愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

ごはん

2006年03月16日 | 西子
 以前からお伝えしているように、西子は腎臓が悪く、しかも犬歯が1本。今回は、こんなメンドーな西子の「ごはん」のお話です。
 拾ってきた当初は、早く信頼関係を気づきたかったので、どんな食べ物が好きかを模索。結構、上等な猫缶とか与えてました。西子は舌が肥えているようで高価な猫缶にはしっかり反応。まさに「食いつきが違う!」って感じで食べてました。通称「カリカリ」と呼ばれるドライのキャットフードも与えてみましたが、一向に食べる気配なし。「なんだよぉー地域猫だったくせに贅沢なヤツだなぁ」などと思っていました。しかし、その後、病院で犬歯が2本しかないことが判明。「たしかに歯がなければカリカリは食べづらいよなぁ」と思い、一時は猫缶ばかり与えていました。
 僕はそこそこ料理好きなので、ふやかした腎臓食用のカリカリに、なぜか食べようとしない猫草を細かく切ったものと、少しだけ煮て塩分を抜いたちくわなどを入れた手料理も作ってみました。僕なりに西子の好み、栄養バランスや腎臓を気遣って、一所懸命に作りましたが一口も食べず。「他の食べたーい」とばかりに鳴き叫んでいる西子を見て以来、手料理は作っておりません。
 腎臓が悪いと指摘された当初は通常の安売りの猫缶と腎臓食用の猫缶を併用。しかし、これも以前書きましたが、猫用の腎臓食は、猫缶なら1缶100円を下回るものはなく、カリカリなら1袋500グラムで1000円を下回るものはありません。このため、薄給の僕にはそれなりの負担です。さらに、猫缶はナマですから、その日に食べる分はその日に出さないと腐ってしまいます。ということは…西子がいる限り外泊は無理?? 「西子ぉー、厳しすぎるぞー」って思っていました。
 その後、杉並区阿佐ヶ谷に引っ越してから『猫の病院』で、腎臓食のみの食生活を勧められたので、先生に相談したところ「猫って人間みたいに噛み砕いて食べるわけではなくて丸呑みなのよ。ドライでも大丈夫じゃないかしら?」とのこと。「でも、好みもあるしなぁ…」と不安でしたが、病院にある腎臓食用の全3種類のカリカリを購入。祈るような気持ちであげてみました。
 すると…なぜか結構、喜んで食べるんですよー。3種類すべて食べますが、その中でも粒の小さいヒルズというメーカーの「k/d」が最近の西子のお気に入り。でも、西子は歯がないので、通称で使われている「カリカリ」って音は出せません。変わりにキャットフードが皿の中を転がるときに出る「カタカタ」って音を立てて食べています。「そっかー、西子的には『カリカリ』じゃなくて『カタカタ』かぁ。いちいち新たな発見をさせてくれる猫だなぁ」などと感心をする僕。でも、西子がカタカタを食べるようになったおかげで、経済的負担も和らぎ、かつ、外泊も可能になったのです。
 こうしてカタカタのおいしさに目覚めた西子ですが、今度はなぜか猫缶を拒否。カタカタだけでは飽きるのではないと心配して、たまに猫缶も上げるのですが、まったく食べようとしません。僕も意地になって放置しますが、翌日には表面が乾き始め、2日目には乾燥がさらに進み…って感じで、特に夏は異臭を放ち始めます。西子は「これは食べたくないのぉー」とばかりに、猫缶を出した途端に激しく鳴きます。空腹の度合いに比例し、鳴きかたは激しさを増していきますから刻一刻とうるささが増し、「くさい」「うるさい」で結局は根負け。お気に入りのカタカタを出すハメに。
 最近では、こうした西子の態度は、僕の負担を軽減するための優しさだって、勝手に思い込んで平和な気持ちに浸って、カタカタばかり与えています。
※今回の写真は僕の足を舐める西子。理由はわかりませんが、決して空腹だからではありません。念のため…。
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寝るときは一緒!

2006年03月15日 | 西子
 杉並区阿佐ヶ谷に引っ越してきてからしばらくすると、西子の夜鳴きもだいぶ収まってきました。そのせいもあって、西子と一緒に寝るようになりました。
 暑い夏の日には、僕のわき腹あたりにテキトーに伸びて寝る西子ですが、たまにお腹の上で寝ようとします。いくら身体の小さい西子とはいえ、長時間乗っかられていると重いし、何よりも暑い。その都度、下ろしてわき腹にあたりに移すのですが、懲りずに何度か繰り返します。そのうち「じゃあ、これならいい?」とばかりに、上半身だけお腹に乗せて寝ようと試みます。でも、やっぱり重いし、暑い…。結局、ポジションをチェンジされる西子。これを何度か繰り返すと「ケチ~」とでもいうように、一鳴き二鳴きしてから、あきらめたように僕が指定した場所に収まって寝ます。布団に入ってから、西子とこんな攻防を繰り返しているもんですから、なかなか寝付けません。
 やっとの思いで眠るのですが、朝、寝返りを打つと、顔に何やら触れています。西子ったら、なぜかポジションを僕の顔のすぐ横に移動。西子の身体にやや汗ばんだ僕の顔が触れます。しかも、テキトーに伸びてますから、ばっちり顔全体が触れるんです。顔中に西子の毛がまとわりついて、うっとうしいことこの上ありません。「こんな不快な起こされ方は嫌だー。わざわざ顔の横で寝るなー」と毎朝のように西子に文句言ったのですが、結局、聞き入れてもらえませんでした。
 でも、冬になるとはちょっと様子が変わりました。猫ベッドに設置している電気アンカを切り、部屋の電気を消してしばらくすると、ごそごそ起きだして耳元で大きな声で「あおーん」とか鳴き始めます。僕が布団をちょっと上げると、中に入ってきて腕枕でゴロゴロ言いながら寝ます。その様子は、とってもかわいい!(飼い主が言うのもなんですが…)「西子がいて良かった」って思う瞬間です。でも、それもほんの一瞬…。人がいい感じで眠りにつこうとしているときに、ごそごそ布団から這い出して耳元で「あおーん」と繰り返すことがしばしば。「なんだよぉー。なんか問題あるのかぁー」と言って布団を上げると、出る前にいた位置に収まって腕枕でゴロゴロ言いながら寝始めます。
 「なんだよ、今の行動は?? 私より先に寝るなってことかぁ。猫心は女心以上にわからんなぁ」
 などと思いつつ、腕の中の西子の寝顔を見つつ眠りにつくのでした。
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悲劇の冷え冷えマット

