旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

天竜浜名湖鉄道の旅4~天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅 転車台&鉄道歴史館見学ツアー

2016-08-16 14:43:19 | 天竜浜名湖鉄道の旅
 昼食後、西村京太郎作品「生死を分ける転車台-天竜浜名湖鉄道の殺意-」の舞台となった「転車台」を間近で見ることができるツアーに参加します。






ツアー料金は、天浜線を利用していくと200円です。




 駅舎に集合し、富田さんの案内でツアーが始まりました。


 駅構内を横断し、一端一般道に出ます。




 列車が迫ってくるのを正面から見ることはなかなかありません。


 まず最初に見学したのは国の登録有形文化財に登録されている、運転区高架貯水槽。
 高架貯水槽としては珍しい鉄筋コンクリート造。蒸気機関車が走っていた時代に機関車に水を供給するための水槽で、容量は70トン。現在は役目を終え使用されていないシンボル的な存在とか。
 貯水槽の製作時期に関しては、明確な資料が残されていないそうですが、昭和15年に天竜二俣駅及び運転区・工務区の全景を写した写真に高架貯水槽も写っていることから、開業に間に合うように作られたもののようです。
 なお、橋脚の高さ3メートル94の位置まで耐震補強が昭和19年の東南海地震後に施工されたことが分かっているそうです。


 このあと、再び駅構内に入ります。


 左の建物も、運転区事務室・休憩所として使われている登録有形文化財。


 右には、現在も使われているトイレ洗濯場とかつて使われていた浴場があります。


 浴場には、過去に使われたヘッドマークが置かれていました。


 脱衣所だったところには、昭和39年の運賃表が貼られていましたが、天竜二俣駅ではなく、尾名駅のものでした。


 二つの建物の間を通り抜けると、扇形車庫と転車台が姿を現します。


 扇形車庫は木造平屋建、波形ストレート鉄板葺で、建設当時は6線分の格納が可能だったようですが現在は4線分に切り縮められています。総木造で庫内に下る柱を少なくするために力強い架構を持っています。


扇形車庫に附属する施設は、鉄道歴史館として国鉄二俣線と天浜線の貴重な鉄道関連の資料・部品を展示しています。


 タブレット閉塞機。


日付印字機と改札鋏。


 最近まで使われていた信号器とポイントの連動装置。


 駅名票や腕章。


 乗車券保管箱。


 本当に色々な資料が有り、ゆっくり見たいのですが…、45分間のツアーと時間が限られているのが残念です。




 西村京太郎先生もこのジオラマをみて、作品の構想を練ったのでしょうか。


 中川礼二さんが、平成24年の天浜線フェスタの際に1日駅長を務めた記念の品も展示されていました。


 ツアーの最後が、転車台でした。実際に車両を乗せて、方向を変える作業を見せてくれました。






 転車台の狭い四角い運転台には、「生死を分ける転車台-天竜浜名湖鉄道の殺意-」のクライマックスに出てくる「大きな石三つ」が実際にありました。


 転車台の前には、蒸気機関車C58 200号機の煙室扉とナンバープレート、動輪が展示されていました。
 この機関車の特徴は、左右のデフレクターの形が違うことで有名でした。


 日本の原風景がここにもありました。


 次は、遠州鉄道に乗るため西鹿島駅まで戻ります。

 つづく

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