”,”ミンストレル”ほか」,ショパン「ピアノ・ソナタ第3番」です

招待券を希望する場合は以下の手続きが必要です.

郵便はがきに①郵便番号・住所,②氏名(ふりがな),③電話番号,④希望枚数(2枚まで)を書いて下記の宛先に6月4日までに送ること.

〒102-094 東京都千代田区紀尾井町6番5号 紀尾井ホール内 新日鉄音楽賞運営事務局

申し込み多数の場合は抽選で,当選の発表は公演日の1週間前までに招待券を送るとのことです.ダメ元でハガキを送りましょう 私はこの日,このコンサートの予定を組んだので,招待券がもらえないと困るのです.関係者の皆さまよろしくお願いいたします

 

        

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短編より長編の方が面白いかな?~道尾秀介著「花と流れ星」を読む

2012年05月15日 06時52分57秒 | 日記

15日(火).昨日の朝日夕刊に,音楽評論家・長木誠司氏が5月9日にサントリーホールで開かれたポゴレリッチのピアノリサイタルのレビューを書いています

「ポゴレリッチの演奏会は,常にポゴレリッチを聴くためにある.演奏の向こう側にある作品や作曲家を堪能し,理解するためではない」,「速い遅いが問題なのではない.刻まれる,いや刻まれないでよどみ続けるだけの時間が重要なのだ」,「リストの”ピアノ・ソナタ”では・・・・・できることはあえてせずにおく信念に裏打ちされた,音楽のつくり方自体への裏切りの仕業で,それを支えるのは根源的な絶望である 頂点への直線的な運動や音楽的な物語の構築はすべて否定され,デフォルメされる.これが音楽か? ロマン主義の傑作か?」として,最後に「均整美を否定するアナクロな前衛主義なので,今さら何をとも思うが,そういう挑発を与えねばならないほどに,このピアニストの眼には現代の音楽の世界が窮屈に映っているのだろう」と結んでいます.

私はこの2日前の7日にポゴレリッチの演奏するショパンの「ピアノ協奏曲第1番」と「同第2番」を聴いたわけですが,コンチェルトに関する限り,これほど絶望的な批評の対象にはならなかったと言っても良いと思います コンチェルトは一人で演奏するわけではありませんので,”自己主張”にも自ずと限界があるでしょう にもかかわらず,あのコンチェルトは素晴らしかった

それに対してソロで弾く場合は,何の制約もないわけですからピアニストが弾きたいように弾くことができます 長木氏はポゴレリッチの演奏会は「演奏の向こう側にある作品や作曲家を堪能し,理解するためではない」と評していますが,正確に言えば,誰もショパンやリストの演奏を聴いたことがないのですから,作曲家の意図を本当に理解できた演奏がどういうものかは誰にも分からないはずです ”これが音楽か?”と言われようが,”均整美を否定するアナクロな前衛主義”と批判されようが,ポゴレリッチには”そのようにしか弾けない”のでしょう このレビューを見て,7日はトランペットの演奏会を捨ててポゴレリッチのリサイタルを聴くべきだったな,と後悔しました

 

          

 

  閑話休題  

 

道尾秀介著「花と流れ星」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 道尾秀介は1975年生まれ.「月と蟹」で直木賞を受賞した作家です

死んだ妻に会いたくて霊現象探究所を構える真備庄介(まきびしょうすけ)と,妻の妹で真備の助手・凛(りん),そしてホラー作家・道尾秀介(著者と同姓同名)の3人が活躍する”真備シリーズ”が始まったのは2004年に第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞した長編「背の眼」でした.その後06年には「骸の爪(むくろのつめ)」が刊行され,この作品が第3作目に当たる初の短編集です

「流れ星のつくり方」「モルグ街の奇術」「オディ&デコ」「箱の中の隼」「花と氷」の5編からなります.3人のもとに悩みを抱える人たちが訪れ,真備の推理でそれを解決していきます

私が一番面白かったのは「箱の中の隼」です.新興宗教の美人幹部・野枝ひかりが探究所を訪ね,教団本部を見学して欲しいと頼みます.多忙な真備の代わりに道尾が彼女の案内で教団本部の見学に行くことになりますが,そこで事件が起こります なぜ彼女は見学に誘ったのか,最後にその理由が明らかになります

「花と氷」は,自分のせいで孫を亡くした老人を巡る話ですが,ストーリーにちょっとムリがあるのではないかと感じました.道尾秀介の場合は,「背の眼」や「骸の爪」のような長編小説の方が圧倒的に面白いと思います