2006年03月14日 | 西子
 西子を連れてきてから、多種多様なネコグッズを購入しました。
 猫用のトイレやお皿を除き、一番初めに買ったのは、写真にも多く出ている猫ベッド。ファー付きでなかなか上等なものです。これは、西子の大のお気に入り。西子は家から一歩も外に出ない完全家猫ですから、夏場の暑い日を除けば、1日の大半をこのベッドの中で過ごしています。
 寒い日は、猫ベッドに電気アンカを投入。僕の留守中は、低めの温度でつけっ放しにしてありますから、ここから出るのは遊ぶときとご飯のときと膝にのるときくらい。最近では僕が帰っても、猫ベッドから出ずに「にゃおーん、あおーん」とお帰りの挨拶をする始末。何だか、コタツから出ないで間延びした声で「おかえり~」とかいってる古女房みたいでちょっとゲンナリです。
 最近のように寒いときは、1日の大半をお気に入りの猫ベッドで電気アンカとともに過ごす西子ですが、夏場はさすがにファー付きのベッドではくつろげません。普通、猫って暑いときはフローリングとか冷たい場所を狙って寝るはずなのに、なぜか西子は畳の上でグデーッとしていました。どうもフローリングでは十分くつろげない様子。特に、昨年の夏はとっても暑かった。こうなると、しかたありません。僕の留守中は西子のために冷房。「えーっ」と思う方もいるかもしれませんが、これって猫を飼っている人は、結構やってます。でも、あまり強めの冷房は身体によくありませんから、温度はやや高め。それでも、やや夏バテ気味って感じでした。
 そこで、さらに西子が快適に過ごせるグッズを購入しよう! と意気込んでペットショップへ。いろいろみているとアルミ製の「冷え冷えマット」を発見。熱を奪うなかなか優れものです。しかし5000円を超える値段に怯む僕。冷え冷えマットの前を何度も行ったり来たり、手に取ったりしてました。最後は「西子も腎臓食ばかりでつらい思いをしているだろうしなぁ。ボーナスも出たしなぁ。ここはひとつ奮発するか」と思い切って購入。「これで西子は暑い夏を快適に過ごせるぜぃ」喜び勇んで、いつも西子がグデーとしている辺りに設置してみました。
 ところが…せっかく買った冷え冷えマットなのに乗っかってくれないんです。場所が悪いのかと思って、部屋中のいたるところに置き場所を変えて見ましたがやっぱりダメ。わざわざ乗っけてもすぐに出て畳でグデー。「高かったんだぞー」という声がむなしく響く中、やっぱり畳でグデーッとする西子。
 あんまりくやしいから、使わないのはわかっていましたが、夏の間は置きっぱなしにしておきました。
 今年の夏も出してやるぜい!
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霊感なし??

2006年03月13日 | 西子
 突然ですが、猫って何もないところをジーっと見つめているときってありません?
 猫好きと話をすると、
 ①猫には霊感があって、人間には見えないもの(例えば幽霊)などが見えている
 ②何となく意味なくジッとしていたいだけ
 ③壁のシミなどが気になって見つめている
 などなど、いろ~んなご意見があります。
 僕は断然①の支持者。猫には不思議な力があるって信じています。
 ところで、うちの西子。拾ってきた当初は、たまに壁をジーっと見つめていることがありました。
 しかし、阿佐ヶ谷に引っ越してきてからは、ほとんどこの「ジーっ」とはしなくなってしまいました。
 ①の支持者である僕はちょっとがっかり。
 「やっぱりうちの西子って霊感ないのかな?」
 などと思っていた夏のある日。いつもならうるさい西子が黙ったまま、きちんとお座りをして壁をジーっと見つめています。
 (おっ、これは、うちの西子もついに霊感に目覚めたか!)
 と思い、西子が見ている壁に視線を向けると、黒々とした大きなゴキブリが…。
 西子を見ると、だんだんゴキちゃんに飛び掛ろうとする体勢に。
 「やめてくれー、そんなもんにジャレるなよぉ」
 叫びながら間一髪で抱き上げてゴキちゃんを追い払う僕。その場はなんとか事なきを得ましたが、今後、僕の留守中に同じようなことが起こらないとも限りません。翌日早速、ゴキブリ駆除のアイテムを求め薬局へ。
 「ゴキブリホイホイだと、西子が引っかかって、ニャンコホイホイ状態になって困るしなぁ。しかも、ゴキちゃんと西子が一緒にひとつのホイホイに引っかかったりしたらかなり悲しい…」
 などと考えて選んだのが3センチ四方ほどの小さい透明なケースに駆除剤の入ったゴキンジャム。(効くかなぁ)と疑いつつも部屋の各所に設置しましたが、効果は絶大。すっかりゴキちゃんの姿は見なくなりました。同時に、西子の「ジーっと」も消滅。やっぱり西子って霊感なし??
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嫌いなこと

