日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

日本共産党東京都議会議員の池川友一のオフィシャルブログです。地方政治の現場からいろいろと発信していきます。

住宅支援が貧弱だと、他の施策が生きません。住まいは人権、生活保障の根本です

2020-11-09 | 学んだこと、政策のこと

 コロナ禍で、国や自治体の住宅支援の貧困が再認識されました。

 いったん住まいを失うと、生活再建の大きな障壁となります。住宅支援が貧弱だと、他の施策が生きません。住まいは人権、生活保障の根本です。

 参考:【東京貧困のリアル】自治体差で運命が決まる不当、ネットカフェ難民のその後を追う(私も取材をしていただいた記事です)

■住居確保給付金──町田市では40倍の申請件数

 生活困窮者支援の一つである住居確保給付金が激増しています。町田市では、昨年度13世帯でしたが、今年度は条件の緩和などもあり、10月までに570世帯以上──40倍以上の申請がありました。しかし、最大9カ月となっており、4月に申請がした方は年末が期限となります。9ヵ月で打ち切ることなく、継続的な支援が必要です。

■安定した住まいの確保こそ

 同時に、安定した住まいのない方々への支援も重要です。共産党都議団や支援団体のくり返しの要請によって、東京都はビジネスホテルでの緊急宿泊支援など、これまでにない対応を行いました。こうした支援につながった方が、支払い続けられる家賃のアパートなどに転居できるよう支援することが必要です。

 東京都が21年間。都営住宅の新規建設を行っていないことは重大です。公営住宅の抜本的な増設、UR賃貸住宅や東京都住宅供給公社の賃貸住宅をはじめ、民間賃貸アパートを借り上げて「みなし」で都営住宅として活用することも含めて、対応することが強く求められています。

 相談の中では、初期費用が用意できず、正規で働きながら2年以上ネットカフェでしのいでいたという話も。初期費用の支援も含め、安定した住まいを確保し、住み続けられるよう、政治が力を発揮するときです。

 写真は、米倉春奈都議と都庁の近くで行われている新宿ごはんプラスの支援活動に参加したときのもの。

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ

にほんブログ村←日本共産党池川友一のオフィシャルブログ「都政への架け橋」を見ていただきありがとうございます。一日1回、応援クリックをお願いします。


吠えていたライオンが、穏やかな表情を取り戻した日──大阪市廃止を問う住民投票

2020-11-02 | 学んだこと、政策のこと

 大阪市廃止を問う住民投票が行われ、前回に続き反対多数で大阪市が存続することになりました。大阪市のみなさん、本当にお疲れさまでした。

 現地に行ったわけでも、現地の有権者の方々の知り合いがたくさんいるわけでもなく、Twitterなどを使って「大阪市の廃止反対」を訴えていたわけですが、開票速報を見ながら反対多数となったときは歓喜をあげました。

 当初、世論調査では賛成が10ポイント上回る調査が発表されるなど、賛成が優勢の情勢でした。

 ところが、大阪のみなさんはあきらめず、不屈に、正々堂々と「大阪市を廃止してはいけない」と訴えられました。

 沖縄の辺野古のたたかいで「勝つ方法はあきらめないこと」というのがありますが、大阪のたたかいはまさに「勝つ方法はあきらめないこと」を体現したものだったと思います。

 この大阪のみなさんの取り組みから多くを学ばされました。

■ノーサイドで市民と一緒に市政をすすめる

 市民の中に対立と分断を持ち込んだ二度の住民投票によって、反対派が多数派となったわけですが僅差です。

 前回が、反対705,585(50.38%)、賛成694,844(49.62%)。

 今回も、反対692,996(50.63%)、賛成675,829(49.37%)。

 反対多数が確実となった後、明るい民主大阪府政をつくる会や大阪市をよくする会が行った記者会見で、次のように語られたことがとても印象的でした。

 「これでノーサイド(終了)にして、制度いじりではなく、当たり前の自治体に戻しながら、政令市を残してよかったと思っていただけるよう市民と一緒に市政をすすめていきたい」(山中智子市議団長)

