今から50年前の今日68年12月1日にOAされたのが、怪奇大
作戦12話・霧の童話。
落ち武者惨殺伝説のある鬼野村で頻発する落ち武者の亡霊騒ぎが
発端で調査に行ったSRIは事件の背後に外国の大手自動車メーカー
の土地買収問題がある事を突き止め、落ち武者事件による被害者が
全て工場進出賛成派だった事で最終的に土地を売りたくない老人達
による犯行という事が究明される。
このEPの舞台・長野県鬼野村は落ち武者惨殺伝説があるわけで
八つ墓村のような雰囲気で村を便利でよくしようとする若者を中心
にしたグループと、農業に拘り土地を売りたくない老人のグループ
の対立があり最終的に老人の中に旧日本軍の毒ガス部隊にいた大熊
松三が首謀者で霧に幻覚作用のあるガスを混ぜて他の老人が落ち武
者に扮していたという事。
老人グループのメンバーの孫・健一と三沢は仲良くなるのだが、
健一少年は‘山をあんなに崩したら山が怒る’と語り事件解決後に
鬼野村は鉄砲水に襲われ多数の死傷者を出すという無常のラスト
で終わる。
健一を演じたのはセブンでベロリンガ星人の人間体役で後に超人
バロム1に変身する1人・白鳥健太郎を演じた高野浩幸で、その
祖父が悪魔くんのメフィスト・吉田義夫、更に最初に落ち武者の亡
霊から襲撃されて重傷を負うのがソガ隊員の阿知波信介とゲストも
豪華なEPである。
怪奇大作戦のメインコンビ・上原正三と飯島敏宏による最終作と
なっている霧の童話は信州の大自然を上手く生かしているし、村が
鉄砲水で押し流されているシーンはあえてモノクロ処理するなど演
出も素晴らしくバックに流れる健一の通う小学校の生徒が演奏して
いたおもちゃのシンフォニーが無常感を際立たせている。