2006年03月12日 | 西子
 僕のブログに度々ご登場をいただいているCねえさんが、以前ご自身のブログで爪が大嫌いな猫に、爪きり終了後にパブロフの条件付けのごとく必ずご褒美に好物を一品あげることを数ヶ月続けたら、爪切りを嫌がらなくなったというお話を書いていました。
 実は、うちの西子もかなりの爪切り嫌い。爪を切ろうとして膝に乗せて足を取ると「ちょっと、やめてよぉー」という感じで、引っ込めようとし、脱走を試みます。西子は、大きい鳴き声に反して、体重2.5キロほどと小さくて非力ですから、毎回力づくでねじ伏せながら切っています。このため、西子の爪切りは毎回かなりの精神的・肉体的な苦痛を伴います。面倒なので、爪が伸びたのを承知で放置することもしばしばなのですが、何しろ西子は膝フェチ。爪が伸びていると膝に乗られるたびにとっても痛い。では、西子にもパブロフの条件付けを…とも思ったのですが、これまた厄介なことに西子は腎臓が悪く、食事は腎臓食に限定。たまにはおいしいものを…とも思うのですが、ヘタにおいしいものをあげると、おそらくおいしくないであろう腎臓食を食べなくなるおそれもあるしなぁ。思案を続けるも未だ打開策が見つからず、です。
 さらに、西子はブラッシングも嫌い。猫用のブラシを買ってきてブラッシングしたのですが、その間、全身を硬直させてとっても居心地を悪そうにした挙句、逃走。それでは、と思いブラシの形をした洋服のほこりを取る道具を100円ショップで購入し、試して見ましたが結果は同じ。その後、猫用のブラシは日の目を見ることなく、仕舞われたまま(高かったのにぃー)。毛が生え変わる時期に部屋中に西子の毛が浮遊していようと、毛玉を吐こうが、ブラッシングはあきらめています。
 さらにさらに、目やに取りも嫌い。西子は顔洗いが苦手なのか、毎日ほぼ例外なく黒々とした大きな目やにをつけています。以前は、ティッシュで取ろうとしましたが、近づけると逃げるので、最近は手で取っていますが、取ろうとするとやはり「ちょっと、やめてよぉー」という感じで、前足で僕の手を払いのけようとします。悪戦苦闘して取った目やにを西子に見せ「こんなでっかい目やにつけてたらいい女が台無しだぞぉー」などといってみるのですが、くんくんと何度か目やにのにおいをかいで、その後は何事もなかったかのように過ごしています。他の猫もこんなものかと思い、猫をテーマにしたブログをいくつかあたってもみると、目やに取りが好きな猫が圧倒的多数の様相。む~ん、困ったもんだ。
 何で、人間と生活するために必要な世話ばかり嫌がるんだぁーと思いつつも、膝の上で丸くなっている西子を見ると(まっいっか)と思ってしまうのでした。
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お行儀いい?

2006年03月11日 | 西子
 年がら年中大きな声で鳴いて、腎臓が悪くて、犬歯が1本、とかなり面倒な西子ですが、実は結構お行儀はいいんです。
 例えば、人間の食べ物をほしがってちゃぶ台(部屋が狭いので小さいのをおいています)に乗っかたり、鳴き叫んで食事を邪魔するようなことは決してしません。以前、マグロの刺身に興味を示して、ちゃぶ台に前足を乗せてクンクンしたことはありましたが、「西子ぉー、ダメぇー」って間延びした声で一度注意したら二度としませんでした。唯一、アジの開きを焼いていたときは、それなりに鳴いてはいましたが、そのときもやっぱり「西子ぉー、ダメぇー」って間延びした声で注意したらだいぶおとなしくなりました。
 このほかにも、電気コードにジャレたり、トイレ以外で粗相をしたり、高いところに乗っていたずらしたり…なんてことは一度もなし。(う~ん、これでおとなしければパーフェクトなんだが…)って思っちゃうくらいです。
 一番、感心したのは洗濯物。取り込んだ洗濯物を部屋の隅に山積みして放置していても、ちゃーんと除けて歩きます。お気に入りのボールで遊んでいるときでさえ、ちゃーんと除けるんです。これに気づいたときには、感動しましたねぇ。つい洗濯物を取り込んだまま放置しがちになってしまう僕にとって、これはとってもありがたい。
 でも、素直に喜べない「事件」が起こりました。
 その日、僕はやっぱり取り込んだ洗濯物を部屋に山積みして、うつぶせになって本を読んでいました。西子が洗濯物を除けて歩くことはすでに承知していましたから、安心してのーんびりした気分で読書を楽しんでいました。しばらくすると、それまで猫ベッドで寝ていた西子は、おもむろに起き上がり、ゆっくりと移動を開始。いつものように洗濯物を除けるのを確認した次の瞬間、うつぶせで寝ていた僕の腰、背骨と尾てい骨の継ぎ目辺りをしっかりと西子の肉球が踏みつけていきました。しかも、前足と後ろ足の両方で。うつぶせのまましばしボーゼンとしていた僕を尻目に、西子は何事もなかったかのように水を飲んで、満足気に戻ってきます。
 「ちょっとー西子! 今のはひどいんじゃないのー」
といってはみましたが、当の西子は「なんかあったの? あたしなんか悪いことした?」って感じ。どうやら、何が問題かを西子に理解させるのはかなり難しい様子。
 「西子にとっては、僕よりも洗濯物のほうが大事なのかぁー」と思いつつ、寝ている僕を除けてもらえる方法をいろいろ考えてみましたが…未だに見つからず、相変わらず踏みつけにされること、しばしばです。