 

          

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ウィーン情緒たっぷり~ウィーン・フォルクスオパ―のJ.シュトラウス「こうもり」を観る

2012年05月14日 06時47分56秒 | 日記

14日(月)。昨日、東京文化会館でウィーン・フォルクスオパー来日公演、J.シュトラウスⅡ世のオペレッタ「こうもり」を観ました キャストはアイゼンシュタインにセバスティアン・ラインターラー,ロザリンデにエリーザべト・フレヒル,アデーレにベアーテ・リッター,イーダにマルティナ・ドラーク,ファルケ博士にダニエル・シュムッツハルト,オルロフスキー侯爵にアレクサンドラ・クル―ゼ、アルフレートにヴィンセント・シルマッハー、イワンにハインツ・フィッカ,フランクにクルト・シュライプマイヤ―、フロッシュにロベルト・マイヤー,ブりント博士にロマン・マルティンです と,名前を連ねてみましたが,私はただの一人も知りません

演奏はウィーン・フォルクスオパー管弦楽団、同合唱団、ウィーン国立バレエ団で、指揮はアルフレート・エシュヴェ,演出はエンハインツ・ツェドニクです。舞台設定からして極めてオーソドックスな演出です

会場ロビーでプログラムを買いました.予想通り1冊2,000円です 立派な装丁で写真もふんだんに載っているので,まあ2,000円も仕方ないか,と思いますが,やっぱり高いな

自席は1階25列19番で,後方ながらほぼ会場の中央の席.会場はほぼ満席です.エシュヴェの指揮で軽快な序曲が始まります

最初に女中のアデーレ役のベアーテ・リッターが登場しますが,彼女は当初姉のイーダを歌う予定だったのが,アデーレ役を歌う予定のボブロが出演できなくなったため”配役変更”となったものです.このリッターが,歌といい演技といい素晴らしいのです

次いでロザリンデ役のエリーザベト・フレヒルが登場しますが,歌はもちろんのこと,コミカルな動きが素晴らしく,まさに”喜歌劇こうもり”に相応しいヒロインを演じていました.とくに第2幕で歌うチャルダーシュ「ふるさとの調べよ」は感動的でした

アイゼンシュタイン役のセバスチャン・ラインターラーは,ファルケ博士のしかけた罠にはまる役柄を楽しく演じ,歌いました

特筆すべきはオルロフスキー公爵を歌ったアルクサンドラ・クルーゼの存在感でしょう.ダイナミックな公爵役を見事に演じていました

そして,フロッシュを歌ったロベルト・マイヤー 彼は2007年9月からウィーン・フォルクスオパーの監督の地位にあります.監督自ら出演し,酔っぱらいの看守役を務めます.並みの歌手では務まらない高度な演技力が求められますが,彼はウィーン国立歌劇場でも歌った経験を生かして,見事に酔っぱらいフロッシュを演じ,観客の笑いを誘っていました

もう一つ感激したのはウィーン国立バレエ団によるバレエです これまで,ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートのテレビ映像でしか観たことのないウィーン国立バレエ団によるバレエを生で観ることができました 第2幕のオルロフスキー公爵邸の豪華な広場で,「ピチカート・ポルカ」に合わせて男女10人ずつで踊るのですが,実に美しく思わず見とれてしまいます イーダ役のドラークもバレエ団に混じって踊るのですが,これがすごく上手なのです.観る限りバレエの経験があると思われる軽やかな身のこなしです

2回目の登場は同じ第2幕で,ポルカ「雷鳴と電光」に合わせて踊ります.こういう美しいバレエを観るとウィーンに憧れてしまいます ウィーン国立歌劇場かウィーン・フォルクスオパーで観てみたい

ところで,かつて何回か観たことのある新国立オペラによる「こうもり」公演と比べて,決定的に違うと感じたのは言葉の違いです.このオペレッタはセリフの部分が多くドイツ語で上演されるのですが,歌っているときはそれほど違いを感じないものの,セリフの部分になると途端にその違いが明らかになります多くの歌手がドイツ・オーストラリア出身ということもあり,この日の公演はウィーン情緒たっぷりの公演だったと言えます 前述のとおり,私はこの日の出演者を一人も知りませんが,一人一人が歌も演技も素晴らしく,実に感動的でした いかにウィーン・フォルクスオパーの水準が高いかを見せつけられた公演でした

