‘ミスター・ラグビー’平尾誠二死す

ミスター・ラグビー平尾誠二氏死去「病気療養中のところ…」神戸製鋼が発表 

 ラグビー元日本代表主将&監督の平尾誠二氏が今朝亡くなったと
いうニュースがネットに載っていた。

 53歳という若さでの逝去は あまりにも早過ぎるし、恩師である
山口良治氏よりも早く逝くとは夢にも思わなかった。

 平尾といえば80年度の高校選手権で伏見工のSOとして日本一に
なったのを皮切りに、同志社大でも1年からレギュラーを取り大学
3連覇したのに続き神戸製鋼でも7年連続日本一に輝くなど現役時
代は常に日の当たる場所に立ち続けていたスターだった。

 また代表チームでも松尾雄治引退後の日本代表の司令塔として活
躍しており、87年に始まったW杯でも3大会連続で出場し特に第
2回大会では宿沢広朗監督の下で主将を務めジンバブエに勝ってW
杯初勝利の立役者になるなど活躍していた。

 学生時代から視野の広さを感じさせるコメントを理路整然と語る
非・体育会系の人材で‘ラグビーは視野が広くないとラグビーバカ
では勝てない’という言葉を常々言っていたのは、自身が大学時代に
学生最強の人材を擁しながらNHK杯で松尾雄治率いる新日鉄釜石
相手に3度挑みながら勝てなかった体験からのコメントだろう。

 残念ながら惨敗に終わった第3回W杯以降は代表監督として評価
を落すような事が度々あったのも事実だが第3回W杯で自身が代表
復帰する時に「これからのCTBは体重が90㌔以上ないと体が持た
ない」とSOに拘ったり、WTBにトライゲッターの吉田義人ではな
く増保輝則を推したのは「WTBはトライを取るだけでなく2次攻撃
の起点になる」という事で批判を受けたのを思い出す。

 時が経って昨年のW杯を見ていたら現役当時の平尾のようなサイ
ズのBK選手は皆無で、FWのフランカーやロックのようなサイズの
選手ばかりになっていたしトライゲッターのWTBも2次攻撃の起点
になれる選手の方が多く平尾の理論の正しさが証明されたのだ。

 進み過ぎた理論というのは時には理解されずに批判を浴びるケース
が多々あるのだが、それを考えるとラグビー界のみならずスポーツ界
としても貴重な人材を失くしたという事になる。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Bill McCreary)
2016-10-22 21:25:12
宿沢広朗や上田昭夫、で今回の平尾といい、本来なら当然日本協会の最高幹部になってもらって今後のラグビー界のかじ取りをしてもらわなければ困る貴重な人材が3人も若死にしたのは、本当に痛いですね。いや、私の知らない貴重な人材で亡くなっている方がいるのかもですが、特に平尾は、日本ラグビーの80年代の人気絶頂の時代から、90年代の最悪の時代を選手として経験したわけで、人気絶頂の立役者の1人は彼なわけです。そうなると、日本ラグビーの様々な問題を彼ほどいろいろ語れる人間も少ないでしょうから、本当に貴重な人材を失ったなと少々頭を抱えたくなります。

余談ですが、代表監督に就任するのは、もう少し経験を積んでからのほうが良かったのかもですね。しかしそうなると、外国人HCが当然ということになったでしょうから、もちろん若死は予想できませんが、あの時しか監督にはなれなかったのだろうと考えます。
 
 
 
みんな有能な方々でしたから (こーじ)
2016-10-22 23:15:00
>Bill McCreary様

 宿沢さんや上田さんらは進歩的な考えの持ち主でした
からね。

 平尾監督はジーコと一緒で強いチームの監督をさせれば機能したのでしょうが、代表は弱者の立場ですから
言われるように経験を積んでという方がよかったとは思います。

 とはいえ外国人HCという発想がなかった時代に平尾以外では代表の求心力がある人材はいませんでしたから、
そういった巡り合わせは悪かったですよね。
 
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