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出張

2006年03月10日 | 西子
 西子との生活を始めて僕自身の一番の変化は、泊まりでのお出かけが少なくなったこと。外泊が必要なときでも、できるだけ一泊ですませるようにして、可能であれば24時間未満で家に帰るようにしていました。
 そんなある日、泊りがけで関西方面に出張へ行くことになってしまいました。僕は、宿泊を伴う出張の機会はそれほど多くありません。せっかくの機会なので、ちょっと遊びにも行きたいし…。というわけで予定を調整していたら3泊4日に。こんなに長い期間、西子と離れるのは初めて。とっても不安です。
 いつものようにネコゴトに関する不安は、Cねえさんに相談。すると、「大丈夫よ~猫なんて寝てるか、遊んでるか、食べてるか、なんだから~。もう親バカ(?)だなぁ」とのこと。しかし、なんといっても西子は膝フェチ。膝無しで過ごすことができるだろうか? 「そんなに心配ならペットホテルに預けたら?」とCねえさん。しかし、西子は避妊手術で入院したときに食べ物を口にしなかった前科を持っていますから、そんなかわいそうなこと&カネのかかることはしたくありません。「3泊くらいなら心配ないよ~」といいつつ、「でもね。昔飼ってた猫は、やっぱり3泊くらいひとりで留守番させたら、帰ったときに声が嗄れてたのよ。ひとりで、寂しくて鳴いてたのかと思うとかわいそうだったなぁ」だって。これを聞いたときは(出張、やめようかな)なんて真剣に思っちゃいました。でも、西子にもときには試練が必要。一時的にでも、僕と離れて生活することで、少しはわがまま鳴きが収まるかも? などと勝手な解釈を広げつつ、ダンボールで猫トイレを増設し、水を4皿、ご飯を3皿準備し、いざ出張へ。
 でも出張中も、頭の隅には西子のことが離れません。(どーしてるかなぁ。寂しくてないてないかなぁ)などと心のどこかで気になって仕方がありません。出るはずないのに(家に電話してみようか?)などと考えてしまいました。1日1分、いや30秒でいいから、西子が人間の言葉を話せるようになってくれて、電話に出たらきっと
僕「西子、ひとりで大丈夫? ご飯とお水まだある?」
西子「ご飯もお水もまだ大丈夫だけど、今日ちょっと吐いちゃった。畳の上だけど、拭けないからシミになっちゃうかも」
僕「いいよ、気にしなくて。帰ったら拭くから踏まないように気をつけてね」
西子「わかったー。寂しいから早く帰ってね」
なんて会話が成立するのでは? などと妄想を膨らませていました。
 そうこうしているうちに、3泊4日の出張は終了。急いで家に帰ってみると、いつものように西子は猫ベッドで寝たまま「なおーん、あおーん」とお帰りの挨拶。その声は…いつもと同じ、ちっとも嗄れていません。なんだか、心配していた僕がバカみたい。ご飯、水は、十分足りていましたが、トイレはいっぱい。3泊4日なら、留守番できるってことを証明したわけですが、ちょっと寂しい気分になりました。


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猫バカ?

2006年03月09日 | 西子
 東京都杉並区阿佐ヶ谷に引っ越してから2~3カ月、西子との生活を始めてから半年ほどすると、だいぶ安眠を妨害するような鳴き方はしなくなってきました。でも、それは真夜中や早朝に鳴くことが少なくなったということであって、よく鳴くことに変わりはありません。西子は、僕がどこにようと何をしていようと関係なく鳴き叫びます。
 例えば、風呂に入っているとき。西子は濡れるのがかなり嫌いなようで、お湯が張ってある湯船には近づこうとしません。だから、風呂場から遠い部屋(といっても2Kですが)にいて鳴きます。それは「ちょっと、あたしが膝に乗りたいって言ってるんだから、風呂なんかさっさと済ませないさいよ!」とでも言っているようです。
 それから、洗濯物を干しているときにも、激しく鳴いていました。ガラス越しに僕がいることはわかっているのに、膝にも乗れないし、遊んでもくれないし…というのがかなり気に入らなかったようです。
 そうはいっても、僕も生活をしているわけですから洗濯くらいはしないわけにはいきません。無視を決め込んでいたら、開いたままのパソコンの上で丸くなるという暴挙に出ました。「ピー」とか、とんでもない音する中、何事もないかのようにフツーに丸くなっていたのだからたまったものではありません。その様子は「いいわよ。そうやって無視するんなら今度からここで寝るからね~」とでも言っているようでした。このときばかりは、内心(こいつ、オレが嫌がることを知っていやがる。もしかしたら西子に心を見透かされているのかも…?)などと少し、大げさに考えてしまいました。
 このほか、なぜかトイレの行き返りにも鳴きます。夜、眠りに入る最も気持ちのいいタイミングで、いきなり「みゃお~ん、あお~ん」とかの凄まじい鳴き声とともにトイレに行き、「ジャー」と勢いよく音を立てておしっこ。帰ってくるときも行くときと同じように「みゃお~ん、あお~ん」と凄まじい声で鳴くもんですから、すっかり目が覚めてしまいます。以前、この調子でウ○コされたときは、異臭が収まるまでしばらくの間、眠りにつくことができませんでした。
 そんな、西子もたま~にあまり鳴かないことがあります。こんなときは「体調が悪いのかな」などと心配になってしまいます。でも、今のところ、たま~にあまり鳴かないのは眠いときだけ。2~3時間もすると、僕の都合は気にせずに「みゃお~ん、あお~ん」を開始。その瞬間、ホッとしてしまう僕ってかなりの猫バカになってしまったのかも??


