金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕い その1

2017-03-16 23:12:11 | 磁器の繕い例
地中海のマルタ島の長期滞在からようやく帰ってきた妻の妹夫婦。
そのご主人が直してほしいと持ってこられたカップ。

パレスチナで購入したが、不用意にも壊してしまったとのことでした。

木っ端みじんの状態ですね。
でも、パレスチナのとても有名な人物の写真が描かれているものなので、どうしても直してほしいと。
その方とは知り合いだとか。すごいね。
使わずに飾っておくというので、そのような手法で進めました。


先ずはアラルダイトで3つに割れたものを接着です。


この大きく割れた部分の欠片も持ってこられましたが、材質がとても柔いもので、細かな欠片は使わないことにしました。


半日ぐらいたって、余分なアラルダイトを剃刀でそぎ落とします。
ここで、気づきましたが、中国製のこのカップ、とても変です。
アラルダイトで汚れた部分だけでなく、セロテープを貼っていた部分にも跡が残ってしまうのです。
アルコールで拭いたり、超ミクロな水ペーパーを使っても綺麗にならないのです。
とても変な材質のカップです。
材質の悪い中国製の製品なのか、写真を焼き付けるために特別な処理がしてあるのか、とても変です。
こんな製品もあるのかと、また新しい経験でしたね。
同じようなものに出会ったら、今度はアラルダイトがはみ出ない程度にして、セロテープは使わずに、ゴムバンドか何かで固定しないといけませんね。


内側の欠けた部分とその他の小さな欠けた部分にはプラスチック板を使って整形しています。


その2に続く。


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