5月12日から14日の3日間、市議会建設常任委員会で千葉県市原市、山口県防府市、大阪府北河内4市リサイクル施設組合を訪ね、デマンド型乗合タクシーやごみ処理施設などについて、視察をおこないました。
町田市でも懸案となっている問題を解決するための方策を勉強させていただくことができ、今後の市の施策の中に反映していきたいと思います。以下、それぞれの視察先の内容について報告していきます。
(千葉県市原市──デマンド型交通システム)
千葉県市原市では、デマンド型交通システムについての視察をさせていただきました。市原市は、「市原市交通マスタープラン」(2010年度~2019年度)に基づいて、公共交通のあり方について議論をおこなっています。
今回の視察で、交通政策課からヒアリングしたのは、「市原市における交通空白地域対策(デマンド型乗合タクシー)について」です。このデマンド型乗合タクシーは、市内2系統で、戸田地区ではデマンド戸田、養老地区ではようろう号がそれぞれ運行されています。
デマンド戸田を例に、その特徴について見ていきたいと思います。運行日は週2回、運行本数は上り4本、下り4本の合計8本です。
予約の仕方は、契約しているタクシー会社に前日午後6時までに連絡し、登録番号を伝え、利用する日、便、目的地を伝えます。利用者は、事前に登録をしておく必要があります。
デマンド戸田の現在の利用料金は、1人あたり運賃は500円。タクシー会社への委託料は、1運行あたり2380円です。2014年度実績では、運行委託費が13万610円、運賃収入が4万8100円、市原市からの補助は16万5305円(内10万円は事務費)で、収支率は36.8%、地元負担は1万7205円ということでした。利用者は、のべ105人で、1運行あたりの平均乗車人数は1.62人となっています。
当初のアンケートでは、利用すると回答した人が218人。内、すぐにでも利用すると答えた方は21人でしたが、現在までに利用した方は20人。利用登録件数は、2015年4月現在100名です。
また、導入にあたって、運行形態、補助金の出し方(地元負担のあり方含む)、料金などについて検討をおこなっています。運行形態は、コミュニティバス、乗合タクシー、デマンド型乗合タクシー、ボランティア送迎などについて検討をおこなった結果、デマンド型乗合タクシーとなったとうかがいました。
利点は、常時車を抱えることによる固定費の比重が高いため、固定系費が発生しない手法としたということです。地元負担については、経費の1/2もしくは赤字額のいずれか少ない方となっています。それ以上は、絶対に出さないということは、口が酸っぱくなるほど言っているとくり返しのべられていました。
市原市での視察は、これまで漠然としていたデマンド型乗合タクシーのイメージを膨らませるものとなりました。交通不便地域の解消、交通弱者に対するフォローを軸にしながら、どのような方法が町田市版として有効なのかについて議論を深めていく必要があると思います。
同時に、費用負担のあり方についても、所得格差がそのまま移動の格差につながることは絶対に避けなければなりません。市民、行政、事業者という三者協働が必要であることは言うまでもありませんが、その比重を同等にするのか、それとも公的責任の比重を高めるのかによって、政策展開が大きく変わってくると思います。目的があって手段がある──その目的を共有できなければ、手段の議論をいくらやっても実のあるものにはなりません。市原市で学んだことを町田市で生かし、交通弱者に対する移動手段の確保につながるようとりくんでいきたいと思います。
(つづく)
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