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病院5

2006年03月08日 | 西子
 東京都杉並区阿佐ヶ谷に引っ越してから数ヵ月後のこと。猫用のベッドの縁に顎をのせいて寝ている西子を見て、いつもとちょっと様子が違うことに気づきました。
 病院1でも書いたように、西子はなぜか犬歯が下顎の2本しかありません。原因は不明。病気? 虐待? いろいろ考えられます。しかし、少なくとも今は病気ではありません。それに虐待を受けた猫なら、地域猫のとき自分から人間の膝に乗ってくることも考えにくいところ。とにかく、犬歯は下顎2本だけ。西子にとっても大事なはず。その大事なはずの2本の犬歯のうち、左側の犬歯が八重歯のように口からひょっこり出ています。
 猫はよくベロをだしたままになることもありますから、たまたま左の犬歯だけが八重歯になったのだと思って、じーっと見つめてみました。ところが、いつまでたっても八重歯が口の中に収まることはありません。
 「おかしいなぁ」と思って、触れてみるとグラグラしています。西子は、そのグラグラがとても気持ち悪いようで、すっごく嫌な顔をして鳴き叫びながら前足で僕を押して抵抗。その様子にいじわるな気分が刺激されて、何度も触る僕。「いつも安眠を妨害しやがって…。ここで一気に借りを返してもらうぜぃ」などと言いながら、西子と戯れていました。戯れつつも、口の中は臭くないし、歯茎や口には傷などはないことに気づきました。
 「うーん、どうしたんだろうなぁ。もしかしたら、実は大変な病におかされているのでは?」などと、つい悪いほうに考えてしまいがち。何だか本気で心配になってきました。というわけで、早速、週末に『猫の病院』へ。いつものように、西子が鳴き叫ぶ横で症状を説明し治療開始。「あら、ほんとグラグラしてるわね」と先生も不思議そう。鳴き叫ぶ西子を台にねじ伏せ、グラグラになった犬歯をピンセットでかるく引っ張るといとも簡単にポロリ。ピンセットで挟んだ歯の根元を見て「あら、折れてる!」と先生。
 「このコ、目はちゃんと見えているかしら?」
 「ボールを追いかけたりしていますから、見えていると思います。でも、折れてるってどういうことですか? 猫の歯ってそんなに簡単に折れるものなんですか?」
 「猫の歯は結構硬いのよ。でも、目が見えなくなった猫が、ジャレているときにどこかにぶつかって歯を折るってことはあるんだけど…このコは目は見えるのよね。それにたしかに口や歯茎には傷はないし、何やったのかしらね。まぁ、人間が見ていないところで何をやっているかわからないからね、猫なんて」
 「それって、もしかしたら他の歯も、なにか悪さして折ってきたってことですかね?」
 「たぶんそうね。とにかく、犬歯が1本になっちゃったから気をつけたほうがいいわね」
 しかし、本当にこんな間抜けな理由で犬歯を折りまくっていたとしたら、大病や虐待を疑った僕の立場は一体どうしてくれるんだぁ、などと思いつつ、それ以後は遊んでいるときに西子の様子を少し注意してみている僕でした。
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病院4

2006年03月07日 | 西子
 東京都杉並区阿佐ヶ谷に無事引っ越し完了。早速、Cねえさんから有力な猫情報をいただきました。
 「阿佐ヶ谷に『猫の病院』っていう猫専門の病院があるよ。パキパキした感じの女医さんでなかなかいいから行ってみれば?」
 西子も、引越しなどで何かとストレスも溜まっているであろうことは推察できました。何しろ、腎臓が悪く、虚弱なん猫ですから、ここはひとつ体調をみていただこう! と思い、早速「猫の病院」へ。
 新しい住まいは、ペット可物件ですから、西子がどんなに鳴きわめこうが、ゆったりとした気分で家を出ることができます。これは、飼い主の精神衛生上、かなり助かります。
 「猫の病院」は、病院の前にかわいい2匹の猫のオブジェがあったり、待合室にも猫の置物がたくさん飾ってあったりで、その名のとおりとってもネコしている病院です。
 もちろん、患者は猫オンリー。西子は相変わらず鳴き叫んでいますが、猫好きばかり集まってますから待合室では、西子も「元気がよくていいねぇ。怖がっているのかな? 大丈夫だよぉ」なんて声を掛けられたりして、とっても和やかなムード。
 そうこうしているうちに、名前を呼ばれて診察室へ。スタッフは、ややふくよかな女医さんと窓口の対応などもしている助手らしき女性の2人。診察室で腎臓が悪いことを告げ診察に。
 「何歳になるの?」という先生の問いに「拾ったのは年末なんですけど、どこかで飼われていたらしくてよくわからないんですよ。小さいからそんなに年齢はいっていないと思うんですけど…」と僕。すると、先生は「ちょっと待って」と言って、西子の顔にライトを当て始めました。
 「あーこのコ、結構、年齢いってるわよ。こうして、ライトを当てたときに、目が少し白濁しているでしょ。白内障ではないけど、ある程度、年齢をとった猫はこうなるのよ。まあ7~8歳ってところじゃないかしら」
 ゲッ! 西子って実は年増。これには、ちょっとショックでした。西子は自分の年齢を明らかにされたことに憤慨するかのように、いつもに増して鳴き叫んでいます。
 「お前、若い振りしてたんだろう。どこで、拾ってきたの?」と先生。「西新宿の駐車場で丸くなってたので、つい拾っちゃいました」と僕。「西新宿とは、ずいぶん怪しげなところにいたんだな。それにしてもうまくやったじゃないか。シメシメって感じだろう」と西子に話しかける先生。西子は先生と僕とのやり取りの間「あんまり手の内バラさないでよ」と言っているのか、「そんなんじゃないわよ! 誤解よ、誤解。本当に大変だったのよぉ」と言っているのか、激しく鳴き叫んでいました。
 すると「それにしても、小さい身体なのに大きな声でよく鳴くねえ。うちでもこうなの?」と先生。
 「そうですね。なんだかわからないけど、鳴き叫んでます」と僕。これには先生も呆れ顔。
 そうこうしている間に、血液を採って検査は終了。案の定、西子の腎臓の状態は悪いままでした。
 「普通のキャットフードは猫が好むように作っているの。だけど、腎臓食はそうじゃないから、キャットフードの味に慣れてしまうと、腎臓食を食べなくなってしまうのよ。だから、これからは腎臓食以外は与えないようにしたほうがいいわね」
 たしかに、うちの西子は超わがまま。気に入ったもの以外はなかなか食べてくれません。ここは先生の忠告を受け入れて数種類の腎臓食を購入。結構な出費になってしまいました。
 猫の病院の女医さんは、Cねえさんの言うとおり、パキパキしていてさらに猫のことを知り尽くしているって感じ。もっというと獣医さん+ボス猫とでもいうような風格。何を言われようが、何をされようが、どんなに抵抗しようが、どんなに鳴き喚こうが、結局は猫自身も許してしまう独特の貫禄がある獣医さんでした。西子のかかりつけ医に決定です。
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引越し