 「大阪市を守り生かそうと市民の良識が発揮されたもので、賛成に投票された方も大阪市をよりよくしたいという思いは共通。政令市の力を生かして市民の命、暮らしと営業を守るためにすべてのみなさんと力を合わせていきたい」(柳府委員長)

 特に、山中市議団長の発言は、本当に胸を打ちました。

 今回の「都構想」がいかに住民の暮らしや福祉に影響があるのか。テレビ討論で松井市長と論戦し、その矛盾を突いてきた先頭に立ってきた方が、「ノーサイドにして」と発言された背景には、この住民投票で大阪市民の中に対立と分断が持ち込まれたことの深刻さを感じてのことではないかと強く思いました。

 絵本作家の長谷川義史さんは、大阪市廃止反対の声を上げ続付けてきました。

 私は、長谷川さんの絵本のファンで、子どもたちにも読み聞かせしています。今回の住民投票で、長谷川さんの描いたライオンが素晴らしかったなと強く思っています。

 住民投票の関連で、長谷川さんは3枚の作品を発表されています。

 最初の作品はこれ。

  • 大阪市なくなってほんまにええんかよー考えてや!ライオン
    大阪市廃止に反対!!都構想に、NO!

 次の作品がこれ。投票日の当日に発表された作品です。

  • ええお天気 さぁ!投票に行ってこよう!
    大阪市廃止でええん?住民投票

 そして最後がこれ。

  • No Side

 住民投票中、ライオンは吠えていました。しかし結果が出た翌日のライオンは穏やかな表情を取り戻したのです。

 この絵は、山中市議団長が「これでノーサイド(終了)にして、制度いじりではなく、当たり前の自治体に戻しながら、政令市を残してよかったと思っていただけるよう市民と一緒に市政をすすめていきたい」と発言していたこととも通じるものがあります。

 地方自治体は「住民の福祉の増進」が目的です。住民の福祉の増進とは、一人ひとりの暮らしを支え、充実していくという意味です。今回の大阪市廃止を問う住民投票から、私は地方自治体が果たすべき役割とは何かを学ばされました。

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ

にほんブログ村←日本共産党池川友一のオフィシャルブログ「都政への架け橋」を見ていただきありがとうございます。一日1回、応援クリックをお願いします。


プライドハウス東京レガシーに行きました

2020-10-16 | 学んだこと、政策のこと

 米倉春奈都議と、プライドハウス東京レガシーへ。

 まだ、プレオープンでしたが、とても素敵な雰囲気の場所。

 ここは、日本初の常設総合LGBTQセンター「プライドハウス東京レガシー」にいってきました。性的マイノリティーの人たちが交流したり情報を発信したりできる拠点です。

 本格オープンは11月の予定とのことです。

 このプライドハウスについては、都議会にプライドハウスへの支援を求める陳情が出され、都議会で最初に質問したのが共産党都議団の里吉ゆみ都議。その次が、米倉都議のピンチヒッターの私。共産党都議団は、本会議やオリパラ特別委員会でも、都として役割発揮を求めて質問を重ねてきました。

 その中で、他党からも質問がありました。重要な課題だけに、超党派で進めていきたいと思います。

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ

にほんブログ村←日本共産党池川友一のオフィシャルブログ「都政への架け橋」を見ていただきありがとうございます。一日1回、応援クリックをお願いします。


社会保障や公衆衛生は、平時に整っていてこそ緊急時にも対応できる

2020-09-28 | 学んだこと、政策のこと

 新型コロナ危機は、これまでの社会がいかに脆いかをあきらかにしました。

 新型コロナ危機を緊急時とするなら、平時と違う対応が求められることも当然あります。しかし、社会保障や公衆衛生は平時にきちんと整っていてこそ、緊急時も対応できるではないでしょうか。

 私が直接関わったことでいえば、ネットカフェ難民と呼ばれる方々の住まいの問題です。(参考:【東京貧困のリアル】自治体差で運命が決まる不当、ネットカフェ難民のその後を追う