 

          

  

  閑話休題  

 

私の右隣りの男性が,歌手の歌が終わるたびに低い声で「ボー」と声を上げるのです どこかで聞き覚えのある声だ,と思って考えたら,東京交響楽団のサントリーホール定期公演の自席の後ろの席で低い声で「ボー」と叫んでいる人と同じ声であることがわかりました この人の声援は「ブラボー」が「ボー」に聞こえるのです.もっとも男性だから「ブラ」を外してもいいわけか,と一人納得したりして・・・・・声の質からもっと高齢の太った人かと想像していましたが,普通の中年男性でした いつか,別のコンサートでもこの人の声を近くで聞きました.ひょっとすると,同じ神保町の三省堂内のチケットぴあでチケットを買っているのかも知れません.これからは別のプレイガイドで買おうかな・・・・・・・いや,別に嫌ではないのですが・・・・・何となく,ね

 

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ブラボー!デセイ&ホヴォロストフスキー~METライブビューイングで「ラ・トラヴィアータ」を観る

2012年05月13日 06時56分50秒 | 日記

13日(日)。昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイングヴェルディ「椿姫」を観ました キャストは、ヴィオレッタ・ヴァレリー(椿姫)にナタリー・デセイ(ソプラノ)、アルフレート・ジェルモンにマシュー・ボレンザー二(テノール)、ジョルジュ・ジェルモンにディミトリ・ホヴォロストフスキー(バリトン)ほかです 指揮はファビオ・ルイ―ジ、演出はヴィリー・デッカーです。これは今年4月14日に米メトロポリタン歌劇場で上演されたオペラの実況録画です。自席はL列10番,センターブロック通路側です

「ラ・トラヴィアータ」は「道を外れた女」を意味しますが,ヒロインのヴィオレッタが椿の花を愛することから,日本では「椿姫」というタイトルが付けられています デッカーの演出は19世紀半ばのパリの舞台を現代に置き換えて,極めてシンプルな舞台づくりをしています.第1幕から第3幕まで舞台転換はなく,右サイドに大きな時計が設置されていて,第2幕で5台のソファーが運ばれてくるくらいです

第1幕のパリのヴィオレッタのサロンのシーンでコーラスが出てくるのですが,全員が黒服を着た男性です.しかし,声は男女混合です.あれ?と思って目を凝らして画面をよく見ると,半数は女性が男装していることがわかります このシーンは通常,華やかさを演出するため着飾った男女を登場させるのが常識ですが,デッカーの演出ではヒロインのヴィオレッタだけが”女”として浮き彫りにされます

もう一つ第1幕で気が付くのは,だれか知らない紳士が黒いコートを着て舞台袖に立っているのです.まるでヴィオレッタの近い将来の運命を知っているがごとく,何も言わず”存在”しています 彼のことは多分,ヴィオレッタにしか見えない,という演出です.彼は第2幕,第3幕でも登場しますが,その正体は最後の第3幕終盤で判明します

ヒロインのヴィオレッタを歌うナタリー・デセイは,METオペラを代表するソプラノです.彼女の場合,このヴィオレッタのような悲劇のヒロインを演じて歌っても,プッチーニ「連帯の娘」のマリーのような喜劇のヒロインを演じて歌っても,これ以上ないような素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます 幕間のインタビューでデセイは「この公演では演出家のデッカーから事細かな演技の指示が出された」と言っていましたが,”歌う女優”ナタリー・デセイは見事に応えて演じ切りました

アルフレード・ジェルモン(ヴィオレッタの恋人)を歌ったマシュー・ボレンザー二は初めて聴く若い歌手ですが,終始伸びのあるテノールを聴かせてくれました

特筆すべきはジョルジュ・ジェルモン(アルフレードの父親)を歌うディミトリ・ホヴォロストフスキーですいまやMETオペラの看板バリトンと言っても過言ではないでしょう.とにかく銀髪でかっこいいのに加え,声がほれぼれするほど素晴らしいのです これまで何回かラ・トラヴィアータを観てきましたが,これほど”強い”ジョルジュ・ジェルモンを聴いたのは初めてです.もっと「控えめで大人しい」というのがジョルジュのイメージだったのですが,ホヴォロストフスキーのジョルジュは”何が何でも息子を高級娼婦=ヴィオレッタから救い出すのだ”という意志と行動に溢れていました