2006年03月06日 | 西子
 西子を拾ったとき住んでいた横浜市内のマンションは、実はペット禁止。ハムスターとか鳥なんかの小動物はOKだけど、猫・犬の類はダメって言われてました。でも、中には内緒で犬を飼っている人がいて、吠えながら追いかけられたこともたびたびありましたから「まぁ、当面は大丈夫だろう」との確信はありました。とはいうものの、身体は小さいくせに、連日、サカリがついたように鳴く西子ですから気が気ではありません。それに、実はこの時期に僕、離婚しまして…。イッソのこと狭くてもいいから、便利でペットOKの賃貸に引っ越そう! と決めました。
 そこで、①東京都内で家賃が比較的安いところ、②都心へのアクセスがいいところ、③ペットOKの物件、の3つを基準に部屋探し(③がもっとも重要!)。そこで、浮上したのが中野区・杉並区。でも、ペットOKの物件って少ないんですよね。小さい不動産屋だと「猫がいるんですけど…」といった途端、取り付く島もなしって感じで追い返されることもたびたび。比較的大きい不動産屋でも、2~3件なんてことも少なくありませんでした。それに、敷金が1~2か月分多く取られてしまう。「内緒で飼っちゃおうかなぁ」などと思うこともしばしばでした。でも、なんといっても、けたたましく「にゃおーん、みゃおーん、あおーん」と派手に鳴きまくりますから、やっぱり内緒で飼うのは不安です。
 男一人と猫一匹ですから、物が多いわけではありませんので広い必要はありません。でも、猫トイレは人のトイレに納めますが、西子のご飯用のお皿、水用のお皿、爪とぎの置き場所は確保しないわけにはいきませんから、あまり狭いのも考えもの。
 部屋探しに苦戦する僕を尻目に、西子の夜鳴きは相変わらず。「まったく…。だれのせいでこんなに苦労してると思ってんだよぉ」とグチってみましたが、そんなことを気にする西子ではありません。泣き叫んでいたかと思うと、膝の上で丸くなってゴロゴロ。こんなことされると、もう怒る気にはなれません。
 苦労の挙句、見つけたのが現在の杉並区阿佐ヶ谷。5.5畳のフローリングと6畳の和室。十分な広さです。しかも、阿佐ヶ谷は西子のお気に入りのおもちゃのボールをくれたCねえさんの地元でもあるので、いい動物物病院などの猫情報もいただけます。もう、このときはどれほどホッととしたことか…。
 こうして、西子と僕の新しい生活がスタートするのでした
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猫との生活

2006年03月04日 | 西子
 実は西子を拾ったときの僕の精神状態は、最悪でした。
 公私共にさまざまな問題に直面し、かなりのストレス過多ともいえる時期でした。そんなときに、悲しげな目をした西子と出会い、つい魔がさして拾ってしまったって感じ。正直に言って後悔したこともありますが、ネコって一緒に住んでみると、何だかすっごく心地いいなぁって思う瞬間があるんです。とてもつもなくうるさくて、膝フェチで、腎臓が悪い厄介な西子でさえ、です。ネコ好きの人なら、この感覚ってわかっていただけると思います。西子は、僕がどんなに落ち込んでいても、どんなに困り果てていても、決して自分のペースを崩しません。好きなように食べ、好きなようにボールで遊んでいます。
 ネコによっては、落ち込んでいると慰めてくれることもあるようです。でも、うちの西子は自分が甘えることしか考えていない様子。落ち込んでると鳴くのをやめてはくれますが、僕に背を向けてネコベッドに横たわっています。その背中は「あんた、男なんだからしっかりしなさいよぉ。落ち込んでると膝に乗りづらいのよねぇ」とでもいっているようです。以前、なんとかして慰めてもらおう考え、抱きしめてみましたが、前足でうるさそうに押しのけられてしまいました。
 「お前は薄情なヤツだなぁ」
 といってシッポの付け根を軽くたたくと、西子のびっくりのツボにはまったらしく、すっごい勢いで後ろ足が跳ね上がりました。逆立ちに近いくらいに後ろ足が持ち上がったので、たたいた僕もびっくり。
 「ナンダこいつ! 変なヤツ」
 と思い、さらに追いかけてポンと尻尾の付け根をたたくと、また後ろ足が跳ね上がりました。連続して最低3回は跳ね上がることが判明。何だか、そんなコミカルな西子の動きに落ち込んでいたことも忘れ、気がつくと西子も膝の上に。
 人間でも動物でも、つらい時期を共有すると、不思議な連帯感が生まれるようです。
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おもちゃ

