旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

駅弁コレクション14 「鯛鮨」(敦賀駅)

2021-11-12 09:08:55 | 駅弁コレクション
【鯛鮨】(敦賀駅)
                           2021.11.12投稿

1977年(昭和52年)11月23日 敦賀駅で購入 価格500円
                  [製造元](合名)刀根荘兵衛商店


 当時では珍しい箱形の掛紙です。
 『一枚のキップから』は、この年の1月から、「DISCOVER JAPAN」の後続として始まったキャンペーンでしたが長続きせず、翌1978年(昭和53年)11月には山口百恵さんが歌う『いい日旅立ち』をキャンペーンソングとした『いい日旅立ち』が始まりました。
 中には、時代を感じさせる『敦賀のしおり』が入っていました。




 「おいらせユースホステル」から異動した石田サブペアレントを訪ねて「浜坂ユースホステル」に向かう途中、敦賀駅で買ったものです。
 当時、名古屋から米原・敦賀・西舞鶴・豊岡・鳥取を経由し、大社まで直通する急行「大社」が運転されていました。
 午前9時過ぎに名古屋駅を出発した列車に7時間程乗り、最寄りの浜坂駅に16時半頃着いた記憶があります。
途中、車内販売から竹輪を買って食べた記憶はあるのですが、この駅弁の中身は記憶も・記録もありません。

 「敦賀名産 元祖」を冠した『鯛鮨』は、現在敦賀駅で駅弁を製造・販売する『塩荘』の前身、『刀根荘兵衛商店』の駅弁です。
 1903年(明治36年)4月1日から敦賀駅で立売営業を開始した歴史のある会社で、大正初期から販売されていたとされる『鯛鮨』です。
 敦賀駅では、最も古くからある駅弁で、元々の主力商品は「きす鮨」でしたが、通年で販売できる素材ということで、「鯛」に切り替ったという歴史があります。
 1982年(昭和57年)発行の『駅弁全線全駅』(主婦と生活社)に、白黒写真で紹介されています。

 たいを使う駅弁は関東、西日本ではたいめし、北陸ではたいずしが多くなる。たいめしとは普通たいの身をご飯といっしょに炊き込んだものをいう。たい風味豊かな炊きこみご飯だ。ところが近年たい不足のため、たい飯の“たい”にただの白身魚を用いるところが多くなっている。値段を安くするためには仕方がないとはいえやはり風味が違う。つい「これはなんの魚だろうか」と不安になるような味のものも見うけられる。
 しかし北陸、敦賀ならそんな心配は必要ない。正真正銘のたいにお目にかかれる。たいの種類には真だい、ちだい、きだい、くろだいなどがある。中には“めでたい”にあやかって、たいの種類でもないのにたいを名のる不届き者もいる。この鯛鮨には、たいの中でも本物の味、真だいが使われている。若狭湾では一年中とれるので、材料の手配の心配もない。まず3枚におろしうす塩をかけ酢にひたし、酢じめにする。皮と身を半々ぐらいにそいだたいは、ピンクと白銀に光って食べるのがもったいないほど美しい。これをすめしの上にのせ押しずしにし食べやすい大きさに切りひし型容器に3個ずつ4列並べる。
 さっぱりとしたたいと、ほんのり甘い関西風すしめしとのコンビネーションが絶妙な味だ。ふたを開ければ一年中新鮮なのもうれしい。

 高級バージョンの「鯛の舞」も販売されていますが、掛紙のデザインは変更されたものの現在も「元祖」は販売されています。




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