 住まいがない人が生活保護などの制度を利用するとき、平時であれば、複数人で相部屋で環境がとてもいいとはいえず、3密を避けられない無料・低額宿泊所に案内されました。

 厚生労働省も東京都も、最初は無料・低額宿泊所であっても、感染拡大を防止するための措置をとっていれば複数人部屋の利用を促すということで動いていました。支援団体の方々や私たちも「それはおかしい」と声をあげ、原則個室へと動かしました。

 また、東京都は都内に推計4000人のネットカフェ難民への支援として、ビジネスホテルを借り上げるという方法を行いました。平時から住まいのない場合は、ホテルに滞在してもらい、その後はアパートに移動できるようにする仕組みをつくっておく必要があります。(原則は居宅保護。住まいがなければアパートなど住まいを用意することが原則です)

 緊急時だから特別な措置を行い、一度やったことでも平時に戻れば対応しないということで良いはずがありません。

 緊急時だけの対応を行うのではなく、平時から貧困をなくし、格差をただし、社会保障を充実しておくことが緊急時のもっとも重要な対応だということを私たちは教訓にする必要があると思います。

 実は、このブログでも何度か書いていますが、こうした思いに至る一つに、東日本大震災があります。岩手県陸前高田市の藤倉市議から、日常的に住民に役立つ施策があるかないかで、緊急時の対応が大きく変わってくるという話を聞かせていただきました。

 平時に何をしているかが、危機対応を行う際に重要だということです。その時の藤倉市議の話は、私の中に深く刻まれています。

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ

にほんブログ村←日本共産党池川友一のオフィシャルブログ「都政への架け橋」を見ていただきありがとうございます。一日1回、応援クリックをお願いします。


子どもの意見、子どもの参加こそキーワード──岐阜県斐太高校の校則とのたたかい

2019-12-20 | 学んだこと、政策のこと

 学校のルールは、子どもたちが参加して決めることを当たり前にしようと、当事者である高校生や若い人たちと意見交換をしてきました。

 岐阜県立斐太高校の「黒タイツがダメなワケ 校則とのたたかい」がNHKで報道され、大きな反響を呼びました。(参考:NHK NewsUp「黒いタイツがダメなワケ 校則とのたたかい」

 「ベージュのタイツは見た目が『もも引き』みたいでダサい」

 このシンプルな思い。実態調査やアンケートなどを通じて、意見を可視化していくプロセスは本当に素晴らしいなと感じました。

 改善要求に対して校長の回答はNO。

 理由は「やっぱり紺のセーラー服、紺のスカート。そして白のソックス。これが斐太高校の制服ですよというふうにずっと見てきたし、見られてきた。周囲の高校は、紺だったり黒のタイツだったりするので、それとの区別というか。斐太高校はこうだっていう、そこへのこだわり。それを覆すだけの理由が出てこなかった」というものでした。

 これを受けて、「手順を踏んで最大限やったのに納得いかないし、憤りを感じました」「私たちの意見ってなんだろう、というのが本心です」と高校生たちが話しています。

 最終的に保護者や同窓会などからも改善の意見が出され、校長は「保護者や同窓会の意見」を重く受け止めるという形で黒いタイツを可としました。

 校則を変えた、高校生の声が動かしたのです。

 ただ、モヤっとすることがあります。当事者である高校生の意見をどう見ていたのだろうか。学校教育の現場は、常に自分で思考し、他者を尊重しながら、未来をひらく力を育む場であるはずです。

 ところが、あらかじめ決められた(意味不明なものも多い)ルールに従うことを強要される。学校現場以外では通じないようなルールにどれだけの意味があるのでしょうか。しかも、そのルールは子どもたちの最善の利益というよりは、大人の都合で作られたものが多いと思うのです。

 子どもの意見、子どもの参加こそキーワードです。

 岐阜県教育委員会は、人権に配慮する視点から校則の見直しを進めたり、校則のホームページ公開を進めています。

 参考:「ブラック校則、県立高の9割以上に 岐阜で廃止の動き」
 参考:「岐阜県教委が県立高校の校則をホームページで公開へ」

にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ

にほんブログ村←日本共産党池川友一のオフィシャルブログ「都政への架け橋」を見ていただきありがとうございます。一日1回、応援クリックをお願いします。