2006年03月03日 | 西子
何とかして、西子の「にゃおーん、みゃおーん、あおーん」を止め、安らかに眠りたい。
 そのため、僕なりに原因を考えてみました。ご飯もいっぱいあげているので、お腹が空いて鳴くわけではない。検査の結果から体調が悪いわけでもなさそう。電気行火を猫用のベッドに入れて24時間つけっぱなししていますから、寒いということもない。こう考えていくと、最後に三つの可能性が残りました。
 ひとつ目は、西子がとっても「膝フェッチ」であること。とにかく、人の膝で丸くなるのが大好き。胡坐をかいた膝の上に一度乗ったら、なかなか動きません。人が、トイレに入っていようが、風呂に入っていようが、膝を求めて鳴き、叫びます。しかし、僕だって横になって寝たいですから、一晩中、西子を膝に乗せているわけにはいきません。これは、とても実現不可能。
 ふたつ目は、運動不足であること。連れてきてからの西子の生活は、膝に乗っているか、食べているか、寝ているか、のどれか。どう考えても運動不足です。
 そして、最後の三つ目は、単に鳴きたいだけ。これは、一番、考えたくない可能性。しかし、当時、ヤフーの検索で「猫の夜鳴き」と検索すると、20~30件(だったと思う)がヒット。いくつかを見てみると、何年も猫の夜鳴きに苦しめられている人も少なくない様子。「う~ん、苦しんでいる人は僕の他にもこんなにいるのか…」と感心しつつも、もしこれなら手の打ちようがありませんから、とっても悲しい。
 とりあえず、この3つの可能性のうち、2つ目の運動不足を解消しようと考えました。早速、ペットショップでおもちゃ選び。多種多様な猫用のおもちゃの中から、棒の先にひらひらが付いたもの。紐を引っ張ると「じぃー」と音を立てて動くネズミのぬいぐるみ。それとマタタビの粉末を購入。「さあー、どれがお気に入りになるかな?」と、ちょっとわくわくしながら西子のもとへ。初めに棒の先にひらひらの付いたものを試してみました。西子の鼻先で、ひらひらさせてみたのですが、何だかすっごく嫌~な顔をされてしまいました。次に試したのが、ネズミのぬいぐるみ。紐を引っ張って動かすと、見つめてはいるのですが、無反応。このときの西子は「ふーん、動くんだ。だから何よ?」とでも言っているようでした。
 厳選して購入したおもちゃをまったく気に入ってもらえず、このときはかなりヘコみました。しかし、ヘコんでばかりもいられません。ここで、一工夫。マタタビの粉末をネズミのぬいぐるみに振りかけてみました。僕なりにいいアイデアだと感心したのですが、当の西子はぬいぐるみを一舐め、二舐めしたらすっかり関心を示さなくなってしまいました。試しに、手のひらにマタタビをとって鼻先に近づけてみたのですが、やはり一斜め、二舐めで終了。「『猫にマタタビ』っていうけど、あんまりマタタビが好きじゃない猫もいるんだぁ」などと感心しつつも、やはりショックです。
 「どうしたらいいだろう…」と途方にくれていると、十年以上ネコを絶やさない生活をしている知人のC姉さん(フランス原産のシャルトリューという珍しい種類のサクラというネコと日本猫のトラを飼っています)から「うちのコは、これが大好きだからきっと気に入るよ」ともらったのが、クラッカーの中に入っている小さいボール。キラキラかつフワフワで、フローリングだと滑るようにすばやく転がります。このときの私は藁にも縋る心境でしたから、早速いただいて西子の前に「コロコロ」と転がしてみました。すると、今までどんなおもちゃに反応を示さなかった西子が大はしゃぎ。
 「やったー。やっとお気に入りのおもちゃを発見したぞぉ!」
 思わず、声に出してしまうほど感激しました。しかし…冷静になって「こいつ、さんざんカネと時間をかけて探したおもちゃは気に入らなかったくせに、クラッカーのボールで大はしゃぎか…。」と思ったらどうにも腑に落ちません。でもいいんです。「夜鳴き」がこれで収まれば。目的はそれですから。
 しかし…ダメでした。その後も止むことなく続く夜鳴き。さらに、夜中にボールを追う「どたどた、がさがさ」が加わり、「にゃおーん、みゃおーん、あおーん、どたどた、がさがさ」に進化。眠れぬ夜はその後も当分続くことになるのでした。


