大きな街の小さな駐車場の一角に、クーとルーというシロクロの子猫が住んでいました。2匹は兄弟。元気いっぱいのお兄さん猫のクー、おとなしくてちょっぴり気弱な弟のルー。クーはルーが大好き、ルーはクーが大好き。
お母さんは2週間ほど前にクルマに轢かれて死んでしまいました。でも、2匹はお互い力を合わせて生きていました。
ある日、2匹は地域のエサやりさんから、おいしそうなサンマを1尾いただきました。
とってもお腹がすいていた2匹は先を争って食べ始めます。最後に頭が残ったとき、お兄さん猫のクーがいいました。
「この間は、上等なキャットフードをもらったときはルーにちょっぴり多めにあげたから、今日のサンマの頭は僕がもらうよ」
「ずるいよ! クー兄さん。多めっていってもほんのちょっとだけだったじゃないか。サンマの頭とはつりあわないよ」
「いいじゃないか。ケチだな!」
「ケチなのはクー兄さんだろ!」
などといい争いしているうちに、ケンカに発展。
「ふん、もうルーのことなんか知るもんか! 僕は一人で生きていく!」
「ふん、僕だってクー兄さんのことなんか知るもんか! 自分でもっといいところに縄張りを見つけて一人で生きていくよ!」
2匹はまだ残ったサンマの頭をそのままにして、パッと反対方向に走り去ってしまいました。
「一人で生きていく…」といっても、クーもルーもまだ子猫。しかもお母さんもいませんから、そんなに簡単に地域の中で生き抜いていくことはできません。結局、2匹は同じ町内の同じ一角でうろうろしています。
とっても仲良しの2匹ですが、以前にもケンカをしたことがあります。でも翌日には、何事もなかったかのように仲良く並んでごはんを食べていました。今回もそんな他愛のないケンカになるはずでした。
しかし、お兄さん猫のクーは本当にいなくなってしまいました。
「もっといいところに縄張りを見つけて…」なんていってしまった手前、ルーはちょっぴりバツが悪く、翌日、そーっと様子を覗きに行きましたがクーの姿がありません。
「どこに行ったんだろう?」
ルーはいつも2匹でいた駐車場の一角でクーを待ち続けました。でも、クーは帰ってきませんでした。翌日、心配になって他の猫たちに尋ねてみましたが、どの猫からも「わからない」という返事しかかえって来ませんでした。
「僕があのとき、素直にサンマの頭をあげていれば、クー兄さんはいなくならなかったんだ…」
ルーは、とっても後悔しています。
結局1週間経っても、クーは帰ってきませんでした。
周りの猫たちは「クルマに轢かれたんじゃないか」「いや、いや保健所に連れて行かれたんだよ」などと噂しあっています。
ルーは、そんな噂を聞くと、とっても不安になります。
そして、心配で眠れない夜に決心しました。
「明日、クー兄さんを探しに行こう」
ルーは、クーの帰りをじっと待っていることに耐えられなくなっていました。
お母さんは2週間ほど前にクルマに轢かれて死んでしまいました。でも、2匹はお互い力を合わせて生きていました。
ある日、2匹は地域のエサやりさんから、おいしそうなサンマを1尾いただきました。
とってもお腹がすいていた2匹は先を争って食べ始めます。最後に頭が残ったとき、お兄さん猫のクーがいいました。
「この間は、上等なキャットフードをもらったときはルーにちょっぴり多めにあげたから、今日のサンマの頭は僕がもらうよ」
「ずるいよ! クー兄さん。多めっていってもほんのちょっとだけだったじゃないか。サンマの頭とはつりあわないよ」
「いいじゃないか。ケチだな!」
「ケチなのはクー兄さんだろ!」
などといい争いしているうちに、ケンカに発展。
「ふん、もうルーのことなんか知るもんか! 僕は一人で生きていく!」
「ふん、僕だってクー兄さんのことなんか知るもんか! 自分でもっといいところに縄張りを見つけて一人で生きていくよ!」
2匹はまだ残ったサンマの頭をそのままにして、パッと反対方向に走り去ってしまいました。
「一人で生きていく…」といっても、クーもルーもまだ子猫。しかもお母さんもいませんから、そんなに簡単に地域の中で生き抜いていくことはできません。結局、2匹は同じ町内の同じ一角でうろうろしています。
とっても仲良しの2匹ですが、以前にもケンカをしたことがあります。でも翌日には、何事もなかったかのように仲良く並んでごはんを食べていました。今回もそんな他愛のないケンカになるはずでした。
しかし、お兄さん猫のクーは本当にいなくなってしまいました。
「もっといいところに縄張りを見つけて…」なんていってしまった手前、ルーはちょっぴりバツが悪く、翌日、そーっと様子を覗きに行きましたがクーの姿がありません。
「どこに行ったんだろう?」
ルーはいつも2匹でいた駐車場の一角でクーを待ち続けました。でも、クーは帰ってきませんでした。翌日、心配になって他の猫たちに尋ねてみましたが、どの猫からも「わからない」という返事しかかえって来ませんでした。
「僕があのとき、素直にサンマの頭をあげていれば、クー兄さんはいなくならなかったんだ…」
ルーは、とっても後悔しています。
結局1週間経っても、クーは帰ってきませんでした。
周りの猫たちは「クルマに轢かれたんじゃないか」「いや、いや保健所に連れて行かれたんだよ」などと噂しあっています。
ルーは、そんな噂を聞くと、とっても不安になります。
そして、心配で眠れない夜に決心しました。
「明日、クー兄さんを探しに行こう」
ルーは、クーの帰りをじっと待っていることに耐えられなくなっていました。