昨年6月のMETオペラ来日公演でのヴェルディ「ドン・カルロ」のロドリーゴを歌った彼のバリトンが忘れられません.べらぼーにうまかったし,かっこよかった

第3幕終盤でヴィオレッタが最後を迎えるシーンで,第1幕~第2幕で登場した黒いコートの紳士は,女中のアンニーナに”ヴィオレッタは結核の末期状態にある”と伝える医師グランヴィルであることが判明します つまりデッカーの演出では,ヴォオレッタの運命を知る唯一の存在,医師グランヴィルを最初から登場させ,将来の彼女の運命を予告しようとしたのです

私は時代設定を別の時代に置き換えて演出するのはあまり好ましいことだとは思っていません しかし,今回のデッカーの現代版ラ・トラヴィアータは説得力があり,それほど違和感はありませんでした.要は作品自体が優れているので,歌って演技できる歌手が3人揃えば演出に左右されることはないのかも知れません

この公演,休憩1回(14分)と歌手へのインタビュー等を含めた上映時間は2時間46分です.5月18日(金)まで,「新宿ピカデリー」では午前10時からの1回,東銀座の「東劇」では午前11時から,15時から,19時からの3回上映されます.入場料は3,500円です.初めてこのオペラをご覧になる方へは積極的にはお薦めしません(演出が特異)が,2回目以上の方には是非ご覧いただくようお薦めします

 

          

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ヴィルデ・フラング(Vn)ドタキャン!~東響オペラシティ第67回定期演奏会を聴く

2012年05月12日 06時54分17秒 | 日記

12日(土)。昨夕,仕事の反省会と称してHCビル地下のKで、S監査役、E部長、T君、K君(つまりいつものメンバー)と飲みました ただし、私は7時から初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団のオペラシティシリーズ第67回定期演奏会があるので,30分だけという約束です プログラムは①シベリウス「フィンランディア」、②ニールセン「ヴァイオリン協奏曲」、③シベリウス「交響曲第1番ホ短調」の3曲。指揮はフィンランド生まれのサンツトゥ=マティアス・ロウヴァリ、ヴァイオリン独奏はノルウェー生まれのヴィルデ・フラングです

5時半終業予定が,仕事の打ち合わせが伸びたため,他のメンバーに加わったのは5時50分になってしまいました ”これでは10分しか飲んでいる時間がない”と思い,エイヤッと決断して1曲目の「フィンランディア」を諦めることにしました お店ではビールと日本酒を飲みましたが,私だけ”仕上げ蕎麦”を先に用意してもらいました.飲みながら,2曲目の開始時刻を7時20分と予測,そこから逆算して6時40分にお店を出ました      

会場に着いたのは7時15分,計算どおり1曲目の演奏が残り5分位のところでした.「さて,これで2曲目から聴けるぞ」と思っていたら,アテンダントの女性から「本日,ヴァイオリン協奏曲を演奏する予定だったフラングは,体調不良により演奏できなくなりました.10分間の休憩後,交響曲を演奏します.ご希望の方には払い戻しをします」と言われました  この日はフラングを聴きたくて緻密な時間調整をして急いで来たのにガックリです

 

          

              〔5月号のプログラムの表紙はグスタフ・クリムトの

               アッタ―湖畔の山番小屋,ヴァイセンバッハ〕

 

10分間の休憩時間の間に気を取り直して,シベリウス「交響曲第1番ホ短調」を聴きました この曲は1899年4月26日にヘルシンキで初演されて大成功を収め,シベリウスの名前を世界に轟かせることになりました.短調特有の悲しみを湛えた,なぜか日本人に親しみやすい曲です 27歳のマティアス・ロウヴァリは,情熱的に若々しい音楽づくりを見せ,東響から豊かな音楽を引き出していました

アンコールにこの交響曲の第3楽章「スケルツォ」をもう1度演奏,さかんな拍手とブラボーを受けていました.

帰りがけに,払い戻しの手続きのためロビーに設置された受付デスクに寄って,住所,氏名,連絡先を書いた紙をチケットの半券とともに楽団の人に渡しました.楽団にとっても聴衆にとっても不本意ですが,しかたありません 楽団事務局の話を漏れ聞くところによると,フラングは30分前に「演奏できない」と言ってきたそうです.ということは,会場あるいは会場近くまでは来ていたということです.こういうことがあると,事務局の人は大変だろうな,と同情します.”うまくいって当たり前”の世界ですから

 

          

          (それにしても,もっと綺麗に撮れないのかよ,そのケータイ?)

 

 

 

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