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病院3&腎臓食

2006年03月02日 | 西子
 結局、西子はうるさいほど鳴く、しかも腎臓がかなり悪い、とてもヤッカイなネコでした。退院してからも、しばらくは傷口を舐めないように首に輪っかをつけたまま。それが不快なのか、入院する前より激しく鳴くようになりました。お陰ですっかり寝不足気味。ときどきドアやテーブルの足に輪っかをぶつけ、ちょっとよろけるのですが、そのときに短く「みゃお!」と鳴くことがあります。どうやら、モンクを言っているようです。
 腎臓食は動物病院があるペットショップで購入。普通のペットフード同様、パックと缶詰とドライフードのカリカリがあり、パックが1種類、缶詰とドライフードがそれぞれ2種類ずつ並んでいました。しかし、缶詰は一缶で100円を下るものはなく、カリカリは500グラムで1000円を下回るものはありません。量の少ないパックはやや安いのですが、安売りの「5缶で298円」なんていうのをみてしまうと、やるせなさが募ることもあります。さらに「もし、この値の張る腎臓食を気に入ってくれなかったら…」と不安でしたが、パックと缶詰が気に入ってくれたのでひとまず安心。
 お気に入りの腎臓食もできたころには、傷口もだいぶふさがってきました。いよいよ抜糸です。例によって逃げるように自宅を出て病院へ。待合室でも延々と「にゃおーん、みゃおーん、あおーん」が続きます。順番を待っていると、ゴスロリ風の女の子の二人組みが、大きなカゴを持って来院。開けたので、覗き込んでみると一面に真っ白な毛の塊が見えます。その毛の塊を撫でている様子をしばらく見ていて、それが丸々と太ったでっかいウサギであることがわかりました。どう見てもうちの西子の1.5倍はあります。二人の女の子は「かわいいねぇ」などといいながら、そのうちカゴから出して抱いていましたが、ちょっとした小型犬ほどの大きさで、しかも丸々と太っていますからどことなくフテブテしい相撲取りのよう。僕の美意識ではお世辞にも「かわいい」とはいえません。内心(うちの西子のほうが、かわいいもんね。うるさいけど…)と思ったとき気づきました。うちの西子、ウサギが登場してから黙ったまま。どうやら、西子なりに驚いているようです。(結構、デリケートなところあるじゃん)などと感心していましたが、診察室に入ると一転、「にゃおーん、みゃおーん、あおーん」の繰り返し。抜糸している間も延々と鳴き続けていました。
 一通り、施術が終わると、獣医さんが「西子ちゃんはおしゃべりだねぇ」と言って、やさしく背中を撫でてくれました。僕はこの獣医さんの言葉を聞いたとき(なるほどぉ…『おしゃべりなネコ』かぁ。獣医さんって言葉の使い方に気をつけるんだなぁ)などと感心していましたが、当の西子は意に介さず。延々と「にゃおーん、みゃおーん、あおーん」です。
 「家でもこの調子で鳴くんですけど、どうしてなんでしょうか?」
 思わず、獣医さんに尋ねました。
 「一通り、検査しましたが、異常はありませんでしたので、身体の不調を訴えて鳴いているわけではないでしょう。何かを訴えているんだとは思いますが、それが何かはちょっとわかりませんね」
 (そうかぁ。獣医さんにもわからないのかぁ。鳴くのはあきらめるしかないか)
 そんなことを思いつつ、うるさいカゴを抱えて家路を急ぐのでした。 

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病院2

2006年03月01日 | 西子
 避妊手術のための2泊3日の入院を終え、いよいよ退院の日になりました。
 「きっと、これでおとなしくなってくれるだろう」
 そんな期待を抱きつつ病院へ。診察室に着くと、奥から犬の鳴き声に交じって「にゃお~ん、みゃお~ん、あお~ん」の鳴き声。
 「もしかして、うちの西子?」
 何だかとっても嫌~な予感。まずは、私だけが診察室に入り、獣医さんから説明を受けます。
 「お腹を開けてみたんですが、子宮はあったんですけど卵巣がなかったんですよ。先天的な奇形の可能性もないわけではありませんが、以前に避妊手術をしていたようですね。卵巣の大きさなどで年齢を特定しようと思ったのですが、それもできませんでしたから、何歳だかわかりません」
 (ゲッ! じゃああのすさまじい鳴き声はなぜ? しかも年齢不詳か!)
 「それから歯ですけど、現時点で病気ということはありません。血液検査もしましたが、猫エイズにはかかっていません。でも…腎臓がかなり悪いですね。このままだと、腎不全になってしまう恐れがあります。お薬も出しておきますが、猫用の腎臓食がありますから、食事はできるだけ腎臓食を食べさせてください。それから、今後も継続して血液検査をするなどして、経過を見たほうがいいですね」
 (猫用の腎臓食? そんなのあるんだ)
 何だか、西子にはいちいち驚かされます。
 獣医さんは、一通り説明を済ませると「じゃあ、西子ちゃん、連れてきますね」と奥へ。ちなみに、獣医さんが説明をしている最中も、延々と「にゃお~ん、みゃお~ん、あお~ん」の鳴き声。そのうち「にゃお~ん、みゃお~ん、あお~ん」が、だんだん大きくなってきました。嫌~な予感的中。案の定、鳴き声の主はうちの西子でした。傷口を舐めないように、首に輪っかをはめられながらも、衰えることなくすさまじい声で鳴き続けています。
 「すごく神経質みたいですね。入院中はぜんぜん食事を食べませんでした」
 これを聞いたとき何だか、申し訳ないよう気もしましたが、それよりも「にゃお~ん、みゃお~ん、あお~ん」と鳴き続ける西子を見て「実は単なるうるさい猫か。こいつ、猫カブってたやがったんだ。しかも腎臓が悪いだとぉ。定期的に検査って、カネかかってしょうがないよぉ」って思いました。
 でも、時すでに遅し。今更、捨てなおすわけにもいきません。
 「えらいもん、拾っちゃったなぁ…」
 動物病院からの帰り道、西子の入っているうるさいカバンを見ながら、思わずこんなことをつぶやいてました。
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